シラバス
授業科目名 | 年度 | 学期 | 開講曜日・時限 | 学部・研究科など | 担当教員 | 教員カナ氏名 | 配当年次 | 単位数 |
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考古学特講A | 2024 | 前期 | 火5 | 文学部 | 須田 英一 | スダ エイイチ | 3・4年次配当 | 2 |
科目ナンバー
LE-AR3-F425
履修条件・関連科目等
授業で使用する言語
日本語
授業で使用する言語(その他の言語)
授業の概要
指定史跡を中心に神奈川県内の代表的な遺跡を取り上げ、その遺跡の発見や発掘調査に関わった地域研究者達にスポットを当てながら、日本考古学の研究の歩みと成果について理解を深める。また、地方自治体での実務経験、大学調査機関での調査・研究経験を通じた遺跡の調査現場での経験を伝えると共に、地域社会における遺跡の保存と活用についても考えてみたい。
科目目的
神奈川県内を中心として活動した地域研究者達の足跡をたどり、遺跡の調査・研究から構築された考古学の成果を通じて、神奈川内の遺跡と人物との関わりについて幅広く習得する。考古学的なものの考え方・捉え方も身に付ける。また、地域研究にかけた人物達の想いが、考古学の調査・研究成果とその保護にどのようにつながっていったのかについても知ってもらいたい。
この科目は、学生が学位授与の方針で示す「専門的学識」・「複眼的思考」を習得することを目的としている。
到達目標
この科目では、地域研究者達の足跡から、遺跡と人物との関わりについて幅広く考えられるようになると共に、各事例から地域研究者達の想いが現代にも継承されていることの理解を進めることを到達目標とする。
授業計画と内容
第1回 ガイダンス 考古学史の考え方
第2回 旧石器時代の遺跡(1)相模原市 田名向原遺跡 -住居状遺構と遺跡の保存-
第3回 縄文時代の遺跡(1) 相模原市 勝坂遺跡 -大山柏と勝坂式土器-
第4回 縄文時代の遺跡(2) 三浦市 諸磯遺跡 -榊原政職と諸磯式土器-
第6回 赤星直忠の人と学問 赤星直忠の人物像と研究内容
第7回 弥生時代の遺跡(1) 三浦市 赤坂遺跡 -赤星直忠・岡本勇と遺跡の保存-
第8回 弥生時代の遺跡(2) 三浦半島 海蝕洞穴遺跡群 -赤星直忠と「穴の考古学」-
第9回 古墳時代の遺跡 葉山町 長柄桜山古墳 -アマチュア考古学者と遺跡の発見-
第10回 石野瑛・岡本勇の人と学問 石野瑛・岡本勇の人物像と研究内容
第11回 奈良時代の遺跡 茅ヶ崎市 七堂伽藍跡(下寺尾官衙遺跡群)-岡本勇と寺院址の発見-
第12回 近現代の遺跡(1) 三浦半島 砲台遺跡群 -赤星直忠と『三浦半島城郭史』-
第13回 近現代の遺跡(2) 三浦市 ヤキバの塚遺跡 -漁村の考古学と民俗学をめぐって-
第14回 総括・まとめ 遺跡の調査・研究の成果、遺跡の発掘調査に関わった人物達、遺跡の保存と活用
授業時間外の学修の内容
その他
授業時間外の学修の内容(その他の内容等)
プライベートな時間に、近隣の埋蔵文化財センター・博物館などに足を運び、埋蔵文化財の活用事業にも参加してほしい。また、文化財や史跡などに関する新聞・雑誌記事や、テレビのニュース・特集番組などにも接し、講義内容の理解度を高めてほしい。
授業時間外の学修に必要な時間数/週
・毎週1回の授業が半期(前期または後期)または通年で完結するもの。1週間あたり4時間の学修を基本とします。
・毎週2回の授業が半期(前期または後期)で完結するもの。1週間あたり8時間の学修を基本とします。
成績評価の方法・基準
種別 | 割合(%) | 評価基準 |
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レポート | 60 | 定期試験は実施しない。中間・学期末の課題レポートを課す。その内容を基準とする。 |
平常点 | 40 | 授業の受講態度の状況と、毎回のリアクションペーパーの内容を基準とする。 |
成績評価の方法・基準(備考)
評価の前提条件:両課題レポートを提出していない受講者は、F判定とするので、十分に注意すること。
課題や試験のフィードバック方法
授業時間内で講評・解説の時間を設ける
課題や試験のフィードバック方法(その他の内容等)
アクティブ・ラーニングの実施内容
実施しない
アクティブ・ラーニングの実施内容(その他の内容等)
授業におけるICTの活用方法
実施しない
授業におけるICTの活用方法(その他の内容等)
実務経験のある教員による授業
はい
【実務経験有の場合】実務経験の内容
・1988年9月~1991年12月、慶應義塾藤沢校地埋蔵文化財調査室勤務、発掘調査担当者として発掘調査・整理作業に従事
・1994年4月~2010年3月、神奈川県三浦市教育委員会社会教育課文化財保護係勤務、文化財担当者として埋蔵文化財発掘調査・整理作業、資料館運営、公開・普及活動、庶務事務に従事
・2011年10月~2013年3月、慶応義塾大学矢上地区文化財調査室勤務、文化財担当者として整理作業に従事
【実務経験有の場合】実務経験に関連する授業内容
大学の調査研究機関、地方自治体の文化財行政の実務経験を通じ、埋蔵文化財行政に関する基本的な知識と運用、埋蔵文化財の保存と活用、公開・普及のあり方について講義する。
テキスト・参考文献等
毎回レジュメを配布する。下記以外の参考文献については適宜紹介する。
須田英一『遺跡保護行政とその担い手』同成社、2014年 ISBN978-4-88621-676-2
その他特記事項
講義では神奈川県内の遺跡に関わる最新のニュースなどにも触れるので、必ずしもシラバス通りの進行にならない場合がある。