シラバス
授業科目名 | 年度 | 学期 | 開講曜日・時限 | 学部・研究科など | 担当教員 | 教員カナ氏名 | 配当年次 | 単位数 |
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国際政治学1 | 2024 | 春学期 | 月4 | 法学部 | 宇田川 光弘 | ウダガワ ミツヒロ | 2年次配当 | 2 |
科目ナンバー
JU-IN2-001L,JU-IN3-001L
履修条件・関連科目等
授業で使用する言語
日本語
授業で使用する言語(その他の言語)
授業の概要
国際政治学の基礎的な概念について説明するとともに、国際政治の理論的・思想的アプローチについて概説し、主要な理論をバランスを考慮しながら幅広く紹介していきます。内容的には理論が中心ですが、国際政治の理論とは現代世界をどのように考えるかという知的作業でもあるので、これまでこの分野に馴染みのない学生にとっても理解しやすいように豊富な具体例に言及していきます。
日頃から皆さんには新聞・テレビ・書籍・インターネットなどからあらゆる国際問題に興味を持ち続けてもらいたいと思いますが、この授業をきっかけにメディアで報じられる国際問題に興味を持つようになったという学生も例年多くみられるので、今後視野を広げたいという学生の受講も歓迎します。
パンデミック以前の2019年度までは小グループでのディスカッションを取り入れていましたが、今年度の実施については履修人数や教室設備等を考慮して決める予定です。
科目目的
伝統的な国家を中心とした主権国家体制について理解を深める一方で、国境を越えても共通する人間性や道徳を理解することを目的とします。また、国際政治学や国際関係論の分野で対立・競合する理論/思想/アプローチがあることを理解すること、ある理論/思想/アプローチがなぜ支配的あるいは優勢であると考えられるのかその理由を洞察すること、これらの理論/思想/アプローチに対して批判的な検討をすることも目的とします。国際政治学で学ぶ問題/概念/事象は国際政治と離れても有効性があるため、学修後広く一般社会へ応用することも目的です。"Thinking is also research"(「考えることもまた研究である」ヘドレー・ブル)を実践していきます。
到達目標
履修後は学生の皆さんが自ら国際問題を客観的に分析できるようになることを目標とします。
具体的にはウクライナ戦争や中東紛争のほか、アメリカ、日本、中国、欧州などの諸国家がどのような行動原理によって政策を決めたり実施しているのか、それらをどのように分析したり批判したりすることができるのか、国際的な問題とはなぜ生じるのか、ということに対して1人1人が何らかの説明をし、見解を述べられることを到達目標とします。
また、最終試験は記述形式とし、論理的な思考、議論の首尾一貫性、議論をサポートする事例・実例の提示ができるようになることも目標とします。
授業計画と内容
1. イントロダクション
2. ウクライナ戦争とパンデミックを国際政治学から分析する
3. 国内政治と国際政治の違い(ウクライナは特別軍事作戦か戦争か)
4. 主権国家体制の成立と展開
5. 国際政治学の理論の基礎と現実主義
6. 構造的現実主義
7. リベラリズム
8. ネオリベラリズムと国際制度
9. ラディカルなアプローチ
10. グローバリゼーションへの批判~中心と周辺
11. 正戦論の系譜ー正戦論からウクライナ戦争や中東紛争を分析する
12. 現代の正戦論 と人道的介入ー人道的介入の事例からウクライナや中東を見る
13. ポスト・ウクライナ、グローバリゼーションの中での国際政治学へ
14. 総括・まとめ
授業時間外の学修の内容
指定したテキストやレジュメを事前に読み込むこと/授業終了後の課題提出
授業時間外の学修の内容(その他の内容等)
授業時間外の学修に必要な時間数/週
・毎週1回の授業が半期(前期または後期)または通年で完結するもの。1週間あたり4時間の学修を基本とします。
・毎週2回の授業が半期(前期または後期)で完結するもの。1週間あたり8時間の学修を基本とします。
成績評価の方法・基準
種別 | 割合(%) | 評価基準 |
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期末試験(到達度確認) | 80 | 1500字~2000字程度の論述によって、国際政治学で履修した内容の理解ができているかどうか、論理的な思考ができているかどうか、議論に首尾一貫性があるかどうか、議論をサポートする事例・実例を理解した上で提示ができているかどうか、以上の点から評価します。 |
平常点 | 20 | 授業中に実施するリアクションを含む学習姿勢の評価などで構成されます。ミニテストを実施することがあります。 |
成績評価の方法・基準(備考)
履修姿勢に著しく問題のある場合は、平常点が大幅に減点されることがあります(不正行為の発覚など)。
課題や試験のフィードバック方法
授業時間内で講評・解説の時間を設ける/授業時間に限らず、manabaでフィードバックを行う
課題や試験のフィードバック方法(その他の内容等)
学期中に数回行うリアクションに質問や疑問を書いてもらい、それらに対してフィードバックをします。フィードバックに対して、コメント機能を使って再度質問をすることもできます。manabaを利用する予定。
アクティブ・ラーニングの実施内容
ディスカッション、ディベート/グループワーク
アクティブ・ラーニングの実施内容(その他の内容等)
授業におけるICTの活用方法
実施しない
授業におけるICTの活用方法(その他の内容等)
実務経験のある教員による授業
いいえ
【実務経験有の場合】実務経験の内容
【実務経験有の場合】実務経験に関連する授業内容
テキスト・参考文献等
テキスト
滝田賢治・大芝亮・都留康子編 『国際関係学―地球社会を理解するために』 有信堂
授業内で言及する参考文献については、授業開始後に各文献について紹介した「読書案内」を配布する予定です。その他の文献についても適時言及していきます。
その他特記事項
■授業の工夫■
新型コロナウイルス感染が拡大する前の2019年度までは小グループによるディスカッションの回を設けていました。今年度に関しては履修者数、教室設備等を検討してからの判断となります。
manabaの機能や用紙の配布によって数回アンケートやリアクションを実施します。その際に授業に対する要望や授業内容の質問を書くことができます。また、フィードバックも行い、コメントのやり取りを通して授業の理解を深めていくことも可能で、双方向のコミュニケーションは確保しています。
最新の新聞記事を国際政治学の理論や概念を使って解説したり、これまでに撮影した海外のオリジナル画像を使って国際情勢や海外事情を説明するなど、ただ単にレジュメを説明するだけの授業にならないよう工夫しています。例えば、コスタリカの画像紹介からは、コスタリカが非武装中立政策を取り続ける理由の分析を試み、世界で唯一トルコのみが国家承認する北キプロスの画像紹介からは、国家の独立・国家主権の意味や実体について理解を深めることを試みます。各授業回でそれぞれ異なる国を紹介しており、海外への関心が高まると意外と好評です。2023年度は春秋学期で計34か国紹介しました(国家と呼べるか微妙な国もいくつかありますが)。
履修するかどうかを迷っている場合は、上記メールアドレスまで問い合わせてください。