シラバス
授業科目名 | 年度 | 学期 | 開講曜日・時限 | 学部・研究科など | 担当教員 | 教員カナ氏名 | 配当年次 | 単位数 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
マクロ会計論 | 2024 | 前期複数 | 火4,金2 | 経済学部 | 丸山 佳久 | マルヤマ ヨシヒサ | 3年次配当 | 4 |
科目ナンバー
EC-AU3-41XX
履修条件・関連科目等
簿記論(MA101)や基礎マクロ経済学(EC101)を履修していることが望ましいが、必須条件ではありません。
授業で使用する言語
日本語
授業で使用する言語(その他の言語)
授業の概要
<学位授与方針と当該授業科目の関連>
この科目は、現実把握力(経済学の専門知識及び社会・人文・自然科学の知識教養に裏付けられた広い視野に立った柔軟な知性に基づき、現実の経済現象を的確に把握することができる)の修得に関わる科目です。
<概要>
1.授業のテーマ:「マクロ会計の基礎概念と体系を学修する」
2.マクロ会計は、国民経済における所得循環と国富の変動を、ケインズ経済学に基づいて概念化し、複式簿記の方法を用いて測定・伝達をする情報システムで、社会会計、国民会計、国民経済計算とも呼ばれています。SNA(System of National Accounts)を中心として、マクロ会計の基礎概念と体系を理解することを目的として授業をします。
3.企業等を対象とするミクロ会計とマクロ会計との関わりを取りあげ、2つのシステムの共通点・相違点を理解することで、会計学一般における包括的かつ体系的な理解が促進されるようにします。
科目目的
GDP(Gross Domestic Product)を始め、国民所得、消費、投資、貯蓄、国際収支、物価等の経済指標がどのように推計されて、それらの指標がわれわれの日常生活にどのように関わっているのかを理解できるように、マクロ会計学の基礎概念と体系を学びます。また、会計学一般についての体系的な理解ができるように、企業等の組織を対象とするミクロ会計とマクロ会計、その中間のメソ会計の共通点・相違点を学びます。
到達目標
①GDPを始めとする重要なマクロ経済指標がどのように推計されているか説明できる。
②SNA2008に基づいて、国民所得会計の主要な勘定が説明できる。
③国民所得会計の主要な勘定に基づいて、日本の経済循環が具体的な数字で説明できる。
④産業連関表に基づいて波及効果の分析ができる。
⑤日本銀行の資金循環統計がわかる。
⑥IMFのBPM6に基づいて、国際収支表と国際投資残高表が説明できる。
⑦マクロ会計のフローとストックの関係が説明できる。
⑧環境・経済統合勘定(SEEA)を始め、マクロ環境会計がわかる。
⑨地域を対象とするメソ会計の考え方を理解し、モデルに基づき地域の持続可能性を説明できる。
授業計画と内容
1. ガイダンス
2. 経済循環モデルとGDPの計算
3. 経済循環モデルと重要なマクロ経済指標(主要な経済指標の意味と関係)
4. 経済循環モデルと重要なマクロ経済指標(日本の経済循環に基づいた経済指標の計算)
5. マクロ会計の概念的要素(経済を部門に分割し勘定を設定する)
6. 国民所得会計(SNA2008の標準勘定体系と日本における5つの統制勘定)
7. 国民所得会計(生産勘定、所得の発生勘定、財貨・サービス勘定)
8. 国民所得会計(所得の分配・使用勘定)
9. 国民所得会計(資本勘定および金融勘定)
10. 国民所得会計(海外勘定、貸借対照表および調整勘定)
11. 国民所得会計(国民所得勘定に基づいて日本の経済循環を分析する)
12. 投入産出会計(産業連関表の成立とその枠組み)
13. 産業連関表を用いた波及効果分析等の社会的有用性
14. 資金循環会計(金融取引表および金融資産・負債残高表)
15. 資金循環統計からみたわが国の金融構造について
(授業回数は前後するかもしれないが、ゲストスピーカーとして、
日本銀行調査統計局経済統計課 金融統計グループ 企画役 藤本 啓 氏によるご講演を予定)
16. 国際収支・対外資産負債残高統計とグローバリゼーションの統計的把握
(授業回数は前後するかもしれないが、ゲストスピーカーとして、
内閣府上席主任研究官 兼 統計委員会担当室長 萩野 覚 氏によるご講演を予定)
17. 国際収支会計(国際収支勘定の成立と枠組み)
18. 国民貸借対照表とデジタライゼーションの統計的把握
(授業回数は前後するかもしれないが、ゲストスピーカーとして、
内閣府上席主任研究官 兼 統計委員会担当室長 萩野 覚 氏によるご講演を予定)
19. 国民貸借対照表会計(国民所得と国富の推計の歴史)
20. まとめ(SNA2008の標準勘定体系と日本のGDP統計)
21. 経済福祉指標の推計からマクロ環境会計への展開
22. 環境・経済統合勘定(SEEA)(SEEA2012-CFにおけるストック・フロー会計)
23. 持続可能性、ウェルビーイングおよび福祉指標
(授業回数は前後するかもしれないが、ゲストスピーカーとして、
総務省統計委員会担当室 主査 藤原 彦次郎 氏によるご講演を予定)
24. メソ会計の考え方(ミクロ環境会計とメソ会計、マクロ環境会計の関係)
25. 水の会計学および地域の会計
26. 森林と地域的木材フローの会計
27. まとめ(マクロ環境会計とメソ会計)
28. 総まとめと確認
(授業の進度や受講生の理解度等に応じて、講義する内容を調整したり順番を入れ替えたりすることがあります。また、内閣府、総務省および日本銀行に出講依頼をかけ、日程および講義内容を調整中です。ゲストスピーカーのご都合によって、授業回数が前後しますが、ご了解ください。)
授業時間外の学修の内容
指定したテキストやレジュメを事前に読み込むこと
授業時間外の学修の内容(その他の内容等)
次回講義の内容に関しては、事前にアナウンスをしますから、シラバスやアナウンス等を参考に次回講義のテキストの該当範囲を読んで予習しておいてください。e-learningsシステム(マナバ)を使って講義資料の一部を配信します。テキストと組合せ、講義資料を自主学習支援に役立ててください。
授業時間外の学修に必要な時間数/週
・毎週1回の授業が半期(前期または後期)または通年で完結するもの。1週間あたり4時間の学修を基本とします。
・毎週2回の授業が半期(前期または後期)で完結するもの。1週間あたり8時間の学修を基本とします。
成績評価の方法・基準
種別 | 割合(%) | 評価基準 |
---|---|---|
レポート | 100 | レポートにて成績評価します。 具体的には、以下の諸点を評価基準として、授業の進展に応じ、5回~7回ほどのレポートを課します。 ①GDPを始めとする重要なマクロ経済指標がどのように推計されているか説明できるか。 ②SNA2008に基づいて、国民所得会計の主要な勘定が説明できるか。 ③国民所得会計の主要な勘定に基づいて、日本の経済循環が具体的な数字で説明できるか。 ④産業連関表に基づいて波及効果の分析ができるか。 ⑤日本銀行の資金循環統計がわかるか。 ⑥IMFのBPM6に基づいて、国際収支表と国際投資残高表が説明できるか。 ⑦マクロ会計のフローとストックの関係が説明できるか。 ⑧環境・経済統合勘定(SEEA)を始め、マクロ環境会計がわかるか。 ⑨地域を対象とするメソ会計の考え方を理解し、モデルに基づき地域の持続可能性を説明できるか。 ただし、レポートを実施するのが困難なほど履修人数があれば、期末試験を実施し、レポートおよび期末試験で成績評価します。 |
成績評価の方法・基準(備考)
課題や試験のフィードバック方法
授業時間内で講評・解説の時間を設ける
課題や試験のフィードバック方法(その他の内容等)
アクティブ・ラーニングの実施内容
実施しない
アクティブ・ラーニングの実施内容(その他の内容等)
授業におけるICTの活用方法
実施しない
授業におけるICTの活用方法(その他の内容等)
実務経験のある教員による授業
いいえ
【実務経験有の場合】実務経験の内容
【実務経験有の場合】実務経験に関連する授業内容
テキスト・参考文献等
【テキスト】河野正男・大森明 著 『マクロ会計入門』 中央経済社、2012。
その他特記事項
授業内容には連続性があるので、欠席をすると授業がわからなくなるかもしれません。やむをえず欠席した場合は、そのままにせず次回までに欠席分を自習しておくようにしてください。なお、履修者の理解に応じて進度は調整するので、授業計画に記載した日程が前後したり、前後を入れ替えたり、一部を省略したりすることがあります。
参考URL
内閣府経済社会総合研究所(SNA)(http://www.esri.cao.go.jp/jp/sna/menu.html)
総務省(投入産出表)(http://www.soumu.go.jp/toukei_toukatsu/data/io/index.htm)
内閣府経済社会総合研究所(投入産出表)(http://www.esri.cao.go.jp/jp/sna/sonota/sangyou/sangyou_top.html)
日本銀行(資金循環表)(https://www.boj.or.jp/statistics/sj/index.htm/)