シラバス
授業科目名 | 年度 | 学期 | 開講曜日・時限 | 学部・研究科など | 担当教員 | 教員カナ氏名 | 配当年次 | 単位数 |
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専門演習A2/専門演習B2(国際法と紛争解決) | 2024 | 秋学期 | 火5 | 法学部 | 宮野 洋一 | ミヤノ ヒロカズ | 3・4年次配当 | 2 |
科目ナンバー
JU-OL3-016S
履修条件・関連科目等
※1:4年生は、3年生と一緒に常時ゼミに参加できることを条件に応募可
ゼミテーマに関する強い関心を有すること。春学期に並行して開講される特殊講義
「国際法と紛争解決」(国際紛争解決法)を履修することは必須条件です。厳しく、し
かし末永くつきあえる楽しいゼミにしましょう。意欲のある諸君の応募を待っていま
す。
授業で使用する言語
日本語
授業で使用する言語(その他の言語)
授業の概要
宮野国際法W(紛争解決)ゼミでは、国際法を出発点にしつつも、より広く(そして
深く)国際性をもった様々な諸問題にあるいは紛争「解決」的(単なる処理ではない!)
にせまります。たとえば 以下のような問題に関心をもったあなた。ウェルカム・ト
ゥ・ミヤノゼミです。(a)紛争や問題の解決って、裁判のように単に白黒をつけて、そ
の判断に従わなければ制裁・強制するだけのことなのだろうか?→平和研究でしられ
るガルトゥングのトランセンド法や、オゾン層保護の分野の不遵守手続(Non
Compliance Procedure)に代表される「国際法遵守の管理モデル」を検討してみよう。
(b)地球温暖化で国自体が水没の危機にあり、全国民国外移住をせまられるツヴァルに
同情するあなた→地球環境問題の解決を考える。パリ協定や京都議定書アプローチを批判的に検
討しますか。ついでに小説『日本沈没』と『日本沈没第二部』(小松左京)も読んでみ
よう。(c).内戦で民族浄化やジェノサイドが横行。しかし国連は動かない。空爆でこ
れを止める?→人道的介入論あるいは保護する責任論へ。(d).パレスチナにイスラエ
ルが建設した分離壁。合法違法が気になる?→国際司法裁判所の壁建設に関する勧告
的意見へ、or いやいや自爆テロと軍事的報復の2年間を経験したイスラエルとパレ
スチナが必要とするのは完全な分離壁を通じた冷却期間だ→フォーリン・アフェーア
ーズ論文へ。(e)BSE 問題や遺伝子組み換え食品、はたまた漁獲を制限される日本のミ
ナミマグロ漁(トロ!)。食の安全や、グルメが心配というあなた→WTO による紛争の
処理・解決、海洋法や、持続的開発の議論へ。 以上の例はあくまでほんの一例。みなさん
の関心に応じて色々なテーマを検討します。
科目目的
最終的にゼミ論で自分なりに問題を設定しそれに対する説得力ある解決案を提示で
きるようになることをめざす。
そのため国際法の基礎からはじめて、現実問題と理論枠組み双方を、幅広く議論す
る中で検討してゆきたい。国際法の基礎論については「国際法と紛争解決ゼミ」「国際
法と正義論ゼミ」合同で行ったり、ビデオをみて議論したりとフレキシブルなゼミ展
開をしたい。希望者(例年ほぼ全員)は両ゼミとも参加可能です。
到達目標
さまざまな国際紛争の広がりを理解し、また、その「処理」の仕方・制度・考え方の基礎を理解したうえで
最終的にゼミ論で自分なりに問題を設定しそれに対する説得力ある解決案を提示できるようになることをめざす。
授業計画と内容
後期 IV <国際法と紛争解決>の応用検討~ゼミ論の執筆
前期の学習を踏まえ、さらに共通文献の検討を続けつつ、同時に各自の問題意識に応じたテーマを設定してもらい、それをゼミ論構想発表、中間発表、最終発表という形で全員で検討し、最終的にはゼミ論集に掲載する論文を完成させる。(→ゼミ論集)
<秋学期>
1.イントロダクション
2.紛争解決と地政学(篠田英朗)
3.構造的暴力(ガルトゥング)
4.国際法の遵守ー管理モデル
5.経済制裁と国際紛争ー強制モデル
6. <ゼミ論構想発表> 個人別報告 対象ゼミ生(以下同)A、B、C、D、E
7. ゼミ論 構想発表 個人別報告 F、G、H、I、J.
8. <ゼミ論中間発表> 個人別発表 A、B、C
9. ゼミ論 中間発表 個人別発表 D、E、F
10. ゼミ論 中間発表 個人別発表 G、H、I、J
11. <ゼミ論最終発表> 個人別発表 A、B、C、D
12. ゼミ論 最終発表 個人別発表 E、F、G、H
13. ゼミ論 最終発表 個人別発表 I、J
14. 総まとめ & ゼミ論集編集
授業時間外の学修の内容
指定したテキストやレジュメを事前に読み込むこと/その他
授業時間外の学修の内容(その他の内容等)
自らの選択する紛争について文献・資料調査をすすめ、ゼミ論完成にむけて 構想・中間・最終発表を準備する。
授業時間外の学修に必要な時間数/週
・毎週1回の授業が半期(前期または後期)または通年で完結するもの。1週間あたり4時間の学修を基本とします。
・毎週2回の授業が半期(前期または後期)で完結するもの。1週間あたり8時間の学修を基本とします。
成績評価の方法・基準
種別 | 割合(%) | 評価基準 |
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平常点 | 40 | 毎回のゼミへの参加・貢献(レジュメ・報告担当、司会、記録、議論) |
その他 | 60 | 2万字のゼミ論文の評価による |
成績評価の方法・基準(備考)
課題や試験のフィードバック方法
授業時間内で講評・解説の時間を設ける
課題や試験のフィードバック方法(その他の内容等)
アクティブ・ラーニングの実施内容
ディスカッション、ディベート/プレゼンテーション
アクティブ・ラーニングの実施内容(その他の内容等)
授業におけるICTの活用方法
実施しない
授業におけるICTの活用方法(その他の内容等)
実務経験のある教員による授業
いいえ
【実務経験有の場合】実務経験の内容
【実務経験有の場合】実務経験に関連する授業内容
テキスト・参考文献等
テキスト:杉原・酒井(編)『国際法基本判例50(第2版)』(三省堂、2014)
ガルトゥング(藤田・奥本監訳)『ガルトゥング紛争解決学入門』(法律文化社、2014)
篠田英朗『平和構築学入門―その思想と方法を問い直す』(ちくま新書、2013)
前期シラバスも参照
その他特記事項
・これまでのゼミの雰囲気や内容を知りたい人は、法学部図書室にある各年版ゼミ論集をみてもらえるといいのですが(各年度版『宮野ゼミ合同論集(国際法W ゼミ)』)