シラバス
授業科目名 | 年度 | 学期 | 開講曜日・時限 | 学部・研究科など | 担当教員 | 教員カナ氏名 | 配当年次 | 単位数 |
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健康経済学 | 2024 | 後期複数 | 土1,土2 | 経済学部 | 赤澤 とし子 | アカザワ トシコ | 3年次配当 | 4 |
科目ナンバー
EC-PO3-23XX
履修条件・関連科目等
特になし
授業で使用する言語
日本語
授業で使用する言語(その他の言語)
授業の概要
<学位授与方針と当該授業科目の関連>
この科目は、現実把握力(経済学の専門知識及び社会・人文・自然科学の知識教養に裏付けられた広い視野に立った柔軟な知性に基づき、現実の経済現象を的確に把握することができる)の修得に関わる科目です。
<概要>
健康(医療)経済学の基礎を学ぶ。医療サービスの持つ特性、医療の需要サイド(消費者/患者)と供給サイド(医師等)、それらを結びつける医療サービスの供給システムやわが国の医療保険制度について学ぶ。あわせて介護保険制度のしくみと制度の抱える問題点についても学び、わが国においてどのような医療・介護・健康政策が必要かを検討する。取り上げるテーマについて、できるだけ関連するビデオなども活用し、理解を深める一助としたい。
科目目的
医療サービスの特性、日本の医療保険制度や介護保険制度の基本的しくみ、医療や介護の提供体制の特徴を理解するとともに、健康や医療に関わる諸問題を経済との関係、経済学的な視点からも考察し、私たちが安心して必要な医療や介護サービスを受けられるためには、どのような改革が必要かを探っていくことを目的とする。
到達目標
医療サービスの特性を理解し、説明できるようになる。
医療保険制度や介護保険制度の基本的しくみ、医療や介護サービスの提供体制の特徴・問題点を説明できる。
保健・医療や介護の分野において、今、何が問題なのかを見極め、わが国の医療・介護・健康政策を分析し、政策のあり方、方向性について、自分なりの意見を論理的に述べることができるようになる。
授業計画と内容
1.ガイダンス・イントロダクション(講義の概要説明:医療経済の全体像)
2.少子高齢・人口減少社会(人口の規模・構造の過去・現在・未来、人口転換、少子化、人口減少のメカニズム、少子高齢化・人口減少の医療分野に与える影響、2025年問題、2040年問題)
3.医療サービスの特性①(サービス一般の特性からみた医療サービス)
4.医療サービスの特性②(医療サービスの経済的特性:不確実性)
5.医療サービスの特性➂(医療サービスの経済的特性:情報の非対称性)
6.医療サービスの特性④(医療サービスの経済的特性:外部性など)
7.医療サービスの供給体制①(外来医療の機能分化、大病院外来の患者の集中問題とその対応策)
8.医療サービスの供給体制②(価格メカニズム以外の資源配分の方法)
9.医療サービスの供給体制➂(病床の機能分化・連携、地域医療構想)
10.医療サービスの供給体制④(地域包括ケアシステム、地域包括ケアにおける医療)
11.医療サービスの供給体制⑤(医療従事者の労働市場、医師不足・医師の偏在問題を考える)
12.医療サービスの提供体制⑥(医師の働き方改革)
13.QOD(Quality of Death)・終末期医療(QOD を考える。ACP(Advance Care Planning)、終末期医療と医療費)
14.医療保険の基礎①(保険とは何か。民間保険と社会保険、強制加入を伴う公的医療保険の存在理由)
15.医療保険の基礎②(医療保険とモラルハザード)
16.医療保険の基礎➂(保険診療のしくみ、混合診療をめぐる議論)
17.医療保険制度①(わが国の医療保険制度の歩み、医療保険制度の体系)
18.医療保険制度②(医療保険制度の諸問題と改革の論点)
19.医療サービスの経済評価(費用対効果評価)①(医療サービスの経済評価とは)
20.医療サービスの経済評価(費用対効果評価)②(費用対効果評価の導入、海外の活用事例、費用対効果評価の課題)
21.医薬品に関する話題・諸問題(高額医薬品の登場、ポリファーマシー、かかりつけ薬局・薬剤師)
22.介護保険制度①(介護保険制度創設の背景、制度の概要)
23.介護保険制度②(介護保険制度の課題)
24.介護をめぐる諸問題(介護職の人材確保、外国人材の受け入れ、介護離職問題、ヤングケアラー問題、家族介護者に対する支援等)
25.行動経済学の活用(行動経済学とは。ナッジとは。健康分野での「ナッジ」の活用事例、医療現場への応用、課題を考える。)
26.健康格差と医療格差(健康の社会的要因について、社会経済的因子と健康の関係、健康格差・医療格差対策)
27.ディスカッション(講義で扱ったテーマについて、テーマ別ディスカッション)
28.総括(医療の提供体制と医療保険等、扱ったテーマに関する補足・追加説明等)
授業時間外の学修の内容
授業終了後の課題提出/その他
授業時間外の学修の内容(その他の内容等)
日頃から医療や健康問題について、関連する新聞、雑誌記事に目を配るなど、問題意識をもって自ら調べてみること。講義内容をノートにまとめ、講義で取り上げた問題点や課題、対策等をさらに掘り下げて自ら検討してみること。出された課題を期限までに提出すること。
授業時間外の学修に必要な時間数/週
・毎週1回の授業が半期(前期または後期)または通年で完結するもの。1週間あたり4時間の学修を基本とします。
・毎週2回の授業が半期(前期または後期)で完結するもの。1週間あたり8時間の学修を基本とします。
成績評価の方法・基準
種別 | 割合(%) | 評価基準 |
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期末試験(到達度確認) | 70 | 健康経済学の基本的事項、重要テーマに関する理解度。 講義で取り上げた医療、保健、介護等健康に関するテーマの現状と問題点の理解と対応策についての意見等。 |
平常点 | 30 | リアクションペーパー、その他課題提出物。 |
成績評価の方法・基準(備考)
リアクションペーパー、その他課題提出物については、授業内での提出のほか、manabaを利用して提出してもらう場合もある。
課題や試験のフィードバック方法
授業時間内で講評・解説の時間を設ける/授業時間に限らず、manabaでフィードバックを行う
課題や試験のフィードバック方法(その他の内容等)
アクティブ・ラーニングの実施内容
ディスカッション、ディベート
アクティブ・ラーニングの実施内容(その他の内容等)
授業におけるICTの活用方法
実施しない
授業におけるICTの活用方法(その他の内容等)
実務経験のある教員による授業
いいえ
【実務経験有の場合】実務経験の内容
【実務経験有の場合】実務経験に関連する授業内容
テキスト・参考文献等
テキストは使用せず、資料をmanabaを通して配付する(講義で席上配付する場合もある)。
参考文献は適宜紹介する。
その他特記事項
講義資料の掲載・配付、課題の提出やその他連絡等にmanabaを利用するので、リマインダーを受け取れるように設定しておいてください(manabaを活用できるようにしておいてください)。
受講にあたってのより詳細な注意事項等は初回のガイダンスの際にお伝えします。
なお、授業計画と内容については、進捗状況などによって、多少変更する場合もあり得ますこと、ご了承ください。
参考URL
特になし