学部・研究科 | 文学部 |
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授業科目名 | イギリスの文化(2) |
学期名称 | 後期 |
配当年次 | 1・2年次配当 |
単位数 | 2単位 |
授業担当教員 | 加太 康孝 |
教員カナ氏名 | カブト ヤスタカ |
履修条件 | |
科目の目的・到達目標 | ・ イギリスにおける文化およびアイデンティティーを理解するための知識や視点を学び、その全体像を把握することを目指します。特にイギリスにおいて複数性、多様性がどのような形で表れているのかということについて理解を深めます。 ・ 上記のような手法でイギリスの文化およびアイデンティティーについて考察することを通じて、ある一地域における文化やアイデンティティーを学問的に扱う手法を習得することを目指します。 - この科目の受講生は必ずしもイギリスという地域の研究に携わっていくわけではないでしょうし、イギリスという地域に大きな関心を抱いているわけでもないかもしれません。おそらく、そうでないという受講生の方が多数派だろうと思います。そのような受講生も、この科目で得た手法を自分の生活する、あるいは興味を持つ地域を見る際に応用していこうという姿勢が求められます。 他方で、ある地域についての考察から学んだ知識や手法を他の地域にも応用して広げていくためには、当該地域(すなわちこの授業ではイギリス)の特殊性を徹底的に理解しようと努めることが必要不可欠です。ですから、イギリス以外の地域と比較する姿勢を念頭に置きながらも、まずはどっぷりとイギリスのことについて考えてもらいたいと思います。 |
授業の概要 | 現代イギリスの文化に見るアイデンティティーの諸相 現代イギリスにおけるアイデンティティーという主題を設定します。各回では特定の論題を挙げて、それに関わる文化的事象を題材として考察します。ある地域のアイデンティティーが単一のもの、均質なものであるということはありえませんから、必然的に複数性、多様性というものが浮かび上がってくることになります。しかしながら「複数性」「多様性」という言葉に止まることなく、その複数性ないし多様性を具体的かつ多角的に捉えることが重要であり、この授業ではそのような把握を目指します。 講義の形式を取りますが、専ら講師が話し続けるのではなく適宜ニュースやテレビ番組、映画作品といった映像資料や新聞、雑誌などの文字資料を参照しつつ、挙げられた論題についてさまざまな角度から検討を加えます。受講者は毎回、講義を通じてそれぞれの論題について自分なりの考えを持つことが求められます。(具体的には「授業時間外の学習」の項目参照。) |
授業計画 | 第1回 導入……鍵となる概念の導入およびイギリスの基本情報 第2回 イギリスを構成する4つの国……イングランド 第3回 イギリスを構成する4つの国……スコットランド 第4回 イギリスを構成する4つの国……ウェールズ 第5回 イギリスを構成する4つの国……北アイルランド 第6回 世界の中のイギリス……コモンウェルス 第7回 世界の中のイギリス……ヨーロッパ、アメリカ 第8回 イギリスを見る視角……民族、人種 第9回 イギリスを見る視角……宗教、信仰 第10回 イギリスを見る視角……階級(1)……階級社会の概観、アッパークラス、王室 第11回 イギリスを見る視角……階級(2)……ミドルクラス、ワーキングクラス 第12回 イギリスを見る視角……ジェンダー、セクシュアリティー 第13回 イギリスを見る視角……世代、年齢 第14回 総括……イギリスらしさとは何か |
評価方法 | 平常点 30% ……各回終了後に提出する小レポート 学期末試験 70% 小レポートの提出方法や学期末試験の内容など、詳細については初回授業で説明します。 |
テキスト・参考文献等 | 授業で教科書として用いるものはありません。適宜資料を配布します。 受講生は、授業の内容を深めるべく関連文献を各自で読み進めることが期待されます。そうした文献については授業中に紹介していきますが、特にこの授業と関連性が深く、入手しやすいものは以下です。 ・マイク・ストーリー、ピーター・チャイルズ (編)、塩谷清人(監訳)『イギリスの今 − 文化的アイデンティティ』2013年(世界思想社) ISBN: 9784790716082 ・板倉厳一郎、スーザン・K・バートン、小野原教子『映画でわかるイギリス文化入門』2008年(松柏社) ISBN: 9784775401385 ・下楠昌哉(責任編集、著)、岩田美喜、西能史、丸山修、杉野健太郎、荒川裕子、小川公代、小舘尚文、下永裕基、立入正之、田中美穂、日臺晴子、深谷公宣、真野剛(著)『イギリス文化入門』2010年(三修社) ISBN: 9784384055665 |
授業外の学習活動 | 予習 各回の授業で次回の主題および扱う題材を提示し、またいくつかの問いを出します。受講生は知らない固有名詞や概念についてあらかじめ調べ、また問いに対する自分の答えを用意しておいてください。 復習 各回の授業終了後に小レポートの提出を求めます。また授業内で出てきた固有名詞や概念について不明な点があれば、不明点が残らないように、そして理解が深まるように、可能な限り調べてください。 その他、授業で紹介された書籍を読んだり、ウェブサイト、映画を自分で見たり、上演中の舞台、演劇、あるいは開催中の展覧会に足を運んでください。これらについては、簡単な報告を期末試験の一部として評価に加味することを検討しています。 |