学部・研究科 | 総合政策学部 |
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授業科目名 | 特殊講義(倫理学) |
学期名称 | 前期 |
配当年次 | 1年次配当 |
単位数 | 2単位 |
授業担当教員 | 横山 陸 |
教員カナ氏名 | ヨコヤマ リク |
履修条件 | 履修にあたり哲学・倫理学の専門知識は前提としない。後期科目「特殊講義(哲学)」も合わせて履修することが望ましい。 |
科目の目的・到達目標 | 本講義の目的は、総合政策学部の理念である「政策と文化の融合」に基づいて、哲学・倫理学の観点から現代社会のさまざまな問題を批判的に分析し、その背景にある社会の理念や規範を問い直すことにある。そのために、次の二点を到達目標とする。 (1)哲学・倫理学の基本的な概念や理論を習得し、自らの言葉で説明できる。 (2)それらの概念や理論を応用して、社会の諸問題を分析し、問題解決のための政策を構想できる。 |
授業の概要 | 「倫理」と聞くと、古くさい「道徳のお説教」をイメージする人も多いかもしれない。そうした「道徳のお説教」は、しばしば論理的に破綻していたり、それどころか、じつはそれ自体がハラスメントだったり差別的だったりすることもある。だが、学問としての「倫理学」とは、そうした既成の「お説教」や「道徳常識」を批判的に問い直していく営みに他ならない。 講義では、障がい、安楽死、中絶、遺伝子操作・幹細胞研究、性差別、人種差別、さらに動物愛護、環境保護、貧困などの問題を取り上げながら、人格、権利、尊厳、幸福、自由、多様性、共感、正義といった倫理学の基本概念について学んでいく。合わせて上記の問題に関して、日本や欧米における政策(とくに法律や倫理ガイドライン)を紹介しながら、各国における政策の違いについても考えていきたい。 |
授業計画 | ※参加者の人数や関心・理解度に応じて、内容や進捗度は変更する場合もある。 第01回 環境問題に取り組む人はなぜ嫌われるのか?(オリエンテーション) 第02回 生命の価値と安楽死——老いと障がいの倫理を考える(生命倫理①) 第03回 中絶は殺人か、それとも女性の権利か? (生命倫理②) 第04回 遺伝子操作・iPS細胞研究は、何を「冒涜」するのか?(生命倫理③) 第05回 幻の万能細胞「STAP細胞」とは何だったのか?(研究倫理) 第06回 「社会人」ならパンプス履くのは当たり前?(社会と多様性) 第07回 ナイキのスニーカーと人種差別(企業と多様性) 第08回 クジラを捕ることは、道徳的に許されないのか?(動物倫理①) 第09回 フライドチキンの値段と動物の福祉について考える(動物倫理②) 第10回 エコロジーを脱スピリチュアル・脱ファッション化する(環境倫理①) 第11回 トトロの森から「自然」との共生を考える(環境倫理②) 第12回 自然災害と原発事故から環境保護を再考する(環境倫理③) 第13回 開発と貧困——「フェア」について考える(貧困倫理) 第14回 まとめ |
評価方法 | ・中間レポート(40%)、期末試験(60%)。平常点に減点がある場合は、その分を減点する。 ・中間レポートの未提出者、期末試験の未受験者はいずれもE評価(不可)とする。どちらかの素点が極端に悪い場合も同様。 |
テキスト・参考文献等 | 教科書は使用しない。適宜、授業中に資料を配付する。 |
授業外の学習活動 | 毎回配布するプリントやノートを読み直し、授業で扱った概念や理念について、自分の言葉で(文章で)説明できるようにしておくこと。それが中間レポートと期末試験の準備となる。 |