学部・研究科 | 総合政策学部 |
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授業科目名 | 簿記論Ⅱ |
学期名称 | 後期 |
配当年次 | 2年次配当 |
単位数 | 2単位 |
授業担当教員 | 田中 勝男 |
教員カナ氏名 | タナカ カツオ |
履修条件 | 簿記論Ⅰの到達目標(簿記一巡の手続~仕訳、勘定記入、決算の流れ)を理解していること。第1回のオリエンテーションでそのレベルに達しているかを問題演習で確認します。企業の活動を対象にしているので、並行してまたは履修後、会計学Ⅰ・Ⅱ、経営戦略論、企業取引法、企業統治と法Ⅰ・Ⅱ、現代企業論、経営財務論、ベンチャー経営論等を履修すると、効果的です。 |
科目の目的・到達目標 | 簿記は、将来的に「数字がよめる」、「数字に強い」ビジネスパーソンを目指す学生にとっては、不可欠な基本技術の1つといえますが、それを十分に活用できる力をつけるためには、このあと(あるいは並行的に)「会計学」についても学習していく必要があります。 その意味でも、まずは足腰を鍛えるという位置づけであった「簿記論Ⅰ」のレベルの学習が完了しているという前提で、「簿記論Ⅱ」の授業では、簿記が取り扱おうとしている、様々な経済事象(取引)についての理解と仕訳の練習を通して、B/S(貸借対照表)やP/L(損益計算書)を構成する勘定科目の意味合いや会計学的な思考を学ぶことにより、簿記一巡の手続に関する理解の定着化(身につけるということ)を目標とします。学習の進み具合によっては、簿記の活用形態としての財務諸表の基礎を理解することをストレッチングな目標にしたいと思います。 |
授業の概要 | 簿記論Ⅰのレベル習得済みを前提に(第1回授業でそのレベルに達しているかを確認予定)、簿記の基本を中心に授業を進めていきます。 「簿記論Ⅱ」では、簿記という道具(世界標準のビジネス言語)を使うことを通して、経済事象をどのように理解するのか、簿記をどのように活用していくかということを学んでいきます。 理解促進を図るため、パワーポイントスライド等も積極的に活用し、五感を駆使しながら進めていきます。 授業は、簿記論Ⅰ同様、丁寧に行なう予定ですが、簿記論Ⅰが基盤になっているため、徐々に進む速度が増していきます。また、積み重ねの学問であることには変わりないので、中途半端な出席は積み残しを生み、挫折につながります。やむをえず欠席した場合には自己責任で早めにキャッチアップしてください。もちろん、少しでもわからないことがあれば、積極的に質問してください。 |
授業計画 | おおむね以下の順番で、授業を進めていきます。 複式簿記の基本的なレベルが中心とはいえ、技術的な側面が強いので、できるだけ「手」を動かしながら、レクチャーと問題演習を通じて、簿記一巡の手続(簿記論Ⅰで学習済み)を前提にしながら、個別論点の基本的な理解ができるようにしていきます。電卓は最初から使用しますので、授業開始前に調達し、その後は毎回、持参して下さい。 第1回 *オリエンテーション授業・現金預金取引(1):レベルチェック、現金の範囲、小切手の仕組み 第2回 *現金預金取引(2):現金出納帳、現金過不足、預金の種類、当座借越、当座預金出納帳 第3回 *現金預金取引(3):小口現金 *商品売買(1):3分法 第4回 *商品売買(2):仕入勘定と売上勘定、仕入帳と売上帳、商品有高帳 第5回 *商品売買(3):商品有高帳 *売掛金と買掛金(1):人名勘定 第6回 *売掛金と買掛金(2):得意先元帳と仕入先元帳、売掛金明細表と買掛金明細表、クレジット売掛金 第7回 *売掛金と買掛金(3):貸倒れと貸倒引当金、償却債権取立益 *その他の債権と債務(1):前払金と前受金、貸付金と借入金 第8回 *その他の債権と債務(2):未収(入)金と未払金、立替金と預り金、仮払金と仮受金(ICカード取引を含む) 第9回 *その他の債権と債務(3):受取商品券、差入保証金 *手形(1):手形の歴史と基礎知識、手形の種類、手形の振出・受入、手形代金の現金化 第10回 *手形(2):手形記入帳、金融手形、電子記録債権・電子記録債務 *固定資産(1):固定資産の種類、有形固定資産の取得と売却、減価償却 第11回 *固定資産(2):固定資産台帳、年次決算と月次決算 *資本の部に関わる取引 第12回 *収益と費用(見越しと繰延べ、消耗品費と貯蔵品) *税金(租税公課、法人税・住民税及び事業税、消費税) 第13回 *伝票会計 *決算と財務諸表 *まとめ 第14回 *総括:さらなる学習にむけて 【関係する職歴】 *1990年9月~1994年6月:英和監査法人(現 有限責任 あずさ監査法人)勤務 *1994年7月~2002年7月:朝日アーサーアンダーセン株式会社(現 PwCコンサルティング合同会社)勤務 *2006年5月~現在:株式会社リアセック 監査役(非常勤) *2007年8月~現在:株式会社アイ・エス・アイ・パートナーズ(現 株式会社アンダーナ)監査役(非常勤) *2011年5月~2018年8月:ホワイトベア国際監査法人(現 MAZARS 有限責任監査法人)社員(非常勤) *2014年10月~現在:一般社団法人 日本キャリアデザイン学会 監事 ※上記職歴における公認会計士・ビジネスコンサルタントとしての会計と経営に関する実務の基礎的な領域が授業内容と密接に関連しています。 【現在の本務先】公認会計士田中勝男事務所 代表 ※公認会計士としての会計・経営に関する実務の基礎的な領域が授業内容と密接に関連しています。 |
評価方法 | 期末試験(60%)、レポート課題提出(30%)、振返りシート(出席票)提出に伴う平常点(10%)で評価します。レポート課題については、授業中に配布する問題への解答、又は特定のテーマについて情報収集した上でまとめた成果物の提出を、数回(例年2回)、求める予定です(受領後、添削又はコメントを付し、返却します)。 |
テキスト・参考文献等 | <テキスト>※例年2-3月に改訂されるため、1月時点の情報を記述しておきます。 *渡部裕亘・片山覚・北村敬子編著『検定簿記講義 3級商業簿記』(中央経済社、最新年度版、750円<税別>) また、講義内容を補足するために、適宜、担当教員がレジュメを作成し、講義資料として配布する予定です。 <参考文献> *渡部裕亘・片山覚・北村敬子編著『検定簿記ワークブック 3級商業簿記』(中央経済社、最新年度版、750円<税別>) *渡部裕亘・片山覚・北村敬子編著『検定簿記講義 2級/商業簿記』(中央経済社、最新年度版、800円<税別>) |
授業外の学習活動 | 予習、すなわち学習予定内容の先取り(テキスト該当部分の読解と疑問点の洗い出し)、または復習、すなわち授業内容のフォローアップ(授業で解説した該当部分の例題と練習問題、ワークブックの問題練習)を行ってください。予習か復習は、自分にあった手段で選択してください。学習効果の最大化を図りたい人や不安な人は両方やることをお勧めします(一週間に一度という授業頻度は前回の内容をちょうど忘れてしまうタイミングなのです)。 |