シラバス
授業科目名 | 年度 | 学期 | 開講曜日・時限 | 学部・研究科など | 担当教員 | 教員カナ氏名 | 配当年次 | 単位数 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
事例研究(演習)Ⅰ | 2025 | 前期 | 金3 | 総合政策学部 | 庄司 克宏 | ショウジ カツヒロ | 3年次配当 | 2 |
科目ナンバー
PS-IF3-SM01
履修条件・関連科目等
特殊講義Ⅰ(ヨーロッパ統合と法Ⅰ:EU法の基礎)とⅡ(ヨーロッパ統合と法Ⅱ:EU法と政策)、国際組織法、特殊講義(国際社会と法)を履修して下さい(必須)。
授業で使用する言語
日本語
授業で使用する言語(その他の言語)
授業の概要
【テーマ】「国家間協力の最先端を行くEUを事例研究することにより、トランスナショナル・ガバナンスの可能性について思考実験を行う」
複数の主権国家が主権を維持したまま、スプラナショナル(超国家的)な協力を行うことはなぜ可能なのか、ということを欧州連合(EU)のトランスナショナル・ガバナンスを事例として、必要に応じて他の政府間国際機構(国際組織)と比較しながら研究する。また、履修者の卒業後の社会人生活に付加価値として資するよう、日本はEUの事例から何を学ぶことができるかについて考える。
そのようにして、後期における履修者の問題関心に基づく事例研究の基礎を構築する。
科目目的
EUを事例とするトランスナショナル・ガバナンス、また、EUのグローバルな影響力の源であるEU規制の「ブリュッセル効果」について事例研究を通じて理解し、それを説明することができるようになることである。
到達目標
EUのトランスナショナル・ガバナンスと「ブリュッセル効果」について理論と実務を学ぶことにより、EUの法政策が履修者の問題関心分野または日本やアジア太平洋において、どの程度ベンチマーク(比較評価基準)として応用可能かどうかを考察することができるようになり、それを自分の問題関心につなげて考えるることができるようになることである。
授業計画と内容
第1回 イントロダクション:前期授業の進め方、前期課題図書などについて説明する。
(1)前期課題図書Ⅰ:庄司克宏、M・P・マドゥーロ共編『トランスナショナル・ガバナンスー地政学的思考を超えて』岩波書店、2021年
(2)前期課題図書Ⅱ:アニュ・ブラッドフォード著、庄司克宏監訳『ブリュッセル効果ー欧州連合はどの ように世界を支配しているか』白水社、2022年
第2回 課題図書Ⅰ 序章
「トランスナショナル・ガバナンスとは何か」:学生PPTプレゼンテーション&ディスカッション
第3回 課題図書Ⅰ 第1章~第2章
(1)「トランスナショナル・ガバナンスと相互承認原則」:学生PPTプレゼンテーション&ディスカッション
(2)「トランスナショナル・ガバナンスと気候変動」:学生PPTプレゼンテーション&ディスカッション
第4回 課題図書Ⅰ 第3章~第4章
(1)「トランスナショナル・ガバナンスと企業ーコーポレート・ガバナンス」:学生PPTプレゼンテーション&ディスカッション
(2)「トランスナショナル・ガバナンスと移民・難民ーフランスにおけるムスリム女性の宗教的自由の制限」:学生PPTプレゼンテーション&ディスカッション
第5回 課題図書Ⅰ 第5章~第6章
(1)「トランスナショナル・ガバナンスとジャーナリズム」:学生PPTプレゼンテーション&ディスカッション
(2)「主権と人権ートランスナショナルな立憲主義構想に寄せて」:学生PPTプレゼンテーション&ディスカッション (*終章は自修対象とします。)
第6回 学外講師(1):適宜実施
第7回 課題図書Ⅰ 小テスト(持込参照可)
第8回 学外講師(2):適宜実施
第9回 課題図書Ⅱ はしがき & 序章:学生PPTプレゼンテーション&ディスカッション
第10回 課題図書Ⅱ 第Ⅰ部 理論:まえがき & 第一章:EUはどのようにしてグローバル規制パワーとなったか:学生PPTプレゼンテーション&ディスカッション
第11回 課題図書Ⅱ 第二章 ブリュッセル効果:学生PPTプレゼンテーション&ディスカッション
第12回 課題図書Ⅱ 第三章 文脈の中のブリュッセル効果:学生PPTプレゼンテーション&ディスカッション
第13回 課題図書Ⅱ 第Ⅱ部 事例研究:まえがき & 第四章 市場競争:学生PPTプレゼンテーション&ディスカッション
第14回 学外講師(3):適宜実施
*ゼミ合宿課題:課題図書Ⅱ 第五章~第九章
第五章 デジタル経済:学生レジュメ(Word作成)プレゼンテーション&ディスカッション
第六章 消費者の健康と安全:学生レジュメ(Word作成)プレゼンテーション&ディスカッション
第七章 環境:学生レジュメ(Word作成)プレゼンテーション&ディスカッション
第Ⅲ部 評価:はしがき& 第八章 ブリュッセル効果は有益か:学生レジュメ(Word作成)プレゼンテーション&ディスカッション
第九章 ブリュッセル効果の将来:学生レジュメ(Word作成)プレゼンテーション&ディスカッション
⚠ 後期の最初の授業で課題図書Ⅱの小テストを実施する(持込参照可)
授業時間外の学修の内容
指定したテキストやレジュメを事前に読み込むこと
授業時間外の学修の内容(その他の内容等)
授業時間外の学修に必要な時間数/週
毎週1回の授業が半期(前期または後期)または通年で完結するもの。1週間あたり4時間の学修を基本とします。
毎週2回の授業が半期(前期または後期)で完結するもの。1週間あたり8時間の学修を基本とします。
成績評価の方法・基準
種別 | 割合(%) | 評価基準 |
---|---|---|
レポート | 85 | 担当回のプレゼンテーション(パワーポイント使用による説明の仕方)およびパワーポイント資料(わかりやすさ、正確さ、図表作成などを含む充実度) 30% 課題図書Ⅰ小テスト(内容理解度を評価する) 40% 学外講師授業のコメント・感想文 15% |
平常点 | 15 | 質疑・コメント。すべての回に無遅刻・無早退で出席することが前提である(正当な理由の裏付けがある場合を除く)。 |
成績評価の方法・基準(備考)
すべての授業回に無遅刻・無欠席で出席することが成績評価の前提であり、欠席1回ごとに10%マイナスとする。遅刻は遅刻時間に応じて5%マイナスとする(30分経過後の遅刻は欠席として扱う)。早退も遅刻に準じて減点する。(いずれも正当な理由の裏付けが示されない場合である。)
課題や試験のフィードバック方法
授業時間内で講評・解説の時間を設ける
課題や試験のフィードバック方法(その他の内容等)
アクティブ・ラーニングの実施内容
ディスカッション、ディベート/プレゼンテーション
アクティブ・ラーニングの実施内容(その他の内容等)
授業におけるICTの活用方法
実施しない
授業におけるICTの活用方法(その他の内容等)
実務経験のある教員による授業
いいえ
【実務経験有の場合】実務経験の内容
【実務経験有の場合】実務経験に関連する授業内容
テキスト・参考文献等
テキスト
庄司克宏、M・P・マドゥーロ共編『トランスナショナル・ガバナンスー地政学的思考を超えて』岩波書店、2021年
アニュ・ブラッドフォード著、庄司克宏監訳『ブリュッセル効果ー欧州連合はどの ように世界を支配しているか』白水社、2022年
参考文献
庄司克宏著『ブレグジット・パラドクス』岩波書店、2019年
庄司克宏著『欧州ポピュリズム―EU分断は避けられるか』ちくま新書、2018年
庄司克宏著『はじめてのEU法』有斐閣、2015年
庄司克宏著『新EU法 政策篇』岩波書店、2014年
庄司克宏著『新EU法 基礎篇』岩波書店、2013年
庄司克宏著『欧州連合 統治の論理とゆくえ』岩波新書、2007年(2016年7月15日第10刷)
その他特記事項
参考URL
School of Transnational Governance, European University Institute https://www.eui.eu/en/academic-units/school-of-transnational-governance