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シラバスデータベース|2025年度版

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ホーム > 講義詳細:独占資本主義論

シラバス

授業科目名 年度 学期 開講曜日・時限 学部・研究科など 担当教員 教員カナ氏名 配当年次 単位数
独占資本主義論 2025 前期 水3,水4 経済学部 秋保 親成 アキホ チカナリ 3年次配当 4

科目ナンバー

EC-TE3-05XX

履修条件・関連科目等

 「マルクス経済学」をあらかじめ、または並行して履修していることが望ましいですが、初学者の方にも分かりやすい授業にしていく予定です。

授業で使用する言語

日本語

授業で使用する言語(その他の言語)

授業の概要

<学位授与方針と当該授業科目の関連>
 この科目は、現実把握力(経済学の専門知識及び社会・人文・自然科学の知識教養に裏付けられた広い視野に立った柔軟な知性に基づき、現実の経済現象を的確に把握することができる)の修得に関わる科目です。

<概要>
 現代の資本主義経済は、自らの存立基盤をも揺るがす大きな問題を抱えていると言えます。このことは、2008年の「リーマンショック」を端緒とする世界的な経済危機、情報技術の革新(IT化・AI化の進展)に伴う社会構造の急激な変化、各国間で相次いで生じる対立や紛争などにおいて垣間見ることができます。
 また日本でも、国際競争の激化や産業の空洞化、少子高齢化を背景として、賃金・所得の低迷や雇用の不安定化などを通じた経済的な格差の拡大と貧困層の増加が進行しており、いずれも深刻な課題となっています。これら一連の事象は、近年のコロナ禍や世界的な物価上昇を経て、さらに混迷の度合いを増していると言えるでしょう。
 現状をこのような視点で捉えますと、既存の経済社会システムの再構築を視野に含めた資本主義経済の科学的・批判的な検証が、今日、ますます重要な意味を持つものと考えられます。
 以上のような観点から、本授業では資本主義分析の基礎理論、および独占資本主義など応用領域の理論と分析を中心に講義を進め、それらの理解をもとに、現代の資本主義社会における課題について議論していきます。本講を受講される皆さんにも、授業や課題を通じて、現代経済について自ら考える力を培っていただけることを期待します。

科目目的

 現在の経済社会における諸問題について自らの頭で考え、また自らの言葉で語るための基礎的な知識や技法を身につけてもらうことを目指します。

到達目標

 マルクス経済学の理論に基づいて、現代の資本主義経済の仕組みや動きが理解できるようになることを目標とします。

授業計画と内容

【0】ガイダンス・導入(2回)
  1.講義の進め方と授業概要の説明
  2.現代資本主義の対象と方法:資本主義とはどのような社会なのか

【Ⅰ】資本主義社会の歴史的変遷(2回)
  3.資本主義社会の生成と発展:産業革命、資本の本源的蓄積
  4.独占資本主義の形成:周期的恐慌、経営と所有の分離

【Ⅱ】資本主義分析の基礎理論(4回)
  5.商品の価値と価格:人間と商品の関係とは
  6.労働過程と剰余価値の生産:「もうけ」はいかにして生まれるか
  7.資本蓄積と雇用:経済成長と失業の関係とは
  8.再生産と競争:持続的な経済発展の条件とは何か

【Ⅲ】独占資本主義の理論(8回)
  9.独占と独占資本:独占とは何か
 10.独占資本と資本蓄積:経済的格差はいかにして形成されるか
 11.独占資本主義と組織:「合理化」は止まらない
 12.独占資本と雇用:経済発展と「労働の質」との関係とは
 13.産業資本と金融資本:「経済の金融化」は暮らしにどう影響しているのか
 14.独占資本と情報:資本主義経済における情報の「価値」とは
 15.自由競争段階の恐慌・景気循環:「景気」はいかなる仕組みで動くのか
 16.独占資本主義と恐慌・景気循環:ブームとバブル、長期不況の経済的特質とは

【Ⅳ】国家独占資本主義の理論(4回)
 17.独占資本主義における国家の役割①:国家独占資本主義とは何か
 18.独占資本主義における国家の役割②:資本主義世界における戦争の経済的意義とは
 19.独占資本の国際的展開:多国籍企業の社会的役割について考える
 20.国家独占資本主義と恐慌・景気循環:経済政策が景気循環に与える影響とは

【Ⅴ】現代資本主義とその展開(8回)
 21.グローバル資本主義と新自由主義①:レーガノミクス、ポスト冷戦構造
 22.グローバル資本主義と新自由主義②:構造改革路線、ジョブレス・リカバリー
 23.現代資本主義と恐慌・景気循環①:アジア通貨危機、ITバブル、ニューエコノミー
 24.現代資本主義と恐慌・景気循環②:グローバル・バブル、帝国循環、世界経済危機
 25.資本主義社会の現況①:新自由主義路線の復活とその意味
 26.資本主義社会の現況②:グローバル情報資本の勃興と蓄積メカニズム
 27.資本主義社会の現況③:貧困・飢餓、分断・対立、紛争と日本
 28.総括:資本主義の未来

※なお、状況に応じて内容を一部変更する場合があります。あらかじめ了承ください。

授業時間外の学修の内容

授業終了後の課題提出/その他

授業時間外の学修の内容(その他の内容等)

 本講義では、現在の日本や世界の経済的問題についても触れていく予定です。毎日の新聞に目を通すなどして、その時々の政治・経済の動きに注目しながら授業に臨んでください。

授業時間外の学修に必要な時間数/週

・毎週1回の授業が半期(前期または後期)または通年で完結するもの。1週間あたり4時間の学修を基本とします。
・毎週2回の授業が半期(前期または後期)で完結するもの。1週間あたり8時間の学修を基本とします。

成績評価の方法・基準

種別 割合(%) 評価基準
期末試験(到達度確認) 80 ・専門的な用語や内容に対する理解度
・適切な説明や論理展開
・独自的な観点に基づく議論の提示
平常点 20 ・専門的な用語や内容に対する理解度
・数理的な問題に対する思考力

成績評価の方法・基準(備考)

 平常点や期末試験をもとに、総合的に評価します。評価基準は以下の通りです。

 平常点20%、期末試験80%

(詳細は、初回のガイダンスの際に説明します。)

課題や試験のフィードバック方法

授業時間内で講評・解説の時間を設ける

課題や試験のフィードバック方法(その他の内容等)




アクティブ・ラーニングの実施内容

PBL(課題解決型学習)

アクティブ・ラーニングの実施内容(その他の内容等)




授業におけるICTの活用方法

クリッカー

授業におけるICTの活用方法(その他の内容等)



実務経験のある教員による授業

いいえ

【実務経験有の場合】実務経験の内容




【実務経験有の場合】実務経験に関連する授業内容

テキスト・参考文献等

 テキストは指定しません。プリントを適宜配布する予定です。また参考文献については、必要に応じて授業中に紹介します。さしあたり、以下の通り。

【経済原論】
 一井昭『ポリティカル・エコノミー:『資本論』から現代へ』桜井書店
 北原勇『独占資本主義の理論』有斐閣
 北原勇・鶴田満彦・本間要一郎[編]『資本論体系 10 現代資本主義』有斐閣
 鶴田満彦・置塩信雄・米田康彦『経済学』大月書店
 常磐政治『現代資本主義分析の基礎理論』日本評論社
 増田壽男・沢田幸治[編]『現代経済と経済学 [新版] 』有斐閣

【日本経済】
 飯田和人『グローバル資本主義:日本経済の発展と衰退』日本経済評論社
 井村喜代子『現代日本経済論 [新版] 』有斐閣
 大西勝明[編著]『日本産業のグローバル化とアジア』文理閣
 北村洋基『岐路に立つ日本経済』大月書店
 鳥居伸好・佐藤拓也[編]『グローバリゼーションと日本資本主義』中央大学出版部
 藤田実『日本経済の構造的危機を読み解く:持続可能な産業再生を展望して』新日本出版社
 村上研一『現代日本再生産構造分析』日本経済評論社

【グローバル資本主義】
 鶴田満彦[編]『現代経済システム論』日本経済評論社
 アンドルー・グリン[著]、横川信治・伊藤誠[訳]『狂奔する資本主義:格差社会から新たな福祉社会へ』ダイヤモンド社
 デヴィッド・ハーヴェイ[著]、森田成也ほか[訳]『新自由主義:その歴史的展開と現在』作品社
 デヴィッド・ヘルド[編]、猪口孝[訳]『論争 グローバリゼーション:新自由主義対社会民主主義』岩波書店
 ボブ・ジェソップ[著]、中谷義和[訳]『資本主義国家の未来』御茶の水書房
 アンガス・マディソン[著]、政治経済研究所[訳]『世界経済史概観:紀元1年~2030年』岩波書店

その他特記事項

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