シラバス
授業科目名 | 年度 | 学期 | 開講曜日・時限 | 学部・研究科など | 担当教員 | 教員カナ氏名 | 配当年次 | 単位数 |
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課題演習Ⅰ | 2024 | 春学期 | 木5 | 商学部 | 河邑 肇 | カワムラ ハジメ | 2年次配当 | 2 |
科目ナンバー
CM-BS2-11XS
履修条件・関連科目等
授業で使用する言語
日本語
授業で使用する言語(その他の言語)
授業の概要
〔テーマ〕
A Iって、実はかなり「おバカ」なの?ーAIの正しい理解のためにー
iPhoneの予測入力、Amazonの「おすすめ」、Google検索、自撮り動画に猫耳をつけるなど、AIはすでにどこにでも用いられている。近い将来、乗用車の自動運転、病気の診断、小説の書き出しの提案までするようになるかも知れない。
だが、実際にはAIはどのような仕組みでこれらの仕事をこなしているのだろうか?この授業ではAIとはそもそも何なのか、その技術的基礎を把握した上で、それは本当にAI(人工知能:Artificial Intelligence)と呼んでよい技術なのか、AIにできることとできないことの区別などこにあるのか、実感として理解できるレベルで探っていきます。大切なことは、実際にAIを使って試してみること。AIによる思わず吹き出してしまいそうな出力例や、予想の斜め上をいく解決策の提案などを、一つ一つ検証しながら、あたかも万能な人工知能であるかのように世間からもてはやされるAIが、なぜ「おバカ」な答えを出してしまうのか考えていきます。
科目目的
この科目は、ベーシック演習Ⅰ・Ⅱで養成された基礎的な能力を、具体的なテーマに沿って応用・発展させることで、適応力・判断力・実践力を身につけ、他者と協働する能力を養うことを目的としています。
AIの技術的基礎を理解し、その特質を把握することを課題としています。その上で、AIが応用されるあらゆる分野で、それが新たな商品やサービスとしてどの程度まで有効なのか、具体的に理解を深めることを目的とします。
到達目標
新技術としてのAIの特質を使用価値を理解することを通じて、イノベーションが経済や社会や経営にもたらす影響、その効果と限界を理解できる能力を獲得することが到達目標です。そこで獲得した能力は、AIを商品やサービスとして使用する消費者や労働者の立場からみても、それをビジネスに応用する技術者や経営者の立場からみても、極めて重要な知性として役立つでしょう。
授業計画と内容
第1回 ガイダンス
第2回 AIとは何かー「現在のAI」と「将来のAI」
第3回 AIはどこにいる?
第4回 AIはどのように学習するのか
第5回 AIだって頑張っている?
第6回 AIは言われた通りのことをする
第7回 AIはハッキングが得意
第8回 AIは的外れな近道をする
第9回 AIと人間の脳は似ている?
第10回 AIがいそうもないところはどこ?
第11回 人間とAIのパートナーシップ
第12回 AIを見る視点
第13回 経済学の視点でAIをどう見るかーAIの発生史的な探求
第14回 AIを経済学的に見た時の基礎的な論点
第15回 AIの進化、「ICT革命」の新段階
第16回 AIの進化と「劣化する資本主義」
第17回 IT「人材不足」と「新自由主義」路線の破綻
第18回 「AI:未来社会論」批判ー日本政府と財界のSociety5.0の空疎な中身
第19回 唯物史観と「ICT革命」の新段階
第20回 AIと労働課程の研究
第21回 コンピュータ、AIの利用による労働課程の構造変化
第22回 IoTとAIによる「スマート工場」と労働
第23回 AIの進化と対人関係の労働、知的・創造活動
第24回 AIと労働者、AIと資本主義社会
第25回 「人工知能」前史ー機械の脳とサイバネティクス
第26回 「人工知能」と社会
第27回 AIが制御できなくなったら?
第28回 全体の総括
授業時間外の学修の内容
指定したテキストやレジュメを事前に読み込むこと
授業時間外の学修の内容(その他の内容等)
テキストを事前によく読んでおくこと。日頃からAIに関する製品やサービス、企業や政府の動向などを各種メディアでチェックすること。
授業時間外の学修に必要な時間数/週
・毎週1回の授業が半期(前期または後期)または通年で完結するもの。1週間あたり4時間の学修を基本とします。
・毎週2回の授業が半期(前期または後期)で完結するもの。1週間あたり8時間の学修を基本とします。
成績評価の方法・基準
種別 | 割合(%) | 評価基準 |
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平常点 | 100 | レジュメの到達点、議論への参加状況、論点の水準などを総合して評価する。 |
成績評価の方法・基準(備考)
日常のレジュメ作成、議論への参加状況など、平常点で100%評価します。
課題や試験のフィードバック方法
授業時間内で講評・解説の時間を設ける
課題や試験のフィードバック方法(その他の内容等)
アクティブ・ラーニングの実施内容
実施しない
アクティブ・ラーニングの実施内容(その他の内容等)
授業におけるICTの活用方法
実施しない
授業におけるICTの活用方法(その他の内容等)
実務経験のある教員による授業
いいえ
【実務経験有の場合】実務経験の内容
【実務経験有の場合】実務経験に関連する授業内容
テキスト・参考文献等
[テキスト]
ジャネル・シェイン著、千葉敏生訳『おバカな答えもAIしてる』光文社、2021年、友寄英隆『AIと資本主義』本の泉社、2019年。
[参考文献]
太田猛彦・藤嶋昭監修『新しい科学の世界へ④「AIの今」がわかる』Gakken、2022年、メレディス・ブルサード著、北村京子訳『AIには何ができないかーデータ・ジャーナリストが考える』作品社、2019年、ジェイムズ・ブラホス著、野中香方子訳『アレクサvsシリ』日経BP社、2019年、トム・チヴァース著、樋口武志訳『AIは人間を憎まない』飛鳥新社、2021年他、適宜紹介します。
その他特記事項
〔募集人数〕
15名程度
〔募集方法〕
志望動機(エントリー時にC plusで入力)
〔国外実態調査〕
実施しない