中央大学

シラバスデータベース|2025年度版

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ホーム > 講義詳細:English Seminar(2)

シラバス

授業科目名 年度 学期 開講曜日・時限 学部・研究科など 担当教員 教員カナ氏名 配当年次 単位数
English Seminar(2) 2025 後期 月4 文学部 井原 駿 イハラ シュン 2年次配当 2

科目ナンバー

LE-EX2-B106

履修条件・関連科目等

授業で使用する言語

日本語

授業で使用する言語(その他の言語)

授業の概要

私たちが,ある表現や文について「そういう言い方はしない・できない」「言いたいことは分かるけどちょっと不自然」と判定し,それらを修正したり言い換えたりすることができるのは一体なぜでしょうか。私たちが当たり前に持っているこの「能力」は,人工知能(例えば,OpenAIによるChatGPTのような対話AIなど)をもってしても完全に再現することは少なくとも現状において困難です。この能力を実現する大きな要因の一つとして,私たちがことばの「意味」や「意図」を理解していることが挙げられます。それでは,この「意味」「意図」の正体とは何でしょうか。私たちがことばの背後に潜む様々な意味を理解し,会話の「空気を読む」とき,どのような意味の処理が行われているのでしょうか。

この授業では,(形式)意味論・語用論の伝統的な知見から最近の研究成果までを参照しながら,上に挙げたような様々な問いについて考えるための足がかりを提供します。
具体的には、「意味とは何か」を考えることからスタートし,意味のバリエーションの概観,分析に用いる道具立て(論理と集合の基礎)の修得,そして文タイプ・テンスとアスペクト・モーダル表現などの意味の分析ができるようになることを目指します。
語用論では,オースティンやグライスによる伝統的な会話の理論からはじめて,様々な種類の含意(推意)や社会的意味について身近な実例を取り上げつつ,それらの分析手法を提供します。

本授業は講義形式で行いますが,受け身の講義ではありません。受講生には,授業で扱った知見や分析手法を使い,実際に身の回りで観察できる言語現象の分析を試みてもらいます。主体的な実践を通じて,無意識の中に潜む言葉の奥深さと複雑さ,そしてその仕組みを知ることの面白さと難しさを体感してもらうこともこの授業の大きなゴールの一つです。

科目目的

意味論・語用論をはじめとする言語学では,言語について私たちの抱く「直感」を,出来る限り私たち自身から自由にし,「現象」として捉えること(=客体化すること)が必要です。私たちにとって当たり前であるような言語コミュニケーションの様々な側面を,時としてあえて削ぎ落としてみることで,一見複雑怪奇に見える言語現象を単純化し,より深い真理に迫ることが求められます。

これを達成するためには,私たちが無意識に抱いている言語の意味とその運用に対する主観をコントロールする態度や姿勢が求められます。 言語の意味やその運用について考えるとき,個々の主観は有効にはたらくこともありますが,往々にして私たちの観察や考察の邪魔をしてきます。 意味論・語用論では,そうした主観をできる限り取り除くために有効な手法や手続きが確立されています。 これらを身に付ける過程で得られる論理的・批判的な思考法は,学問領域を超えた様々な場面で私たちの生活や社会における活動の大きな助けになります。

到達目標

身の回りで観察できる言語現象について、言語学(意味論・語用論)の「言葉」で客観的に分析できるようになること、また、授業内に与えられる資料と向き合ったり、抽象度の高い用語を理解する作業を通じて、社会を生き抜くために必要な知の基礎体力を養うことを目指します。

授業計画と内容

第1回 世界を「量化」する:可能世界意味論の基礎
第2回 モーダル表現の意味と類型
第3回 「雨が降ったようだ」と言えるのはどんなとき?:証拠性表現の意味論
第4回 「た」「ている」の謎:テンス・アスペクトと反事実性
第5回 形式語用論①:前提の性質
第6回 形式語用論②:焦点と話題
第7回 疑問文の意味論①
第8回 疑問文の意味論②
第9回 ここまでのまとめ
第10回 言語の段階性①:尺度含意とホーン・スケール
第11回 言語の段階性②:程度表現の意味論
第12回 形式語用論③:断定文の意味
第13回 命令文の意味論
第14回 ここまでのまとめと持ち帰り試験の説明

授業時間外の学修の内容

指定したテキストやレジュメを事前に読み込むこと/授業終了後の課題提出

授業時間外の学修の内容(その他の内容等)

授業時間外の学修に必要な時間数/週

・毎週1回の授業が半期(前期または後期)または通年で完結するもの。1週間あたり4時間の学修を基本とします。
・毎週2回の授業が半期(前期または後期)で完結するもの。1週間あたり8時間の学修を基本とします。

成績評価の方法・基準

種別 割合(%) 評価基準
期末試験(到達度確認) 60 14周目に課す「持ち帰り試験」のスコアで評価します。
平常点 40 授業への参加度、貢献度、小課題や授業内のタスクのスコアで評価します。

成績評価の方法・基準(備考)

課題や試験のフィードバック方法

授業時間に限らず、manabaでフィードバックを行う

課題や試験のフィードバック方法(その他の内容等)

アクティブ・ラーニングの実施内容

ディスカッション、ディベート/グループワーク/プレゼンテーション

アクティブ・ラーニングの実施内容(その他の内容等)

授業におけるICTの活用方法

クリッカー

授業におけるICTの活用方法(その他の内容等)

実務経験のある教員による授業

いいえ

【実務経験有の場合】実務経験の内容

【実務経験有の場合】実務経験に関連する授業内容

テキスト・参考文献等

特定のテキストに依拠せず,こちらで授業資料を用意します。
部分的に以下のテキストの内容を扱うことがあります:
Kroeger, Paul. 2022. Analyzing meaning: An introduction to semantics and pragmatics. (Textbooks in Language Sciences 5). Berlin: Language Science Press.
上のテキストはここ(以下のURL)からダウンロードできます: https://zenodo.org/record/6855854/files/359.pdf?download=1

また,各トピックに関する参考書は授業中に紹介します。

その他特記事項

参考URL

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