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シラバスデータベース|2025年度版

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ホーム > 講義詳細:ドイツ社会誌(1)(3)

シラバス

授業科目名 年度 学期 開講曜日・時限 学部・研究科など 担当教員 教員カナ氏名 配当年次 単位数
ドイツ社会誌(1)(3) 2025 前期 金3 文学部 磯部 裕幸 イソベ ヒロユキ 1~3年次配当 2

科目ナンバー

LE-DT1-C503,LE-DT1-C505

履修条件・関連科目等

授業で使用する言語

日本語

授業で使用する言語(その他の言語)

授業の概要

授業テーマ:「ナチズムと『科学的』人種主義」
近代の医学や生物学の急速な発展は、人間の「カテゴリー」に関する認識にも大きな変化をもたらした。 そこでは「人種」という概念が、しばしば「科学的客観性」の名のもとに実体化され正当化された。これがどのような恐ろしい帰結をもたらすかは、「ホロコースト」の歴史を紐解けば明らかであろう。
それではこうした「人種主義」は、ナチ体制下のドイツでどのようにして「政策」として取り込まれていくのか。またそうした「人種主義」に染まった政策が、どのような帰結をもたらしたのだろうか。本講義ではドイツにおける「人種主義」イデオロギーとナチズムの政治権力との関わりなどを追いながら、この問題を考えていきたい。その知見は、偏狭な排外主義が横行しつつある現代においても有益な示唆を与えてくれるだろう。

科目目的

本講義では、科学的な「人種主義」の思想がナチズムの主張とどのように重なり合うのかを考えることを目的とする。さらにはそうした「人種主義」の論理が、「ホロコースト」のような事象と直接結びつくのかどうか、という点に関しても考察を深めていきたい。
人文・社会科学の研究において、対象地域を歴史的に理解することは、どのような分野であれ必須である。従って本科目の履修は、将来卒業論文や卒業研究を執筆するにあたって有益な視座を与えてくれるだろう。

到達目標

本科目では、主に歴史学研究の手法や方法論を学び、人間社会に対する深い理解と広範な知識の修得を目指す。そして自ら問いを立て、他者との議論を通じて新たな知を創造することを最終的な到達目標とする。

授業計画と内容

第1回   導入:「人種主義」とは何か?人類学/進化論/優生学の論理
第2回   「人種主義」と政治(1):アメリカ合衆国の黒人差別
第3回   「人種主義」と政治(2):南アフリカの「アパルトヘイト」
第4回   「レイシズム」と「ナショナリズム」:近代日本における「人種主義」
第5回   人種主義とナチズム(1):ヒトラーの人種論と「模範としてのアメリカ」
第6回   人種主義とナチズム(2):人種衛生学・遺伝優生学研究の制度化(※1)
第7回   政策となった人種主義(1):ユダヤ人に対する迫害(※1)
第8回   政策となった人種主義(2):シンティ・ロマに対する迫害
第9回    人種主義の暴走(1):「遺伝的障害者」への迫害/「T4作戦」の開始と中止
第10回   人種主義の暴走(2):「絶滅収容所」と遺伝優生学
第11回   医学の責任:「ニュルンベルク裁判」における医師たち
第12回   今日の人種主義(1):いわゆる「文化レイシズム」の論理と思想
第13回   今日の人種主義(2):科学(的客観性)は「レイシズム」を克服できるか?
第14回   今日の人種主義(3):政治的「ポピュリズム」と「レイシズム」
(※1)第6回目・第7回目の授業内容は、2024年度冬学期「ドイツ社会誌(2)(4)」で扱ったものと一部重複するので、注意されたい)

授業時間外の学修の内容

指定したテキストやレジュメを事前に読み込むこと/授業終了後の課題提出

授業時間外の学修の内容(その他の内容等)

授業時間外の学修に必要な時間数/週

・毎週1回の授業が半期(前期または後期)または通年で完結するもの。1週間あたり4時間の学修を基本とします。
・毎週2回の授業が半期(前期または後期)で完結するもの。1週間あたり8時間の学修を基本とします。

成績評価の方法・基準

種別 割合(%) 評価基準
レポート 100 出席は取らない。学期末に提出する課題(レポート。分量は4000-6000字程度)のみで成績を評価する。学期末課題の詳細(体裁・提出期限・提出方法など)については、追って連絡する。

成績評価の方法・基準(備考)

課題や試験のフィードバック方法

授業時間内で講評・解説の時間を設ける/授業時間に限らず、manabaでフィードバックを行う

課題や試験のフィードバック方法(その他の内容等)

アクティブ・ラーニングの実施内容

実施しない

アクティブ・ラーニングの実施内容(その他の内容等)

授業におけるICTの活用方法

実施しない

授業におけるICTの活用方法(その他の内容等)

実務経験のある教員による授業

いいえ

【実務経験有の場合】実務経験の内容

【実務経験有の場合】実務経験に関連する授業内容

テキスト・参考文献等

教科書は指定しない。適宜プリントを配布する。

参考文献(必ずしも購入の必要はない)
・ジョージ・M・フレデリクソン(李孝徳訳)『人種主義の歴史』(みすず書房・2009年/改訂版2018年)
・藤川隆男『人種差別の世界史―白人性とは何か?』(刀水書房・2011年)
・ルース・ベネディクト(筒井清忠ほか訳)『人種主義―その批判的考察』(名古屋大学出版会・1997年)
・クロード・レヴィ・ストロース(渡辺公三ほか訳)『人種と歴史/人種と文化』(みすず書房・2019年)
・レオン・ポリアコフ(アーリア主義研究会訳)『アーリア神話―ヨーロッパにおける人種主義と民族主義の源泉』(法政大学出版局・新装版2014年)
・バリバール/ウォーラーステイン(若林章孝ほか訳)『人種・国民・階級―「民族」という曖昧なアイデンティティ』(唯学書房・2014年)
・鵜飼哲/酒井直樹/テッサ・モーリス=スズキ/李孝徳『レイシズム・スタディーズ序説』(以文社・2012年)
・バーリー/ヴィッパーマン(柴田敬二訳)『人種主義国家ドイツ―1933-45』(刀水書房・2001年)
・リチャード・ベッセル(大山晶訳)『ナチスの戦争―民族と人種の戦い』(中公新書・2015年)
・芝健介『ホロコースト―ナチスによるユダヤ人大量殺戮の全貌』(中公新書・2008年)
・ゲッツ・アリー(芝健介訳)『ヒトラーの国民国家――強奪・人種戦争・国民的社会主義』(岩波書店・2012年)
・リン・ニコラス(若林美佐知訳)『ナチズムに囚われた子どもたち―人種主義が踏みにじった欧州と家族(上・下)』(白水社・2018年)
・中西喜久司『ナチス・ドイツの優生思想―断種と「安楽死」政策を検証する』(文理閣・2019年)
・スザンヌ・E・エヴァンス(黒田学ほか訳)『障害者の安楽死計画とホロコースト―ナチスの忘れ去られた犯罪』(クリエイツかもがわ・2017年)
・ヒュー・グレゴリー・ギャラファー(長瀬修訳)『ナチスドイツと障害者「安楽死」計画(現代書館・新装版2017年)
・ジェイムズ・Q・ウィットマン(西川美樹訳)『ヒトラーのモデルはアメリカだった――法システムによる「純血の追求」』(みすず書房・2018年)
・米本昌平ほか『優生学と人間社会―生命科学の世紀はどこへ向かうのか』(講談社現代新書・2000年)
・シュテファン・キュール(麻生九美訳)『ナチ・コネクション―アメリカ優生学とナチ優生思想』(明石書店・1999年)

その他特記事項

参考URL

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