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シラバスデータベース|2025年度版

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ホーム > 講義詳細:哲学講義(2)(12)

シラバス

授業科目名 年度 学期 開講曜日・時限 学部・研究科など 担当教員 教員カナ氏名 配当年次 単位数
哲学講義(2)(12) 2025 後期 水2 文学部 和田 有希子 ワダ ウキコ 3年次配当 2

科目ナンバー

LE-PE3-J302,LE-PE4-J312

履修条件・関連科目等

授業で使用する言語

日本語

授業で使用する言語(その他の言語)

授業の概要

前期には、主に禅の歴史的、思想的展開について検討しましたが、本講義では、西田幾多郎と旧知の仲で、互いに影響を与え合い、自らは禅を欧米に知らしめ、禅の持つ普遍性を世界にアピールした鈴木大拙(1870~1966)の著作を取り上げて、近代において禅がどのような意義を持ったのかについて考えます。鈴木大拙は、ウィリアム・ジェイムズほか欧米の思想に触れながら、当時政治的な意味合いを背景に強い力を持っていたキリスト教など一神教に対する東洋思想の特色、西洋思想と仏教との関わりなど、幅広い言説を残しています。そうした中で彼は、結果的に、近代をどう超えるか、つまりポストモダンの思想の行方を考えさせる方向性を論じています。日本から発信されたポストモダンの思想はどのようなものか、ポストモダンの哲学に必要とされる要素とは何なのか、一緒に検討していきましょう。

科目目的

この科目は、学生が学位授与の方針で示す「幅広い教養」「複眼的思考」を主体的に習得することを目的としています。

到達目標

この科目では、以下を到達目標とします。

①鈴木大拙がどのような人物であり、どのような著作を残したのかについて知ること。
②鈴木大拙が、その当時の世界に、禅を通して何を発信しようとしたのかについて知ること。
③鈴木大拙の言説の背景となっている諸思想がどのようなものなのかを理解すること。
④鈴木大拙の思想から、近代という時代が何をもたらしたのかということに自覚的になること。
⑤鈴木大拙の思想が、現在でも常識になっている社会システム、倫理観に対して、どのような視点を持っているかを知り、これからの哲学の行方について考えることができるようになること。

授業計画と内容

Ⅰ 大拙の出発点
1. イントロダクション:いまなぜ鈴木大拙なのか
2. 鈴木大拙に影響を与えた人々:鎌倉円覚寺禅僧、今北洪川と釈宗演

Ⅱ 大拙思想が課題とするもの:近代とは何か
3. 1893年万国宗教会議における一神教と多神教の議論
4.  西洋近代思想の受容と近代への批判:『新宗教論』を読む
5.『大乗仏教概論』を読む(1):西洋の学問観の批判
6.『大乗仏教概論』を読む(2) :近代における『大乗起信論』への注目とその意味
7.『日本的霊性』を読む(1):宗教意識(霊性)重視の意味
8.『日本的霊性』を読む(2):言葉を超えることと近代の見方との関係

Ⅲ 大拙思想を支える思想
9.神秘思想と禅:ブラバツキー神智学との関わりから
10.大拙の見る禅:中国唐代~宋代禅の展開の観点から
11.禅はなぜ近代仏教に寄与できたか:方便を超える性質とその意義

Ⅳ 大拙思想・禅とこれからの哲学
12.歴史をどう叙述するか:大拙と中国歴史学者胡適との論争
13.近代的価値観をどう乗り越えるか:大拙から西田幾多郎・井筒俊彦、贈与論の議論まで
14. 総括:大拙禅の伝播とポストモダンの哲学へ

授業時間外の学修の内容

授業終了後の課題提出

授業時間外の学修の内容(その他の内容等)

授業時間外の学修に必要な時間数/週

・毎週1回の授業が半期(前期または後期)または通年で完結するもの。1週間あたり4時間の学修を基本とします。
・毎週2回の授業が半期(前期または後期)で完結するもの。1週間あたり8時間の学修を基本とします。

成績評価の方法・基準

種別 割合(%) 評価基準
レポート 50 期末に、講義で取り上げた内容に関してレポートを提出してもらいます(3000字程度)。
平常点 50 毎回授業の最後に、リアクションペーパーを提出してもらいます。

成績評価の方法・基準(備考)

課題や試験のフィードバック方法

授業時間内で講評・解説の時間を設ける

課題や試験のフィードバック方法(その他の内容等)

アクティブ・ラーニングの実施内容

実施しない

アクティブ・ラーニングの実施内容(その他の内容等)

授業におけるICTの活用方法

実施しない

授業におけるICTの活用方法(その他の内容等)

実務経験のある教員による授業

いいえ

【実務経験有の場合】実務経験の内容

【実務経験有の場合】実務経験に関連する授業内容

テキスト・参考文献等

当方でレジュメを用意しますが、授業で使用するテキストについて、比較的入手しやすいものについて記しておきます。その他、図書館で借りることのできる必要な文献については講義内で紹介します。

《授業で使用するテキスト:参考までに》
・鈴木大拙著・佐々木閑訳『大乗仏教概論』(2016年 岩波文庫 青323-4)
・鈴木大拙著『日本的霊性』(2010年、角川ソフィア文庫)
・鈴木大拙著・板東性純・清水守拙訳『神秘主義―キリスト教と仏教』(2020年 岩波文庫 青323-6)

その他特記事項

参考URL

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