シラバス
| 授業科目名 | 年度 | 学期 | 開講曜日・時限 | 学部・研究科など | 担当教員 | 教員カナ氏名 | 配当年次 | 単位数 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| インド哲学史通覧/印度哲学史A | 2026 | 前期 | 水3 | 文学部 | 河﨑 豊 | カワサキ ユタカ | 1~4年次配当 | 2 |
科目ナンバー
LE-EP1-T005
履修条件・関連科目等
東西の哲学,宗教,仏教,アジア史,現代南アジア地域に関連する科目のいずれか,または複数を併せて履修すること,もしくは履修済みであることが望ましい(履修条件ではない).
授業で使用する言語
日本語
授業で使用する言語(その他の言語)
授業の概要
アーリヤ人のインダス川中流域への移住以来,ブラフマニズムの最古の聖典である『リグヴェーダ』からはじる南アジアの哲学的伝統は,インド正統派哲学やヒンドゥイズムの宗教諸派,ジャイナ教や仏教,さらには近現代の思想家に至るまで連綿と続いている.その哲学的伝統は,仏教が東アジア諸地域に展開し,またヨーガが世界中で市民権を得たように,その影響ははかりしれない.南アジア文化圏の哲学の諸相を正確に理解することは,いまの世界の多様なあり方を正確に理解するためにも必須である.
本授業では,南アジア文化圏で花開いた所謂のインド哲学を,おおむね時系列に沿って概観する.認識論や存在論など,通時的に主題とされてきた問題は,複数回で触れる.インド哲学は宗教を抜きにして語ることはできない.どのインド哲学もその根底には宗教的思索がある.ゆえにこの授業は便宜上「インド哲学史」を名乗るが,実質的な内容は「インド宗教思想史」であることを断っておく.
受講者には,授業各回でミニッツペーパーを作成し,提出してもらう.各回のミニッツペーパーについては,次回授業冒頭に簡単な講評を行う.授業最終回は,まとめを行う予定である.
科目目的
本科目の科目目的は,中央大学文学部が学位授与の方針として示す「卒業するにあたって備えるべき知識・能力・態度」のうち,主体的に自ら学ぶことを前提とし,以下の点に関与する:
①インド哲学に関する「専門的学識」を修得する.
②西洋哲学や中国哲学,イスラーム哲学などとは異なる思想の伝統に触れることで,「幅広い教養」を得る.
③その知識を前提とした課題設定によって「複眼的思考」を涵養する.
④以上を通じ,自らの思考を他者に伝え理解させる能力,また他者の思考を理解する能力を涵養する.
到達目標
本科目の到達目標は以下のとおり:
・インド哲学に関する基礎的な知識を習得し,個々の内容について他者に正確に説明できる.
・インド哲学の知識を通じ,人間社会が築き上げてきた思想の多様性を理解する.
・インド哲学の知識に基づいて自ら客観的・批判的に思索し議論できる.
授業計画と内容
第1回 導入
第2回 ブラフマニズムにおける哲学(1):ヴェーダとブラーフマナ
第3回 ブラフマニズムにおける哲学(2):ウパニシャッド
第4回 非ブラフマニズムにおける哲学(1):六師外道
第5回 非ブラフマニズムにおける哲学(2):ジャイナ教(1)
第6回 非ブラフマニズムにおける哲学(3):ジャイナ教(2)
第7回 非ブラフマニズムにおける哲学(4):仏教(1)
第8回 非ブラフマニズムにおける哲学(5):仏教(2)
第9回 ブラフマニズムにおける正統哲学(1):サーンキヤとヨーガ
第10回 ブラフマニズムにおける正統哲学(2):ニヤーヤとヴァイシェーシカ
第11回 ブラフマニズムにおける正統哲学(3):ヴェーダーンタとミーマーンサー
第12回 インド古典世界における価値観からみる哲学
第13回 ヒンドゥー教諸派の哲学素描
第14回 近現代インド思想と独立運動,講評
授業時間外の学修の内容
指定したテキストやレジュメを事前に読み込むこと
授業時間外の学修の内容(その他の内容等)
授業用のテキストは指定せず,各回で配布する資料を使用する.各回で用いる資料は全て,授業日までに事前にmanabaにアップロードしてある.それらを事前に読み,授業終了後は授業ノートを整理するなどして復習を行うこと.また各自でインド哲学に関する入門・概論書を読む時間を確保すること.
授業時間外の学修に必要な時間数/週
・毎週1回の授業が半期(前期または後期)または通年で完結するもの。1週間あたり4時間の学修を基本とします。
・毎週2回の授業が半期(前期または後期)で完結するもの。1週間あたり8時間の学修を基本とします。
成績評価の方法・基準
| 種別 | 割合(%) | 評価基準 |
|---|---|---|
| 期末試験(到達度確認) | 60 | インド哲学史に関する基礎知識が身についていることを前提とした論述問題のみで構成される,基礎・応用からなる筆記試験を行う.基礎とは,たとえば「アルターパッティとは何かを200字で答えよ」といった基本的な知識を問うものである.応用とは,たとえば「仏教の縁起観を現代的な価値観に基づいて否定的に評価せよ」といったものである. |
| 平常点 | 40 | 内容理解と授業参加態度について,授業各回のミニッツペーパーおよび授業における発言などをもとに,総合的に評価する. |
成績評価の方法・基準(備考)
課題や試験のフィードバック方法
授業時間内で講評・解説の時間を設ける
課題や試験のフィードバック方法(その他の内容等)
アクティブ・ラーニングの実施内容
実施しない
アクティブ・ラーニングの実施内容(その他の内容等)
授業におけるICTの活用方法
実施しない
授業におけるICTの活用方法(その他の内容等)
実務経験のある教員による授業
いいえ
【実務経験有の場合】実務経験の内容
【実務経験有の場合】実務経験に関連する授業内容
テキスト・参考文献等
テキストは指定せず,各回で配布する資料を使用する.各回で用いる資料は全て,授業日までに事前にmanabaにアップロードする.また参考文献は授業各回の内容と進度に応じて適宜紹介する.「世界史の窓」のインド思想に関する情報は旧時代の遺物であるので,参照してはならない.
本授業全体に関わる参考書としては以下のものを紹介しておく:
早島鏡正 他『インド思想史』 東京大学出版会,1982年
村上真完『インド哲学概論』 平楽寺書店,1991年
ロイ・W・ペレット『インド哲学入門』ミネルヴァ書房,2023年
辛島昇 他『新版 南アジアを知る事典』 平凡社,2012年
インド文化事典編集委員会(編)『インド文化事典』 丸善出版,2018年
赤松明彦『インド哲学10講』 岩波書店,2018年
桂紹隆『インド哲学の万華鏡』 春秋社,2025年
その他特記事項
受講に際し,サンスクリット語やヒンディー語,タミル語など,南アジア諸言語の知識は必要ない.ただし授業内容の性質上,それら南アジア諸言語とくにサンスクリット語の語彙が頻出する点は注意されたい.
授業内容や課題に関する質問等は,授業終了後口頭で,またmanabaの掲示板で随時受け付ける.