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シラバスデータベース|2026年度版

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ホーム > 講義詳細:原典講読

シラバス

授業科目名 年度 学期 開講曜日・時限 学部・研究科など 担当教員 教員カナ氏名 配当年次 単位数
原典講読 2026 通年 水4 文学部 小川 真未 オガワ マミ 2年次配当 4

科目ナンバー

LE-PE2-J109

履修条件・関連科目等

本授業では、哲学書をフランス語原典で読解していきますので、フランス語の基本的な文法や語彙を勉強しておくことが望ましいです。とはいえ、テキストとする『時間と他なるもの』は、講演をまとめたテキストなので、フランス語の力に自信のない方でも、心配しすぎる必要はありません。また、フランス語未習の方は訳読を後期授業に担当してもらおうと思います。

また、『時間と他なるもの』という作品については、近年刊行された『レヴィナス読本』(レヴィナス協会編、法政大学出版局、2022年)にも著作解説が載っていますので、参考になると思います。

そもそもレヴィナス自体よく知らないという方もいらっしゃると思いますので、初回でレヴィナスの紹介をいたしますが、おすすめの参考書も載せておくので、気になる方は入門しやすい本などを読むのも勉強になるでしょう。

文献情報は下記の項目に挙げてあります。

授業で使用する言語

日本語

授業で使用する言語(その他の言語)

授業の概要

本授業では、エマニュエル・レヴィナス(1906-1995)の最初期にあたるLe temps et l'autre(『時間と他なるもの』(1948))をフランス語で読み、文法や内容を皆で検討しながら解釈していきます。

本著作は、レヴィナスが自身の哲学を展開し始める最初期のものとして、『実存から実存者へ』にならび、非常に重要な著作です。とはいえ、元は「哲学コレージュ」で講演された内容であり、それをまとめてテキストにしたものなので、フランス語の難易度や、内容のわかりやすさとしても、レヴィナスの入門にも適しています。

本著作でレヴィナスは、ハイデガーとは異なる仕方で「時間」を論じることを試みます。
そこからレヴィナスにおける様々な重要な概念が生まれてきます。
その最たるものが「他者」です。これがタイトルにも反映されています。

またハイデガーの存在論的差異を踏襲しつつも、ハイデガーの存在とは異なる存在そのものである「イリヤ(ある)」。そこからの存在者の出来である「実詞化(イポスターズ)」。ハイデガーの「道具連関」的なあり方とは対照的な「享受」、「糧」。そこでは、「何かのため」ではなく、まさにそのもの自体を欲すること、たとえば「生きるために食べる」のではなく、ただ「食べたいから食べる」のような存在者の様態が分析されます。また、この「享受」は、レヴィナスの主著である『全体性と無限』にも引き継がれる重要なものです。

そして、「死」の解釈もまたハイデガーと異なります。ハイデガーにおいては、死を引き受けることが存在者を本来的なあり方にしたのに対し、レヴィナスにおける死は決して引き受けることができないもの、全く未知のものとして現れます。このような未来において訪れる、全く未知のものとしての死というものが、レヴィナスにとって、「他者」との関係として描かれます。
しかし本著作で、その「他者」は「女性的なもの」として描かれることからも、ボーヴォワールを筆頭に、フェミニズムの立場から批判を受けることになります。しかし、この「女性的なもの」としての他者も、レヴィナスの主著『全体性と無限』に引き継がれる重要な概念となります。
したがって、本著作を学ぶことは、レヴィナスのみならず、フェミニズムの論争を学ぶためにも、ひとつの良い参考となるでしょう。

本授業では、単に翻訳を読むのとは全く違う、原典のままで哲学者の著作を読むことでしか得られない、解釈の余地や議論の広がりなどを学んでいただければと思います。

科目目的

・哲学のフランス語文献を正確に読み解く能力を身につけること。
・現実の社会問題や自分自身の問題とのかかわりを探究してみること(可能ならば)。

① まずは、文法にしたがって正確な日本語に訳せるようになることを目指します。接続詞や副詞などのニュアンスはどのようなものか、代名詞がなにを受けているのか、関係代名詞はどこに係るのか、といったことに気をつけて訳してください。
② そのうえで、この文章によって著者がいったいなにを言おうとしているのかを、自分自身の言葉で説明できるようになることを目指します。
③できれば、現代社会の問題へ応用できることがあるか考察してみても良いでしょう。また、レヴィナスの見出す人間存在の本質と自分自身の実存的問題との接点を探ってみても良いかもしれません。

到達目標

単位修得のためには、少なくとも上述の「科目目的」の①をある程度達成することが必要になります。①を達成しつつ、さらに②の達成を目指していきましょう。(とはいえ、テクスト読解において、①と②は相互に連関しています)
③については各自の自由ですので、到達目標には含めません。

授業計画と内容

初回は、イントロダクションとして、テクスト読解に必要な前提となる内容について講義をおこないます。

その後、輪読形式の授業となります。訳読担当者には、担当範囲のフランス語を日本語に訳してもらいます。毎回、前回の内容の復習をしつつ、ゆっくりとフランス語のテクスト読解をしていきます。フランス語の文法なども丁寧に確認していくので、おそらく毎回1~2ページぐらいのペースで読み進めていくことになると思います。

※フランス語未習の学生は、後期から訳読発表を担当してもらいます。その間にフランス語初級の勉強をしてください。

以下、各回の授業内容です。ページ数表記はPUF版のものを用いています。テキストはコピーしたものを初回に配布しますので、自分で用意する必要はありません。ただし、翻訳については、必要な方は各自で用意してください(図書館等で入手可能ですから、かならずしも購入する必要はありません)。

第01回 イントロダクション(授業の形式、レヴィナスについて)
第02回 pp. 17-18
第03回 pp. 18-19
第04回 pp. 19-20
第05回 pp. 20-21
第06回 pp. 21-22
第07回 pp. 22-23
第08回 pp. 24-25
第09回 pp. 25-26
第10回 pp. 26-27
第11回 pp. 27-28
第12回 pp. 28-29
第13回 pp. 29-30
第14回 pp. 30-31

第15回 pp. 31-32
第16回 pp. 32-33
第17回 pp. 33-34
第18回 pp. 34-35
第19回 pp. 35-36
第20回 pp. 36-37
第21回 pp. 37-38
第22回 pp. 38-39
第23回 pp. 39-40
第24回 pp. 40-41
第25回 pp. 41-42
第26回 pp. 43-44
第27回 pp. 45-45
第28回 全体の振りかえり

授業時間外の学修の内容

指定したテキストやレジュメを事前に読み込むこと

授業時間外の学修の内容(その他の内容等)

全員が次回の授業で読む箇所の単語を調べ、文構造を確認しておくこと。とくに、接続詞、副詞、代名詞などに注意して、できるだけ細かく、丁寧に予習してきてください。それゆえ、予習の時間はかなりかかることになると思ってください。辞書や文法書とにらめっこしながらの作業になるでしょう(とはいえ、レヴィナスはフランス語のネイティブではありませんし、そのフランス語も文法的に難解なものというわけではないと思います)。

既刊の翻訳がありますから、それらと「相談」しながら予習すると良いでしょう。とはいえ、翻訳は訳読の「答え」ではありません。また、翻訳アプリはとくに近年大変な進歩を遂げていますが、こちらも訳読の「答え」ではありません。予習は、辞書や文法書を助けに、また既刊の翻訳を参考にしながら、「自力で」行ってください。

単に日本語に訳すだけではなく、それぞれの単語が文法的にどのような役割を果たしているかを理解することが重要です。

参考文献に挙げた資料を読むことは義務ではありません。興味が湧いたら、授業時間外に読んでみてください。

授業時間外の学修に必要な時間数/週

・毎週1回の授業が半期(前期または後期)または通年で完結するもの。1週間あたり4時間の学修を基本とします。
・毎週2回の授業が半期(前期または後期)で完結するもの。1週間あたり8時間の学修を基本とします。

成績評価の方法・基準

種別 割合(%) 評価基準
レポート 70 出席者には訳読を担当してもらいます。この訳読の発表をレポートとみなします。
①単語の意味や文法事項をとれているか、②文章の哲学的な内容を整合的に理解しているか、という点をチェックします。
平常点 30 授業の終わりに、毎回コメントを書いてもらいます。
基本的に、自らの意見とその理由が説得力のある形で書かれているかどうかをチェックします。もちろん、授業内容の疑問点などを自由に書いてもらっても構いません。

成績評価の方法・基準(備考)

出席率が70%に満たない場合は単位習得を認めない。
ひとつのテクストを続けて読んでいくので、あまり欠席が続くと内容が理解できなくなってしまいます。全授業回数の70%は出席してください。

課題や試験のフィードバック方法

授業時間内で講評・解説の時間を設ける/授業時間に限らず、manabaでフィードバックを行う

課題や試験のフィードバック方法(その他の内容等)

毎回、コメントを書いてもらいます。みなさんが書いてくれたコメントに対して、つぎの回に教員が解説をします。

アクティブ・ラーニングの実施内容

ディスカッション、ディベート/プレゼンテーション

アクティブ・ラーニングの実施内容(その他の内容等)

① 担当者に翻訳を発表してもらいます。
② テクストの内容についてそのつど質問を受け付け、議論をします。

どんな細かい点でも、なにか気づいたことがあれば発言(書き込み)をしてください。みんなで思ったことを述べあい、対話をすることによって、テクストに書かれた哲学的内容をより深く発展させていくことができます。

授業におけるICTの活用方法

その他

授業におけるICTの活用方法(その他の内容等)

必要に応じてmanaba等を活用する。

実務経験のある教員による授業

いいえ

【実務経験有の場合】実務経験の内容

【実務経験有の場合】実務経験に関連する授業内容

テキスト・参考文献等

[テクスト]
Emmanuel Levinas, Le temps et l’autre, puf, quadrige, 1983[1947]
(邦訳『レヴィナス・コレクション』、合田正人訳、ちくま学芸文庫、2011年)

[参考文献]
・レヴィナス協会編『レヴィナス読本』法政大学出版局、2022年。
→研究者による『時間と他なるもの」の書籍紹介があります。そのほかの書籍や、概念の解説などもあり、レヴィナスの入門としてもおすすめです。

・熊野純彦(2011)、『レヴィナス入門』、ちくま新書
→最も手軽に読める入門書。

・渡名喜庸哲(2024)『レヴィナス 顔の向こうに』、青土社
→レヴィナス研究の最前線に立つ研究者によって噛み砕かれたレヴィナス論。内容はレヴィナスにしっかり追従し深い考察であるが、一般向けに書かれており、前提知識がなくても十分に楽しめる本です。アンパンマンやAIなど、誰にでも馴染みのあるものをレヴィナス的視線から考えることができる良書です。

・サロモン・マルカ 『評伝レヴィナス—生と痕跡—』、斎藤慶典・渡名喜庸哲・小手川正二郎訳、慶應義塾大学出版会、2016年
→レヴィナスの生まれてからの生活、その人生の痕跡を辿ることのできる本。レヴィナス自身の思想の内容よりも、その人生そのものを明らかにしています。その人の人生を知ることは、その思想形成の過程を知ることにもなるので、レヴィナス読解の参考として、読んでみるのも面白いかと思います。

・エマニュエル・レヴィナス、『実存から実存者へ』、西谷修訳、ちくま学芸文庫、2012年
→レヴィナス自身の著作ですが、『時間と他なるもの』と同時期に出版されたもので、レヴィナス初の著作として重要。とても短く、文庫版でも気軽に読めるので、レヴィナス著作そのものの入門としてもおすすめです。『時間と他なるもの』にも出てくる、「イリヤ」や「イポスターズ」も登場し、理解に役立つでしょう。

その他、授業で適宜紹介。
(※出版年は教員が所有しているものを表記しています)

その他特記事項

参考URL

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