シラバス
授業科目名 | 年度 | 学期 | 開講曜日・時限 | 学部・研究科など | 担当教員 | 教員カナ氏名 | 配当年次 | 単位数 |
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国語科教育法4 | 2025 | 後期 | 火4 | 教職 | 金井 利浩 | カナイ トシヒロ | 3年次配当 | 2 |
科目ナンバー
QC-TC3-A204
履修条件・関連科目等
授業で使用する言語
日本語
授業で使用する言語(その他の言語)
授業の概要
国語科教員として、学習者の学びの姿をとらえる資質・能力について理解し、自分自身の課題を持つことがねらいである。中学校・高等学校での国語教育では、一方的に教師の側から伝達の形で教育が行われてきたという批判があり、それを克服し生徒一人一人の国語力を育むことを目指さすために、教師の学習者の学び観の転換が必要である。「個に応じた指導」や「評価と指導の一体化」といわれる指導の具体的な手立てを模擬授業や実践記録などから学び、「主体的・対話的で深い学び」の実現を目指した授業を構想することになる。学習者のことばの学びを具体的にとらえ、模擬授業や現場の先生方の実践記録を分析することを通して、国語科教員としての資質・能力を獲得することができるようになることが授業のねらいである。
科目目的
この科目は、教職課程において各教科の指導法に位置付けられており、当該教科における教育目標、育成を目指す資質・能力を理解し、学習指導要領に示された当該教科の学習内容について背景となる学問領域と関連させて理解を深めるとともに、様々な学習指導理論を踏まえて具体的な授業場面を想定した授業設計を行う方法を身に付けることを目的とする。
到達目標
国語科教員として授業実践に必要な基礎的・基本的な資質・能力を獲得することができるようになる。そのために学習者のことばの学びについて理解し、評価し指導につなげることができるような知識や技能、思考力や判断力、表現力などを培い、積極的に授業改善に努める姿勢を持つことができる。
(1) 国語科教育の基礎的基本的な知識や技能を獲得し、情報通信技術を含む授業実践に生かすことができる。
(2) 学習者の学びをとらえ、適切に判断し評価と指導の一体化を図ることができる。
(3) 国語科の授業づくりに積極的に取り組み、学習者の実態に応じた指導を考えることができる。
授業計画と内容
第1回:学習者のことばの学び
国語教室の実際を振り返り、教えることと学ぶことの関連を考え、学習者の学び(探究していく過程)を考える。
第2回:国語科授業での学びの過程
模擬授業づくりを通して、学びの過程について理解し、具体的な授業づくりの問題点や課題について考える。
第3回:学習指導案の役割
評価規準や学習活動の実際の評価について事例をもとに国語科の観点別評価について理解し、学習者の学びをどのようにとらえるかを考え、学習指導案を作成する。
第4回:授業づくりワークシートやドリルの活用
模擬授業を通して、学習者にとっての学習実感を得られる工夫としてのワークシートやドリル等の役割、問題点と課題を考える。
第5回:国語科のノートづくり(ノート指導)の実際と課題
模擬授業を通して、板書の工夫やノート指導の実際を振り返り、学習者の学びをどのように創り出していくか考える。
第6回:学習者の学ぼうとする関心・意欲・態度
模擬授業を通して、主体的な学びを生み出す授業づくりの中で教材の開発や導入の工夫をすることを通して、学習者が課題を発見することの意義を考える。
第7回:国語科と探究的な学び
模擬授業を通して、国語科における探究的な学びの姿について考え、授業力について理解を深める。
第8回:国語科における協働学習
模擬授業を通して、教室の多様な生徒の姿を前提に「学び合う」授業づくりの工夫について考える。交流や討論、協同や分担などを通して学び、個別化と緩やかな共同化を図る授業づくりについて理解を深める。
第9回:国語科授業におけるICTの活用
模擬授業を通して、国語科におけるICT活用の問題点と課題を見出し、授業づくりに生かす。
第10回:国語科とメディア・リテラシー
模擬授業を通して、国語科における情報活用能力育成と多様なメディアに対するリテラシー育成との関連について考える。
第11回:「主体的・対話的で深い学び」とことばの学びの姿
国語科教育の問題点や課題を振り返り、求められる国語の資質・能力について理解を深め、具体的な評価や指導の実際を反省的に捉える。
第12回:国語科授業の評価と「授業力」の6観点
模擬授業を振り返り、自分自身の「授業力」を自己診断し、問題点や課題をとらえる。
第13回:国語科カリキュラムの経営
国語科の学習環境を整え、生徒が自らの学びの姿を意識することができるような工夫を考える。ワ-クシートやドリル、ノート作り、学校図書館との連携、ICTの活用などの問題点と課題を考える。
第14回:国語科教育の現代的課題
国語科教師の専門的力量の形成という観点から学び続ける教師像や国語科の授業が生涯にわたって学び続ける学力形成と大きく関連することを理解する。
定期試験
*進捗状況等によって、各回の順序を入れ替えることがある。
授業時間外の学修の内容
指定したテキストやレジュメを事前に読み込むこと/授業終了後の課題提出/その他
授業時間外の学修の内容(その他の内容等)
随時、学習指導案を作成し、提出してもらうことになる。
授業時間外の学修に必要な時間数/週
・毎週1回の授業が半期(前期または後期)または通年で完結するもの。1週間あたり4時間の学修を基本とします。
・毎週2回の授業が半期(前期または後期)で完結するもの。1週間あたり8時間の学修を基本とします。
成績評価の方法・基準
種別 | 割合(%) | 評価基準 |
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レポート | 40 | 適宜発出する課題や最終課題に対するレポートや学習指導案の内容と質の如何を基準とする。 |
平常点 | 30 | 出席状況のほか、毎時の振り返りシートの内容やグループワーク等への取組の姿勢なども評価の対象とする。 |
その他 | 30 | 模擬授業に係る学習指導案ならびに発表資料の内容や質の如何、模擬授業の成否の如何を基準とする。 |
成績評価の方法・基準(備考)
課題や試験のフィードバック方法
授業時間内で講評・解説の時間を設ける/授業時間に限らず、manabaでフィードバックを行う
課題や試験のフィードバック方法(その他の内容等)
アクティブ・ラーニングの実施内容
PBL(課題解決型学習)/反転授業(教室の中で行う授業学習と課題などの授業外学習を入れ替えた学習形式)/ディスカッション、ディベート/グループワーク/プレゼンテーション/その他
アクティブ・ラーニングの実施内容(その他の内容等)
模擬授業をとおして本科目の学修内容に対する理解を深めることを〈ねらい〉としていることから、履修者には、受け身にならずに積極果敢に模擬授業に挑むことを期待する。
授業におけるICTの活用方法
その他
授業におけるICTの活用方法(その他の内容等)
その教材に対してICTはほんとうに必要なのか、有用性はどこまで担保されるのか、といったことを見極めながら、模擬授業の準備段階から実地までの全体をとおして、活用の適否や活用方法の如何を考究してもらいたい。
実務経験のある教員による授業
はい
【実務経験有の場合】実務経験の内容
中学校・高等学校での教職経験38年。国語科を担当
【実務経験有の場合】実務経験に関連する授業内容
教職経験に基づいて、具体的事例を盛り込みながら様々な課題を投げかけ、学修者のみなさんの「国語科教育」に係る意識に揺さぶりをかけていく。
テキスト・参考文献等
【テキスト】
特定のものは使用せず、必要に応じてレジュメや資料を配布する。
【参考文献・参考資料等】
文部科学省『中学校学習指導要領(平成29年告示)』東山書房 2017
文部科学省『中学校学習指導要領(平成29年告示)解説 国語編』東洋館出版社 2017
文部科学省『高等学校学習指導要領(平成30年告示)』東山書房 2018
文部科学省『高等学校学習指導要領(平成30年告示)解説 国語編』東洋館出版社 2018
全国大学国語教育学会『新たな時代の学びを創る 中学校・高等学校 国語科教育研究』東洋館出版社 2019
町田守弘編著『実践 国語科教育法 第三版』学文社 2019
その他特記事項
個別の連絡、質問や相談は、manabaのコレクションで対応する。