シラバス
授業科目名 | 年度 | 学期 | 開講曜日・時限 | 学部・研究科など | 担当教員 | 教員カナ氏名 | 配当年次 | 単位数 |
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法と経済学 | 2025 | 後期 | 火4 | 国際情報学部 | 平野 晋 | ヒラノ ススム | 2年次配当 | 2 |
科目ナンバー
GI-EA2-IL20
履修条件・関連科目等
授業で使用する言語
日本語
授業で使用する言語(その他の言語)
授業の概要
【科目ナンバー:ILCS204】
「法と経済学」(Law and Economics)(俗称では「ロー・エコ」と云います)の主な概念や理論を、実際の法律や事例に結び付けながら講義し、法と経済学の基本的な理解を深め、かつ「学際法学」(“law ands”)的アプローチの手法も修得することを目標とします。法の在るべき方向性に対して大きな影響力を与えている法と経済学を修得することは、情報法の将来的方向性論議に参加し、かつ提言する能力を養成するために不可欠です。例えば、迷惑メールの法的規制を正当化する為の真の理由には、「負の外部性」や「共有地の悲劇」という理論が存在します。知的財産権法の必要性や「公有」の概念の重要性も、情報財が有する非競合性や非排除性や「反共有地の悲劇」の概念が関わっています。さらに、ビッグデータを利活用した自動運転車(ロボット・カー)の製造物責任(PL:Products Liability)を議論する際にも、「危険効用基準」や「費用便益分析」のような概念を理解する必要があります。本講義では、こうした学際的アプローチから、情報法の理論的背景の理解を深めます。
なお「法と経済学」と言うと難しい計算式が出て来そうで敬遠されがちですけれども、講義では計算式をほとんど使わず、主に功利主義的な視点から様々な法的論点を眺めてみます。同時にそのような法と経済学に対する批判も紹介します。いくつかの基本的な考え方を学びつつ、〝ケータイ〟で問題になった「迷惑メール」等を法と経済学的に分析したりもします。(「迷惑メール」については、指導教授出演の以下の『YouTube』の動画「サイバー法という新たな法律学」〈https://www.youtube.com/watch?v=2OdCvwDFy1s〉(最終アクセス2015年3月9日)をご覧ください。
〝ロー・エコ〟のような学際分析は、アメリカのロースクールでは全ての重要科目に於ける必須の「道具」となっていますので、学際学を重要視する本学部の学生諸君も是非、経済学と法律学の学際的な関係をこの科目で学んで下さい。
科目目的
経済学的に在るべき法を分析する資料を理解する為に必要な基本的概念や手法の習得が〈科目目標〉。
到達目標
経済学的に在るべき法を分析する資料を理解する為に必要な基本的概念や手法の習得が〈達成目標〉。
授業計画と内容
原則として、以下の順序で進行します。
尤も、コロナ禍対策の変動や受講生の理解度等々の諸事情により、進行や内容等が変更される蓋然性があります。
第一回 オリエンテーション
第二回 「法と経済学」とは何か?
第三回 資源の稀少性と効率性、合理的選択
第四回 需要と供給(効用極大化と利潤極大化)
第五回 均衡と賃料規制と独占
第六回 パレート最適、カルドア・ヒックス効率、契約を破る自由(効率的契約違反)、効率性vs.衡平性
第七回 市場の失敗と法の役割
第八回 迷惑メールと「共有地の悲劇」
第九回 公共財、協力ゲーム、囚人のジレンマ、交渉(取引)理論
第十回 財産権と「反共有地の悲劇」、サイバー法に於けるオープン・ソース(public domain)の重要性
第十一回 会社法と経済学(debtとequityの比率が経営判断に及ぼす影響)
第十二回 コースの定理
第十三回 不法行為法と製造物責任(PL)法と経済学
第十四回 総括(ホモ・エコノミカス、市場の失敗、[反]共有地の悲劇、限定合理性、コースの定理、費用便益分析、Hand Formula _B
[関係する具体的な職歴: 2000年10月~2004年9月に㈱NTTドコモの法務室長を務めて、その期間に迷惑メール対策を指揮しつつ、かついわゆる「特定電子メール法」の参議院議員立法成立を支援・実現化。その際の知見は、「共有地の悲劇」と市場の失敗に対する対策の具体的実践例として、以下の資料も通じて授業に活かされる。平野晋「迷惑メール問題と米国に於ける分析」日本データ通信127号53~86頁(日本データ通信協会, 2002年9月)。平野晋「国際企業法務」_in_『企業法務戦略』67~87頁(中央経済社, 2007年4月)。平野晋「国際法務から『政策法務』へ (上)(中)(下)」国際商事法務30巻3~5号(国際商事法研究所, 2002年3~5月)。]
授業時間外の学修の内容
指定したテキストやレジュメを事前に読み込むこと
授業時間外の学修の内容(その他の内容等)
授業の進捗に合わせてテキストの該当箇所や、指導教授のウエブページ
授業時間外の学修に必要な時間数/週
毎週1回の授業が半期(前期または後期)または通年で完結するもの。1週間あたり4時間の学修を基本とします。
成績評価の方法・基準
種別 | 割合(%) | 評価基準 |
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その他 | 100 | 原則として、集合型筆記期末試験ほぼ100%に、平常点(講義中の指導教授からの質問への回答等々)を加味するか、 又は、 コロナ禍対策等ゆえに、集合型筆記期末試験を実施できない場合等には、講義中/講義後の課題小テストやレポート等々ほぼ100%に、講義中の指導教授からの質問への回答等々を加味する。 |
成績評価の方法・基準(備考)
上記「成績評価の方法・基準」はあくまでも当シラバス記載時点での方針です。将来、変更の蓋然性があります。
課題や試験のフィードバック方法
授業時間内で講評・解説の時間を設ける
課題や試験のフィードバック方法(その他の内容等)
アクティブ・ラーニングの実施内容
実施しない
アクティブ・ラーニングの実施内容(その他の内容等)
授業におけるICTの活用方法
タブレット端末
授業におけるICTの活用方法(その他の内容等)
実務経験のある教員による授業
はい
【実務経験有の場合】実務経験の内容
2000年~2004年まで務めた(株)NTTドコモ法務室の室長時代に経験した。
【実務経験有の場合】実務経験に関連する授業内容
迷惑メール対策と「共有地の悲劇」理論の関係性について、第七回及び第八回の授業に於いて活かします。
テキスト・参考文献等
教科書
平野晋『アメリカ不法行為法:主要概念と学際法理』(中央大学出版部、2006年)
参考書
ロバート・D.クーター&トーマス・S.ユーレン(太田勝造訳)『新版 法と経済学』(商事法務、平成2年)。
小林秀之&神田秀樹『「法と経済学」入門』(弘文堂、昭和61年)。
平野晋『体系アメリカ契約法』(中央大学出版、2009年)。
その他特記事項
授業計画や評価方法等を含むシラバス内容は、コロナ禍状況等々や、受講生の理解度の状況等次第で、変更されることがあります。
参考URL
https://cyberian.r.chuo-u.ac.jp/hirano/Law&Eco_supplmnt.html