シラバス
授業科目名 | 年度 | 学期 | 開講曜日・時限 | 学部・研究科など | 担当教員 | 教員カナ氏名 | 配当年次 | 単位数 |
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事例研究(演習)Ⅰ | 2025 | 前期 | 金3 | 総合政策学部 | 川口 康裕 | カワグチ ヤスヒロ | 3年次配当 | 2 |
科目ナンバー
PS-IF3-SM01
履修条件・関連科目等
原則として、日本国憲法下の統治構造を講義する「立憲主義と統治」及び「憲法と人権」の単位を取得していること、並行して3年次に(あるいは既に2年次に)「行政学Ⅰ」及び「行政学Ⅱ」並びに「パブリックインターンシップ」を受講することが「必要」。ただし、必修の科目との重複ないしそれに準ずる理由により、「立憲主義と統治」又は「憲法と人権」の単位を取得していない場合は、 事例研究の開始までに、芦部信喜 著 , 高橋和之 補訂 『憲法 第8版』(2023年 岩波書店)を熟読することにより、自学自習をすること。
また、多様な主体間の相互作用を議論する「政治と社会」、「現代政府論」、「政策過程論」、行政を法的側面から議論する「行政法ⅠⅡ」、行政学の隣接科目である「財政学」、公共経済学の基礎理論を学ぶ「経済分析Ⅱ」などもできるだけ受講して、日本の行政について基本的理解・関心を持っていることが「望ましい」。
さらに、日本の行政原理の背景にある文化(日本の民俗)を学ぶ「日本社会文化論Ⅰ」を受講していることも本学部の理念である「政策と文化の融合」(文化的背景を理解して現代社会が直面する諸問題を解決する視点)という観点から「有意義」。
授業で使用する言語
日本語
授業で使用する言語(その他の言語)
授業の概要
「行政」へのアプローチは多様であり、研究者の関心に対応して、「行政学」のテキストは、幅広いテーマを扱う一方で、総じて「体系性」に乏しいと指摘されている。そうした中で、曽我謙吾教授のテキスト『行政学』は、分業と委任という概念をキーワードに、4つの部のそれぞれについて、4つの章を立て、「日本」の「現在」の行政の実態を国際比較と時系列比較を通して描き出し、その特徴をもたらした原因、それらがもたらす効果や帰結を議論するという構成を持ち、行政学の教科書としては、例外的に体系的なものとなっている。
この演習では、この書物に挑戦し、行政を多角的・理論的に眺め、議論する視座を養う。
各章をひとつずつ参加者とともに輪読しながら、日本の行政の実態を多角的・理論的に議論していくこととしたい。
科目目的
日本の行政の全体像を一定の理論的枠組みの中で体系的に理解する。
到達目標
日本の行政が歴史的、文化的な背景の下、多様な主体の相互作用のなかで運営されていることを理解し、日本の行政について、様々な観点から問題の発見・解決、解明を行うことができるようになること。
授業計画と内容
第1回 演習の進め方
第2回 政治と行政の関係(第1章)
第3回 日本における政治と行政の実態(第2章)
第4回 政治と行政の関係を規定する要因(第3章)
第5回 政治と行政の関係の帰結(第4章)
第6回 行政組織の形態(第5章)
第7回 日本の行政組織の実態(第6章)
第8回 組織形態を規定する要因(第7章)
第9回 組織形態の帰結(第8章)
第10回 マルチレベルの行政ー中央・地方関係と国際関係(第9章)
第11回 日本におけるマルチレベルの行政(第10章)
第12回 マルチレベルの行政を規定する要因(第11章)
第13回 マルチレベルの行政の帰結(第12章)
第14回 まとめ・総括・さらに深めるべき課題
( )は、テキストの章番号
参加学生の人数、関心等を踏まえ、変更等がありうる。
授業時間外の学修の内容
指定したテキストやレジュメを事前に読み込むこと/授業終了後の課題提出
授業時間外の学修の内容(その他の内容等)
参加者は、全員が毎回、各回のテーマの該当部分をあらかじめ読み込み、予習するほか、分担して、交代で内容をパワーポイントなどのプレゼンテーションソフトで要約資料を作成して、演習にて報告する。
(夏期休暇期間に)演習で取り扱ったテーマ・課題に関連した小論文(2000字以上)を作成し、提出する。
授業時間外の学修に必要な時間数/週
毎週1回の授業が半期(前期または後期)または通年で完結するもの。1週間あたり4時間の学修を基本とします。
毎週2回の授業が半期(前期または後期)で完結するもの。1週間あたり8時間の学修を基本とします。
成績評価の方法・基準
種別 | 割合(%) | 評価基準 |
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レポート | 35 | テーマの整理、論述力 |
平常点 | 30 | 全般的な演習への貢献度 |
その他 | 35 | 担当回における報告の内容、説明。議論の仕方。 |
成績評価の方法・基準(備考)
課題や試験のフィードバック方法
授業時間内で講評・解説の時間を設ける/授業時間に限らず、manabaでフィードバックを行う
課題や試験のフィードバック方法(その他の内容等)
アクティブ・ラーニングの実施内容
ディスカッション、ディベート/プレゼンテーション
アクティブ・ラーニングの実施内容(その他の内容等)
授業におけるICTの活用方法
タブレット端末
授業におけるICTの活用方法(その他の内容等)
実務経験のある教員による授業
はい
【実務経験有の場合】実務経験の内容
経済企画庁(現 内閣府)に1982年に上級職(法律甲)として入庁して以来40年間、国家公務員として勤務した。同庁のほかに内閣官房、内閣府本府、大蔵省、金融庁、消費者庁、外務省(在米国及び在ラトビア共和国日本大使館)にて勤務。留学2年(ロンドン大学LSE:経済学修士号取得)を含め8年の在外勤務により、他国(米国、英国、EU加盟国)の行政システムに接し、日本の行政システムを相対化する機会も得た。
その間、事務官から専門調査員(係長)、課長補佐、主計官補佐(主査)、調査官、課長、参事官、総務課長を経て、指定職(参事官、審議官、次長)として9年勤務した。
内閣参事官として内閣官房において消費者庁の設立準備を行ったほか、消費者庁次長(官房長・局長に相当)として、国会で多数の政府参考人答弁を行い、在職中、製造物責任法、消費者契約法、消費者裁判手続法など合計5本の新法制定のほか、多数の法律改正に携わった。さらに、経済企画庁調査局で、「経済白書」の作成に、大蔵省主計局主査として「予算編成」に、経済企画庁広報室長として「広報」に、特命全権大使(特別職)として「外交」にかかわるなど、国の行政の多面的機能に、様々な立場で自ら携わる機会を得た。
【実務経験有の場合】実務経験に関連する授業内容
学生の報告や質問に対し、担当教員の実務経験に照らし、コメントすることで、現代日本の行政の実態について、現状に即した正確な理解を助ける。
テキスト・参考文献等
テキスト
曽我 謙吾『行政学 新版』(有斐閣 2022年)
準テキスト(必携)
行政学の入門テキストとして、
伊藤正次・出雲明子・手塚洋輔 『はじめての行政学 新版』(有斐閣 2022年)がある。
演習参加者は、「演習開始までに」この書物を通読し、行政学の基礎的知識を得た後、上記テキストに挑戦すること。また、演習における報告や議論においても繰り返し関連部分を読み比べ、参考にすること。