シラバス
| 授業科目名 | 年度 | 学期 | 開講曜日・時限 | 学部・研究科など | 担当教員 | 教員カナ氏名 | 配当年次 | 単位数 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 文化論B1 | 2026 | 春学期 | 金2 | 法学部 | 下出 宣子 | シモイデ ノブコ | 3・4年次配当 | 2 |
科目ナンバー
JU-HO3-003L
履修条件・関連科目等
中国への関心の深浅、また自分の専門分野が中国に直接関係するか否かに関わりなく、多くの学生に履修してほしい。中国映画を鑑賞して、作品を通して中国の文化や社会について解説するが、とくに中国語等の学習歴があることを必要としない。
授業で使用する言語
日本語
授業で使用する言語(その他の言語)
授業の概要
中国(香港)・台湾映画を中心に鑑賞する。
今年度春学期は、中国映画史上の「第六世代」のひとり婁燁(ロウ・イエ)監督の作品を取り上げる。婁燁の中国映画界でのキャリアは曲折に富んでいる。北京電影学院卒業後、独立資本で作品を制作しはじめ、三作目の『ふたりの人魚』(1999)でロッテルダム映画祭グランプリを受賞するなど世界的な評価を得るが、この作品は電影局の審査を通る前に海外で上映されたため、国内上映が禁止された。第五作目『天安門、恋人たち』(2006)は1989年春から始まった北京における民主化運動とそれを政府が弾圧した天安門事件およびその後を自らの経験も踏まえて描いた。この作品は審査を通らなかった(当局は理由をはっきり示さなかったが性愛描写の過激さや政治的な問題が理由かと推測される)が、カンヌ国際映画祭に出品、婁燁は当局から映画制作を五年間禁止されることになった。中国での映画制作が禁止されていた間にフランスで資本を得て『スプリング・フィーバー』(09)、『パリ、ただよう花』(11)を制作。『二重生活』(12)で中国映画界に復帰を果たした後、目の不自由な青年たちのマッサージ院を舞台とした『ブラインド・マッサージ』(14)、広州の「都市村」で起きた実際の汚職事件に題材を得たサスペンス映画『シャドウプレイ』(19)、1941年の上海の租界を舞台とするスパイ映画『サタデー・フィクション』(19‐21公開)と一作ごとに作風の異なる作品を制作し、中国国内で上映するために度々電影局と厳しい交渉を辞さない姿勢を貫いてきた。『未完成の映画』(24)は、2020年春節前後に撮影中のホテルで新型コロナウィルルス感染拡大を抑えるためのロックダウンに巻き込まれた経験をドキュメンタリー風に描いた作品だが、国内上映の目途はたっていない。今学期の授業では、これらの中から6作品を選んで観てみたい。
映画作品を通して中国・台湾の文化、社会および近現代史に関わる問題、そこに生きる人々の生活や感情を理解する一方、逆にそれを知ることにより、作品そのものをいっそう深く味わうことができるようにしたい。また、私たちの社会や私たち自身が内に抱える問題についても考えるきっかけとなることを願う。
受講者から出される感想や質問を取り入れながら授業を進める。受講者は、自分の現在属している社会や集団の価値観が絶対的なものではないことを知り、他者を理解する想像力の幅を広げていってほしい。必ずしも観やすい(理解が容易な)作品ばかりではないが、きっと得るものはあると思います。
科目目的
中国・台湾の文化や社会、日本とは異なる価値観について理解を深める。
到達目標
1.作品の内容をきちんとまとめ、自分なりの興味や問題点を見出す
2.他の受講生の感想や意見を読んだり、授業を通して作品についての理解を深める
3.作品を理解することを通して、中国や台湾の歴史や文化への理解を深め、さらに自分なりの問題意識をもち、それについて考察する
授業計画と内容
第1回 ガイダンス、「第六世代」・婁燁について
第2回 『ふたりの人魚』(1999年)① 上海という場所と物語の構造1
第3回 『サタデー・フィクション』(2019年)① 上海という場所と物語の構造2
第4回 『サタデー・フィクション』②
第5回 『ふたりの人魚』・『サタデー・フィクション』作品解説とディスカッション
第6回 『ブラインド・マッサージ』(2014年)① 婁燁作品における恋愛の描き方1『スプリング・フィーバー』(09)、『二重生活』(12)
第7回 『天安門、恋人たち』(2006年)① 建国35周年から天安門事件へ
第8回 『天安門、恋人たち』 ② 民主化運動のリーダーたちのその後
第9回 『天安門、恋人たち』 ③ 作品解説とディスカッション
第10回 『シャドウプレイ』(2019年)① 都市の中の「村」~急激な開発による歪み
第11回 『シャドウプレイ』 ② 婁燁と電影局審査
第12回 『シャドウプレイ』 ③ 作品解説とディスカッション
第13回 『未完成の映画』 ① ロックダウンの状況と生活
第14回 『未完成の映画』 ② 作品解説とディスカッション
*授業の進行状況などにより、作品や進度に変更が生ずることもある。
授業時間外の学修の内容
指定したテキストやレジュメを事前に読み込むこと/授業終了後の課題提出
授業時間外の学修の内容(その他の内容等)
台湾の近現代史に関する書物を読んだり、現在の台湾社会に関する情報に関心をもって情報を得ておくこと。
授業時間外の学修に必要な時間数/週
・毎週1回の授業が半期(前期または後期)または通年で完結するもの。1週間あたり4時間の学修を基本とします。
・毎週2回の授業が半期(前期または後期)で完結するもの。1週間あたり8時間の学修を基本とします。
成績評価の方法・基準
| 種別 | 割合(%) | 評価基準 |
|---|---|---|
| レポート | 50 | 授業を通して自分なりの問題意識を持てたか、また、それについての考察がなされているか |
| 平常点 | 50 | 作品の内容を理解しまとめられているか、また自分なりに興味や問題点を見出せているか *各回の授業ごとに簡単なリアクションペーパー、作品ごとに小レポートを提出 |
成績評価の方法・基準(備考)
課題や試験のフィードバック方法
授業時間内で講評・解説の時間を設ける
課題や試験のフィードバック方法(その他の内容等)
アクティブ・ラーニングの実施内容
ディスカッション、ディベート/その他
アクティブ・ラーニングの実施内容(その他の内容等)
リアクションペーパーや小レポートの内容を授業の中でフィードバックしクラスで共有する。またそれをディスカッションに活用する。
授業におけるICTの活用方法
実施しない
授業におけるICTの活用方法(その他の内容等)
実務経験のある教員による授業
いいえ
【実務経験有の場合】実務経験の内容
【実務経験有の場合】実務経験に関連する授業内容
テキスト・参考文献等
テキストは特になし。参考文献は授業時または授業前後に紹介する。また授業で用いる資料は授業前後にmanabaに掲載する。