中央大学

シラバスデータベース|2025年度版

テキストサイズ

  • 小
  • 中
  • 大
  • フリーワード検索
  • 条件指定検索
  • シラバスデータベース(学部・大学院)
  • ビジネススクール(MBA)
  • ビジネススクール(DBA)
  • 研究者情報データベース

ホーム > 講義詳細:事例研究(演習)Ⅰ

シラバス

授業科目名 年度 学期 開講曜日・時限 学部・研究科など 担当教員 教員カナ氏名 配当年次 単位数
事例研究(演習)Ⅰ 2025 前期 水3 総合政策学部 横山 陸 ヨコヤマ リク 3年次配当 2

科目ナンバー

PS-IF3-SM01

履修条件・関連科目等

以下を履修の条件とします。
1.担当教員の講義科目のうち、単位未習得の科目については、並行して履修すること。
2.各学期末のレポート並びに卒業論文を執筆する意欲があること。
3.アルバイト・サークル・就活などよりも、ゼミおよびゼミの課外活動(春のプレゼミ・夏の合宿など)を優先できること。

授業で使用する言語

日本語

授業で使用する言語(その他の言語)

授業の概要

哲学・倫理学・社会思想などの観点から、現代社会の諸問題について議論します。ゼミは文献講読と個人発表の二本立てで、3・4年生合同で行います(参加者は水曜2限・3限の両時限を空けておいて下さい)。例年ゼミ生は6〜8名程度です。FLPとの掛け持ちも認めます(例年数名います。)また3年生からの参加も歓迎します。

●文献講読(社会哲学・倫理学)
2025年度はアイリス・マリオン・ヤングの『正義への責任』と『正義と差異の政治』を講読しながら、性差別・人種差別・貧困といった現代の社会問題について議論します。ヤングはアメリカの政治哲学者であり、ロールズの政治哲学(正義論)を批判的に捉え直し、フェミニズムや多文化主義の理論と実践に大きな影響を与えました。
*2025年前期に社会哲学・倫理学の理論を扱う「社会倫理学」を新たに開講します。文献講読の内容を補完するものですので、必ず履修してください。

●研究発表(各学期1人1〜2回)
各人の興味関心に基づいてテーマを選び、毎学期《リサーチ(調査)→プレゼンテーション(発表)→ディスカッション(議論)→レポート(小論文)》というサイクルを繰り返し、最終的に卒業論文を完成させます。

●読書会(任意)
文献講読と研究発表とは別に、学生の興味に応じて、哲学・思想・倫理に関する本を一緒に読みます(参加は任意です。)2025年度前期は、フロイトの『エロス論集』とレベッカ・ガーシア・ピニロスの『One Welfare』(原文と翻訳=私訳を使用)を隔週で読む予定です。フロイトは精神分析の創始者で、精神医学のみならず、哲学や文学に大きな影響を与えた20世紀の思想家でもあります。ピニロスはアニマルウェルフェアの理論家・活動家で、人間の福祉と動物の福祉の両立を図る「One Welfare」論を提唱しています。

●ゼミの方針
ゼミ(事例研究・卒業研究)は「講義で教員がレクチャーした知識を、ゼミで学生が自分の興味関心にしたがって掘り下げていく」ものと考えます。そのため、ゼミでは学生の自主性(積極的な態度)が重要となります。授業時間外にも、講読や個人発表の準備や参考文献の読み込み、さらには卒業論文の執筆など準備作業が必要となります。したがって「自分で調べるよりも教員に教えて欲しい」「自分で読む時間がない・読みたくない」「文章を書くの苦手だ」「授業時間だけで完結したい」といった学生には、このゼミは向きません。読むこと、自分で・みんなで考えること、それを文章にまとめること、以上3点が重要となります(上手くできなくても、あきらめずに頑張る姿勢が大切です。)

●最近のゼミ生・卒業生の研究テーマ
3〜4年次の2年間で卒業論文を完成させます。最近のゼミ生・卒業生の研究テーマは以下の通りです。
・「開発経済と倫理」
・「日本における動物愛護」
・「精神分析と教育」
・「カール・ロジャースのカウンセリング論(エンカウンター・グループ)」
・「社会における倫理的な合意形成はいかにして可能か」
・「死を受け入れるために必要な命の捉え方とそれがもたらす効果とは」
・「成熟した愛とは具体的にどのようなものか」
・「教育学における物語論的転回を語り直すために」
・「道徳観の対立からヤングケアラーの声を聞き取るーーカントの道徳哲学とノディングズのケア倫理から」
・「音楽の哲学的価値とメタルバンド文化における鑑賞」
・「児童中心主義の現代教育への応用とその実践ーーデューイの思想とサドベリーバレースクールを事例として」
・「ショーペンハウアーとデュルケームから考える自殺対策」
・「ホッブス『リヴァイアサン』から検討する殺人・死刑について」
・「アニメから読み解く現実世界のジェンダー差別」
・「インクルーシブな社会の実現に向けた課題の考察ーー女性障がい者の視点から」
・「ヌスバウムのケイパビリティ・アプローチは日本における非正規雇用の女性貧困問題解決へとつながるか」
・「フランスにおけるヴェール論争」

科目目的

総合政策学部のディプロマ・ポリシーに基づき、社会・文化政策とその問題点を哲学・思想の観点から考察することを通じて、「さまざまな観点から社会現象を解明する能力」と「多様な異文化を理解・受容できる包容力」の習得をめざします。

到達目標

科目の目的に基づいて、以下の二点を到達目標とします。
(1)哲学・思想に関する抽象的な理論を(批判的に)理解できる。
(2)理論を応用して、社会・文化政策とその問題を分析できる。

授業計画と内容

ゼミ形式の授業ですので、参加者の人数、理解度、興味関心に応じて、授業計画は変更することがあります。

●前期
第01回 学生の個人研究発表(4年生:昨年度の研究報告)
第02回 学生の個人研究発表(3年生:今年度の研究の着想)
第03回 文献講読①(『正義と差異の政治』第1章「分配的パラダイムを置き換える」前半)
第04回 文献講読②(『正義と差異の政治』第1章「分配的パラダイムを置き換える」後半)
第05回 文献講読③(『正義と差異の政治』第2章「抑圧の五つの側面」前半)
第06回 文献講読④(『正義と差異の政治』第2章「抑圧の五つの側面」後半)
第07回 文献講読⑤(『正義と差異の政治』第3章「福祉資本主義社会」前半)
第08回 文献講読⑥(『正義と差異の政治』第3章「福祉資本主義社会」後半)
第09回 学生の個人研究発表(4年生:卒業論文の構想)
第10回 学生の個人研究発表(3年生:今年度の研究の構想)
第11回 学生の個人研究発表(予備日)
第12回 文献講読⑦(『正義と差異の政治』第4章「不偏性と公民的公衆の理想」前半)
第13回 文献講読⑧(『正義と差異の政治』第4章「不偏性と公民的公衆の理想」後半)
第14回 まとめ
(*例年、夏休みに合宿を行います。)

●後期
第01回 文献講読①(『正義と差異の政治』第7章「アファーマティヴアクションと能力・・・」前半)
第02回 文献講読②(『正義と差異の政治』第7章「アファーマティヴアクションと能力・・・」後半)
第03回 学生の個人研究発表(4年生:卒業論文の進捗報告)
第04回 学生の個人研究発表(3年生:今年度の研究の進捗報告)
第05回 学生の個人研究発表(予備日)
第06回 文献講読③(『正義と差異の政治』第8章「都市生活と差異」前半)
第07回 文献講読④(『正義と差異の政治』第8章「都市生活と差異」後半)
第08回 学生の個人研究発表(4年生:卒業論文の中間報告)
第09回 文献講読⑤(『正義への責任』第1章「自己責任から政治的責任へ」前半)
第10回 文献講読⑥(『正義への責任』第1章「自己責任から政治的責任へ」後半)
第11回 学生の個人研究発表(4年生:卒業論文の最終報告)
第12回 学生の個人研究発表(3年生:今年度の研究の中間報告)
第13回 文献講読⑦(『正義への責任』第2章「正義の主題としての構造」前半)
第14回 文献講読⑧(『正義への責任』第2章「正義の主題としての構造」後半)
(*例年、春休みに来年度に向けたプレゼミを行います。)

授業時間外の学修の内容

指定したテキストやレジュメを事前に読み込むこと/授業終了後の課題提出/その他

授業時間外の学修の内容(その他の内容等)

講読するテキストについて、授業時間外に毎回、簡単な小レポート(A4で1〜2枚程度)を作成し、授業前日の21時までにmanabaで提出することを義務づけます。講読箇所の要約と自らの問題提起が小レポートの課題です。

なお、春休み・夏休みに数日の課外活動(プレゼミ・合宿)を行います。日時や実施形態については、学生の意見を聞きながら決めたいと思いますが、履修条件にも挙げたように、サークル・アルバイト・就活よりも優先してください。

授業時間外の学修に必要な時間数/週

毎週1回の授業が半期(前期または後期)または通年で完結するもの。1週間あたり4時間の学修を基本とします。
毎週2回の授業が半期(前期または後期)で完結するもの。1週間あたり8時間の学修を基本とします。

成績評価の方法・基準

種別 割合(%) 評価基準
レポート 50 ①教員が個別に指示した文献を読み込んでいるか、②自分のテーマ・問題関心が掘り下げられているか、③論理的な文章となっているか、という観点から総合的に評価します。
平常点 50 ①ゼミ形式の授業ですので、ディスカッションへの参加姿勢を重視します。それに加えて、②毎回提出する小レポートの内容を評価対象とします。

成績評価の方法・基準(備考)

ゼミ形式の授業ですので、以下の場合には(他の評点のいかんに関わらず)E判定(不可)とします。①出席が不良の場合、②課題物の提出が不良の場合、③期末レポートが未提出の場合。

課題や試験のフィードバック方法

授業時間内で講評・解説の時間を設ける

課題や試験のフィードバック方法(その他の内容等)

アクティブ・ラーニングの実施内容

ディスカッション、ディベート/プレゼンテーション

アクティブ・ラーニングの実施内容(その他の内容等)

授業におけるICTの活用方法

実施しない

授業におけるICTの活用方法(その他の内容等)

実務経験のある教員による授業

いいえ

【実務経験有の場合】実務経験の内容

【実務経験有の場合】実務経験に関連する授業内容

テキスト・参考文献等

【テキスト】アイリス・マリオン・ヤング『正義と差異の政治』(飯田文雄他訳),法政大学出版局,2020年.
【テキスト】アイリス・マリオン・ヤング『正義への責任』(岡野八代・池田直子訳),岩波書店(岩波現代文庫),2022年.

その他特記事項

参考URL

検索結果に戻る

  • フリーワード検索
  • 条件指定検索

TOP

  • プライバシーポリシー
  • サイトポリシー
  • 中央大学公式サイト
Copyright (c) Chuo University All Rights Reserved.