中央大学

シラバスデータベース|2025年度版

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ホーム > 講義詳細:専門演習A1/専門演習B1(国際法と紛争解決)

シラバス

授業科目名 年度 学期 開講曜日・時限 学部・研究科など 担当教員 教員カナ氏名 配当年次 単位数
専門演習A1/専門演習B1(国際法と紛争解決) 2025 春学期 火5 法学部 宮野 洋一 ミヤノ ヒロカズ 3・4年次配当 2

科目ナンバー

JU-OL3-015S

履修条件・関連科目等

授業で使用する言語

日本語

授業で使用する言語(その他の言語)

授業の概要


 宮野国際法W(紛争解決)ゼミでは、国際法を出発点にしつつも、より広く(そして深く)国際性をもった様々な諸問題にあるいは紛争「解決」的(単なる処理ではない!)にせまります。たとえば 以下のような問題に関心をもったあなた。ウェルカム・トゥ・ミヤノゼミです。(a)紛争や問題の解決って、裁判のように単に白黒をつけて、その判断に従わなければ制裁・強制するだけのことなのだろうか?→平和研究でしられるガルトゥングのトランセンド法や、オゾン層保護の分野の不遵守手続(NonCompliance Procedure)に代表される「国際法遵守の管理モデル」を検討してみよう。(b)地球温暖化で国自体が水没の危機にあり、全国民国外移住をせまられるツヴァルに同情するあなた→地球環境問題の解決を考える。パリ協定や京都議定書アプローチを批判的に検討しますか。ついでに小説『日本沈没』と『日本沈没第二部』(小松左京)も読んでみよう。(c).内戦で民族浄化やジェノサイドが横行。しかし国連は動かない。空爆でこれを止める?→人道的介入論あるいは保護する責任論へ。(d).パレスチナにイスラエルが建設した分離壁。合法違法が気になる?→国際司法裁判所の壁建設に関する勧告的意見へ、or いやいや自爆テロと軍事的報復を経験したイスラエルとパレスチナが必要とするのは完全な分離壁を通じた冷却期間だ→フォーリン・アフェーアーズ論文へ。(e)BSE 問題や遺伝子組み換え食品、はたまた漁獲を制限される日本のミナミマグロ漁(トロ!)。食の安全や、グルメが心配というあなた→WTO による紛争の処理・解決、海洋法や、持続的開発の議論へ。 以上の例はあくまで一例。みなさんの関心に応じて色々なテーマを検討します。

科目目的

 「紛争を解決する」ということを、とりわけ国際的な要素をもった様々な「紛争」の実態(背景・原因)を知り、さらにそれ対してどのように働きかける(「処理」する)ことが、どのような質の「解決」をもたらすか、という原理的なレベルで理解できるようになること。

到達目標

国際紛争が、単に武力紛争にとどまらず、経済、環境、人権、資源、構造的暴力など実にさまざまなものを対象にしているかにつきその実態を知り、また、それらに対してどのような紛争「処理」の制度や考え方が展開されてきたかを実例をふまえつつ理する。最終的には各自の選択した「紛争」についての「処理」のあり方とその結果としての「解決」について分析・提言できることをめざす。

授業計画と内容

(国際法入門については「国際法と正義論ゼミ」と合同で別途)
★前期特殊講義「国際法と紛争解決、学科によっては国際紛争解決法」は、この部分を補充するものとして履修必須です。
第1回 オリエンテーション:本ゼミの視角-考え方からみた紛争の処理・解決
  国際紛争の「処理」と「解決」/白黒決着・棚上げ・妥協とトランセンド(ガルトゥング)
Part.1 国際紛争処理の手続き・制度からみた紛争の処理・解決
第2回 国際紛争処理手続-法的処理の原型と概観(PICT Chart)
第3回 仲介・居中調停1-環境調停(サスカインド)
第4回 仲介・居中調停2-(スリランカ内戦とノルウェーの仲介)、交渉・審査
第5回 裁判―仲裁裁判と司法裁判(ICJ) (例:ビーグル海峡事件、イラン人質事件、自由地帯事件)
第6回 裁判ー国際政治学(IR)は国際裁判をどのように理解してきたか
 Part2 国際紛争・問題の性質・類型からみた紛争処理のあり方
第7回 国際環境紛争・地球環境問題―紛争の処理/解決か、問題の解決か-環境条約の不遵守手続(NCP)
第8回 国際経済紛争1(貿易・通商)―GATT/WTOにおける紛争処理
第9回 国際経済紛争2(投資紛争)
第10回 武力紛争1-集団的安全保障体制 と停戦監視型PKO
第11回 武力紛争2-PKOと平和構築(パートナーシップ国際平和活動)
第12回 武力紛争3-国際刑事裁判所(ICC)的アプローチ
第13回 構造的暴力に関わる紛争-南ア・真実と和解委員会(TRC)アプローチ
Part3 まとめ
第14回 総括:紛争の処理・管理・解決

授業時間外の学修の内容

指定したテキストやレジュメを事前に読み込むこと

授業時間外の学修の内容(その他の内容等)

授業時間外の学修に必要な時間数/週

・毎週1回の授業が半期(前期または後期)または通年で完結するもの。1週間あたり4時間の学修を基本とします。
・毎週2回の授業が半期(前期または後期)で完結するもの。1週間あたり8時間の学修を基本とします。

成績評価の方法・基準

種別 割合(%) 評価基準
平常点 100 毎回のゼミへの参加・貢献(レジュメ・報告担当、司会、記録、議論)による。

成績評価の方法・基準(備考)

課題や試験のフィードバック方法

授業時間内で講評・解説の時間を設ける

課題や試験のフィードバック方法(その他の内容等)

アクティブ・ラーニングの実施内容

ディスカッション、ディベート/プレゼンテーション

アクティブ・ラーニングの実施内容(その他の内容等)

授業におけるICTの活用方法

実施しない

授業におけるICTの活用方法(その他の内容等)

実務経験のある教員による授業

いいえ

【実務経験有の場合】実務経験の内容

【実務経験有の場合】実務経験に関連する授業内容

テキスト・参考文献等

テキスト
・ガルトゥング『ガルトゥング紛争解決学入門:コンフリクト・ワークへの招待』(法律文化社,2014)
・宮野洋一「国際法学と紛争処理の体系」日本国際法学会(編)『紛争の解決(日本と国際法の100 年第9巻)』(三省堂2001)所収
・篠田英朗『紛争解決ってなんだろう』(ちくまプリマー新書2021)

参考文献:
<紛争解決:基本になるもの>
柳原・森川・兼原(編)『プラクティス国際法講義(第3版)』信山社、2001
メリルス、J.G.(長谷川訳)『国際紛争処理概論』成文堂、2002
村瀬・奥脇・古川・田中『現代国際法の指標』特に第3部(国際紛争処理法の展開)
有斐閣、1994
日本国際法学会(編)『紛争の解決(日本と国際法の100 年第9巻)』三省堂2001
チェイズ&チェイズ(宮野洋一監訳)『国際法遵守の管理モデル:新しい主権のあり方』
(中央大学出版部、2018)
松井(編集代表) 『判例国際法(第3版)』東信堂、2019
『国際法判例百選(1版)(2版)』(別冊ジュリスト)有斐閣、2001、2011
戸波・北村ほか(編)『ヨーロッパ人権裁判所の判例 I,II』信山社、2008、2019
杉原・酒井(編)『国際法基本判例50(第2版)』(三省堂、2014)


ガルトゥング(藤田・奥本監訳)『ガルトゥング紛争解決学入門』(法律文化社、2014)
篠田英朗『平和構築学入門―その思想と方法を問い直す』(ちくま新書、2013)
上杉勇司・長谷川晋『紛争解決学入門:理論と実践をつなぐ分析視角と思考法』(大学
教育出版、2016)
吉田勇『紛争解決のあり方を考える-日常世界と法の世界の架橋を求めて』2011
ガルトゥング(京都YWCA ほーぽのぽの会訳)『平和を創る発想術:紛争から和解へ』(岩
波ブックレットNo.603、2003)
ラムズボサムほか(宮本訳)『現代世界の紛争解決学:予防・介入・平和構築の理論と実
践』(明石書店、2009)

廣田尚久『紛争解決学(新版)』(信山社、2002):弁護士実務経験からの洞察体系化の
試み;簡略版『紛争解決学講義』(信山社、2010)もあります。
サスカインド=クルックシャンク(城山英明/松浦正浩訳)『コンセンサス・ビルディン
グ入門:公共政策の交渉と合意形成の進め方』有斐閣、2008
:「勝ち・負け」思考から「問題解決」モードへ
<応用・参考>
小菅信子(編)『原典で読む20 世紀の平和思想』(岩波現代全書、2015)
岩沢雄司『WTO の紛争処理』(三省堂1995)
福永有夏『貿易紛争とWTO:ルールに基づく紛争解決の事例研究』(法律文化社,2022年)
阿部克則・関根豪政(編著)『国際貿易紛争処理の法的課題』(信山社2019)
李禎之『国際裁判の動態』(信山社2007)
多谷千香子『戦争犯罪と法』(岩波書店2006)
井上孝代『あの人と和解する:仲直りの心理学』(集英社新書 2005):心の葛藤も紛争、
トランセンドの応用
篠田英朗『平和構築と法の支配』(創文社、2003)
上杉勇司『変わり行く国連PKO と紛争解決:平和創造と平和構築をつなぐ』(明石書店、
2004)
ダレール、ロメオ(金田耕一訳)『なぜ世界はルワンダを救えなかったのか』(風行社
2012)
石井敦・真田康弘『クジラコンプレックス:捕鯨裁判の勝者はだれか』(東京書籍2015)
川端・武内・落合(編)『紛争解決:アフリカの経験と展望』
ほかの<アフラシア叢書・紛争解決 全3巻> (明石書店、2010)
ミノウ(荒木・駒村訳)『復讐と赦しのあいだ:ジェノサイドと大規模暴力の後で歴史と
向き合う』(信山社、2003)
岩下明裕(編)『国境・誰がこの線を引いたのか』(北海道大学出版会、2006)
岩下明裕『北方領土問題:4でも0でも、2でもなく』(中公新書200

その他特記事項

・国際法の基礎論については「国際法と正義論ゼミ」と「国際法と紛争解決ゼミ」で
合同で行ったり、ビデオをみて議論したりとフレキシブルなゼミ展開をしたい。
希望者(例年ほぼ全員)は通年にわたって両ゼミとも参加可能。
・これまでのゼミの雰囲気や内容を知りたい人は、法学部図書室にある各年版ゼミ論集をみてもらえるといいのですが(各年度版『宮野ゼミ合同論集(国際法W ゼミ)』)

・留学にいくゼミ生も毎年いるので、前期だけ履修して、1年の留学後に後期を履修するといった参加の仕方もあります。

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