シラバス
授業科目名 | 年度 | 学期 | 開講曜日・時限 | 学部・研究科など | 担当教員 | 教員カナ氏名 | 配当年次 | 単位数 |
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専門演習Ⅰ | 2025 | 前期 | 木4 | 総合政策学部 | 李 里花 | リ リカ | 2年次配当 | 2 |
科目ナンバー
PS-IF2-SM01
履修条件・関連科目等
ゼミと並行して「エスニシティとヒューマンライツ」(半期)と「グローバル社会と移民」(半期)を履修しなければならない。(必須)
授業で使用する言語
日本語
授業で使用する言語(その他の言語)
授業の概要
【研究テーマ】
これからのダイバーシティ(多様性)・イークィティ(平等性)とインクルージョン(包括性)を実現するために必要な社会のしくみとは。
このゼミは二つの特徴があります。
一つは、2年次に日本の「外国人」や「外国にもルーツがある」マイノリティに焦点を当てて、DE&I社会の実現をいかに実現できるかを考えることです。しかしそもそも、なぜマイノリティに注目するのでしょうか。それはマイノリティとマジョリティはコインの表と裏だからです。外国ルーツの人や民族的マイノリティが直面する問題に焦点を当てることで、マジョリティ社会のあり方がみえてきます。この授業は、社会を形づくる資本主義社会と国民国家体制はいかにマイノリティとマジョリティという人々をつくるのか、社会の仕組みとそれをめぐる歴史から理解を深めます。
もう一つの特徴は、「内在的理解」を目指すことです。当事者や関係者がどのような現実に直面し、それをどのように感じているのか、「人」の目線を大事にします。そして「人」に焦点をあてながら、その背景にいかなる構造的・歴史的背景があるのか、構造レベルでものごとを理解できることを目指します。また「人」に注目するため、このゼミではフィールドワークや課外活動(ボランティア)での学びを重視します。
最終的に、これらの学びを通して、誰にとっても自由で平等な社会とはどのような社会で、いかなる方法や考え方、しくみが求められるのかを考えていきたいと思います。
科目目的
①「マイノリティ」が生み出される社会の仕組みについて理解できるようになること(社会構造と社会機能)
②日本の中のマイノリティ(2年次は外国人や外国にもルーツが在る人がテーマ)の事例から日本社会の仕組みについての理解を深めること
③多文化共生社会の実現に向けて内在的な視点からものごとを考えることができるようになること
④これからの多文化共生社会やDE&I実現のために、どのような考え方や枠組みが求められるのか、十分な知識と情報をもとに理解・判断できるようになること
⑤社会的問題を探求していく方法を身に着けること
到達目標
日本の「移民」をめぐる事例について理解が深まること
移民問題の背景にある日本の社会構造・社会思想についての理解が深まること
差別や偏見の問題について内在的な視点から理解できること
多文化共生社会の実現に向けて考えを深めていくこと
論理的にレジュメや議論をまとめ、発表できること
授業計画と内容
第1回 イントロダクション
第2回 マイノリティとは誰か?どうして社会の仕組みから零れ落ちるのか?資本主義社会の視点から
第3回 マイノリティとは誰か?どうして社会の仕組みから零れ落ちるのか?国民国家の視点から
第4回 日本の中のマイノリティー誰がマイノリティになるのか?
第5回 歴史からマイノリティ「問題」を考える(1)なぜ外国人は排除の対象となるのか
第6回 歴史からマイノリティ「問題」を考える(2)朝鮮籍から無国籍の問題を考える
第7回 現代のマイノリティ「問題」を考える(1)誰が外国人労働者
第8回 現代のマイノリティ「問題」を考える(2)入管問題
第9回 現代のマイノリティ「問題」を考える(3)ヘイトスピーチ
第10回 現代のマイノリティ「問題」を考える(4)マイクロアグレッション
第11回 現代のマイノリティ「問題」を考える(5)必要なのは日本語能力か母語能力か
第12回 これからの多様性・平等性・包括性社会(1)アライとは(草の根から考える)
第13回 これからの多様性・平等性・包括性社会(2)社会の仕組みから考える
第14回 総論・フィールドワークについて
授業時間外の学修の内容
指定したテキストやレジュメを事前に読み込むこと/授業終了後の課題提出/その他
授業時間外の学修の内容(その他の内容等)
発表やプレゼンの準備
授業時間外の学修に必要な時間数/週
毎週1回の授業が半期(前期または後期)または通年で完結するもの。1週間あたり4時間の学修を基本とします。毎週2回の授業が半期(前期または後期)で完結するもの。1週間あたり8時間の学修を基本とします。
成績評価の方法・基準
種別 | 割合(%) | 評価基準 |
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平常点 | 50 | 事例についての理解が深まっているか 多文化共生社会に向けた考えを深めることができているか |
その他 | 50 | 発表のレジュメが論理的に構成されているか テキストの内容を充分に理解しているか 自分の考えを論理的に説明することができているか |
成績評価の方法・基準(備考)
課題や試験のフィードバック方法
授業時間内で講評・解説の時間を設ける/その他
課題や試験のフィードバック方法(その他の内容等)
授業時間内で終わらなかった場合、メールやmanaba、オンラインや対面など、適宜フィードバックをします。
アクティブ・ラーニングの実施内容
ディスカッション、ディベート/プレゼンテーション/実習、フィールドワーク
アクティブ・ラーニングの実施内容(その他の内容等)
授業におけるICTの活用方法
実施しない
授業におけるICTの活用方法(その他の内容等)
実務経験のある教員による授業
いいえ
【実務経験有の場合】実務経験の内容
【実務経験有の場合】実務経験に関連する授業内容
テキスト・参考文献等
テキスト
李里花『朝鮮籍とは』明石書店、2021年
この他のテキストは配布とする予定ですが、1~2冊追加購入する場合もあります。
その他特記事項
毎年、多文化共生社会を実現するために、自分たちで課題や問題を発見していきたい学生や、それをダイバーシティDiversityとイークィティEquity、インクルージョンIncludsionを実現するための社会づくりに役立てたいと考えている学生が集まります。
こうした中で、ゼミで大切にしているのは、多様性はもちろんですが、いかにEquity とInclusionを実現できるか、自由と平等を実現するためにどのような社会のしくみをつくることができるか、ということを考えることです。いわゆる「マイノリティ」をめぐる問題からこれを考えます。そのためマイノリティに対する関心があり、それを多文化共生やDE&Iにつなげていきたいと思う学生を積極的に受け入れています。
またフィールドワークやボランティア活動をしています。教室以外での活動もありますので、こうした活動に関心をもっている学生を募集します。