シラバス
授業科目名 | 年度 | 学期 | 開講曜日・時限 | 学部・研究科など | 担当教員 | 教員カナ氏名 | 配当年次 | 単位数 |
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都市経営論 | 2025 | 後期 | 金3 | 経済学部 | 青山 彰久 | アオヤマ アキヒサ | 3年次配当 | 2 |
科目ナンバー
EC-PA3-79XX
履修条件・関連科目等
特になし
授業で使用する言語
日本語
授業で使用する言語(その他の言語)
授業の概要
<学位授与方針と当該授業科目の関連>
この科目は、現実把握力(経済学の専門知識及び社会・人文・自然科学の知識教養に裏付けられた広い視野に立った柔軟な知性に基づき、現実の経済現象を的確に把握することができる)の修得に関わる科目です。
<概要>
都市を「経済活動の舞台」としか考えない思考を超えて、「都市とは何か」を歴史的な視点で学び、(1)国土に占める都市の位置、(2)戦前・戦後の二度の大きな都市化、(3)各時代が直面した都市問題、(4)都市を取り巻く2つの潮流――に分けて講義する
科目目的
人間が生きていくことを起点に、幅広い視野で都市を考えることを目的にする。都市を「消費の場所」「金を稼ぐ場所」とみなすだけでは理解できない。都市は、資本や人間だけでなく、人々の個性・感性・才能・情報が集積する場所である。都市の歴史をさかのぼれば、都市は、それらの集積を通じて、各時代の文明を反映する新しい思想・芸術・ビジネスを生み出してきた。重要なのは、都市が「集積と集住の利益」を求めるとともに、環境破壊など「集積と集住の不利益」を最小化し、「人間が人間として安心して暮らし続けていける空間」をつくることである。このような視点にたって都市のありかたを学ぶ
到達目標
この科目を学ぶことによって、主として以下の4点を身につけることを目標とする。
① 都市を取り巻く環境としての現代の政治・経済・社会の動きを十分に知る
(そのために、インターネットの情報だけにとどまらず、日々の新聞をしっかり読む)
② 「人々が人間らしく生きること」を起点にして、都市問題を考える
③ 「歴史の中から考える」というアプローチによって、都市問題を考える
④ 自分の言葉で考えるという思考力と表現力や、さらに知りたい・考えたいという知識欲を高める
授業計画と内容
第Ⅰ部 都市とは何か
1. 都市とは何かを考えること
2. 人口減の国土と都市を考える視点
3. 東京問題
4. ルイス・マンフォードの『都市の文化』を読む
第Ⅱ部 第1次都市化の時代
5. 第1次都市化の時代(大正・昭和戦前期)の都市問題
6. 第1次都市化の都市経営論と都市政策思想――片山潜・後藤新平・関一・ビアード
第Ⅲ部 第2次都市化の時代
7. 第2次都市化の時代(戦後高度成長期)の都市問題
8. 公害の発生――問われた都市自治体の存在意義
9. 都市経営論の攻防――革新自治体の登場、光と影
10. シビル・ミニマム論――松下圭一の問題提起とその思想
11. 神戸型都市経営と阪神大震災――宮崎辰雄の都市経営思想とその結末
第Ⅳ部 次の時代を考える
12. グローバリゼーションと都市経営――グローバル・シティ論
13. 維持可能な都市と環境都市経営――サスティナブル・シティ論
14. 都市と農山漁村――農山漁村が支える都市、都市が支える農山漁村
授業時間外の学修の内容
指定したテキストやレジュメを事前に読み込むこと/授業終了後の課題提出
授業時間外の学修の内容(その他の内容等)
① 事前にmanamaに掲載するレジュメと資料をダウンロードしてよく読んでおくこと
② 講義終了後に、講義で感じたこと・考えたことを、その都度、responを通じて提出すること
③ 新聞を丹念に読む。特に「中央政府の政治・行政」の動向と政策」、「地方自治体の政治・行政」、「医療・福祉・子育て・教育・文化を含めた都市と地域の政策課題」のニュースに着目し、都市や地域の問題を考えるトレーニングをすること
授業時間外の学修に必要な時間数/週
・毎週1回の授業が半期(前期または後期)または通年で完結するもの。1週間あたり4時間の学修を基本とします。
・毎週2回の授業が半期(前期または後期)で完結するもの。1週間あたり8時間の学修を基本とします。
成績評価の方法・基準
種別 | 割合(%) | 評価基準 |
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レポート | 30 | 期末の段階で、14回の講義全体を通じて学んだ知識を整理し、それに基づいて考えたことを、自分の言葉で表現できているか |
平常点 | 70 | 各回の授業に参加し、その都度、講義で学んだこと・考えたことを表現して提出することができているか |
成績評価の方法・基準(備考)
基本的に、平常点を重視する。
毎回の授業終了後、「リアクション・ペーパー」として、responのアンケート機能を利用し、講義を聞いて考えたことなどを書いて提出し、これを評価の70%にする(1回当たりのリアクション・ペーパー提出を5点に換算して計算)。そして、期末レポート(字数7000字以上)の内容を、評価の30%にする。この2つを合計して総合的に判断する。
したがって、平常点が低い(リアクション・ペーパーの提出状況が悪い)とE判定になる可能性が高く、期末レポートの未提出者はF判定になる
課題や試験のフィードバック方法
その他
課題や試験のフィードバック方法(その他の内容等)
授業内容に関すること、授業内で説明する期末レポートの課題など、質問は授業時間内に限らず、メールも利用しながら応答する。
アクティブ・ラーニングの実施内容
実施しない
アクティブ・ラーニングの実施内容(その他の内容等)
授業におけるICTの活用方法
実施しない
授業におけるICTの活用方法(その他の内容等)
実務経験のある教員による授業
はい
【実務経験有の場合】実務経験の内容
1978年から1998年まで信濃毎日新聞社の記者として、1989年から2019年まで読売新聞東京本社の記者として、通算約40年間、地方自治・分権改革・都市問題・農山漁村問題の取材・執筆活動をしてきた。このうち、2007年から2019年までは、読売新聞東京本社の編集委員として、分権改革、都市問題、地域問題をめぐる政治と行政の制度改革問題の専門記者としての活動をしてきた。現在も都市問題と地域問題を専門分野とするフリーのジャーナリストとして活動している
【実務経験有の場合】実務経験に関連する授業内容
講義では、都市史の基礎的な文献の解読だけでなく、これまで新聞記者としての取材活動で得てきた知見、学んできた論点、目撃してきた事実などを交えて、講義で解説する。自ら執筆してきた記事の紙面や、現在の日々の新聞各紙の紙面も、教材にする
テキスト・参考文献等
各回の講義に共通するテキストは使用しない。
各回の講義ごとにレジュメ・関連資料を示し、参考文献は、その都度、授業の中で示す