シラバス
授業科目名 | 年度 | 学期 | 開講曜日・時限 | 学部・研究科など | 担当教員 | 教員カナ氏名 | 配当年次 | 単位数 |
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演習1 | 2025 | 通年 | 火5 | 経済学部 | 岩本 剛 | イワモト ツヨシ | 2年次のみ | 4 |
科目ナンバー
EC-OM2-01XS
履修条件・関連科目等
※選考方法は経済学部事務室が公開する情報をご確認ください。
<履修条件>
授業で使用する言語
日本語
授業で使用する言語(その他の言語)
授業の概要
<学位授与方針と当該授業科目の関連>
この科目は、協調性及び自己管理力(専門知識を活かせるだけでなく、チームワークの経験から学んで、他人と協調し、自己を管理することができる)の修得に関わる科目です。また、創造的思考力(総合的な学習体験に基づいて、ものごとを創造的に思考することができる)の修得に関わる科目です。
テーマ:文学入門
文学作品をただ漠然と読み、何となく感想をもつのとは異なる仕方で、文学作品を批評的に読み、文学作品のうちに多層的に織りこまれた社会・歴史・思想・文化を諸相を解きほぐすための知識と方法を学びます。
三年間にわたるゼミの前半では、ジャンル・長短を問わず様々な文学作品を輪読し、討論を重ねながら、文学作品を批評的に「読む」ための技法を学び、読解力を高めていきます。後半では「読む」ことに加えて、文学作品を批評的に読むことで自分のなかに芽生えた考えを、言葉によって論理的に表現する(論文のかたちで表現する)ための「書く」技法を学びます。
文学作品の言葉と真摯に接する経験のなかで、広義の意味での「読解力」(言葉を通して他者の考えを理解する力/言葉を通して自分の考えを表現する力)を養うことがこの科目の最大のテーマです。
科目目的
この科目は、広義の意味での「読解力」(言葉を通して他者の考えを理解する力/言葉を通して自分の考えを表現する力)を養うことで、学位授与の方針で示す「創造的思考力」(総合的な学習体験に基づいて、ものごとを創造的に思考することができる)の修得を目的としています。
①文学理論の初歩を学びながら、様々な文学作品を批評的に読解する経験を通して、作品成立の背景をなす社会・歴史・思想・文化への知見を深めること、②自分で選んだ作家・作品・テーマについて研究を進めるなかで、自分の考えを言葉によって論理的に表現し、他者に説明できるようになることが、この科目の大きな二つの目的です。
到達目標
・文学理論の初歩を学びながら、文学作品を批評的に読むことの意義を理解し、また、批評的な読みを自分でも実践できるようになること。
・まちがいを恐れず、自分の考えを人前で臆することなく発言し、討論に参加できるようになること。
・PowerPoint等を使い、説得力あるプレゼンができるようになること。
・自分の考えを言葉によって論理的に表現し、他者に説明できるようになること。
・広義の「読解力」(言葉を通して他者の考えを理解する力/言葉を通して自分の考えを表現する力)を養い、学位授与の方針で示す「創造的思考力」(総合的な学習体験に基づいて、ものごとを創造的に思考することができる)を修得すること。
授業計画と内容
【注意】
どの作品を授業で扱うかは、そのつど教員とゼミ生が相談した上で決定します。以下に示すのは、かつての授業内容のサンプルです。
【演習1】(2年次)
<前期>
〇文学理論の初歩:感想から批評へ
第1回 顔合わせと【演習1】前期の授業方針の確認
第2回 江戸川乱歩「屋根裏の散歩者」の輪読と討論
第3回 谷崎潤一郎「秘密」の輪読と討論
第4回 「作品」と「テクスト」
第5回 伊坂幸太郎『オーデュボンの祈り』の輪読と討論
第6回 恩田陸『Q&A』の輪読と討論
第7回 「ストーリー」と「プロット」
第8回 夏目漱石『吾輩は猫である』の輪読と討論
第9回 筒井康隆『ロートレック荘事件』の輪読と討論
第10回 「作者」と「語り手/騙り手」
第11回 グリム童話「ヘンゼルとグレーテル」の輪読と討論
第12回 グリム童話「かえるの王さま または鉄のハインリッヒ」の輪読と討論
第13回 ナラトロジー(物語論)のすすめ
第14回 総括:【演習1】後期に向けての準備作業
<後期>
〇文学批評の実践
第15回 【演習1】後期の授業方針の確認
第16回 【演習1】後期に扱う作品を決定する(プレゼンと投票)
第17回 いとうせいこう『ノーライフキング』についてのプレゼンと討論
第18回 高見弘春『バトル・ロワイアル』についてのプレゼンと討論
第19回 笠井潔『バイバイ・エンジェル』についてのプレゼンと討論
第20回 湊かなえ『豆の上で眠る』についてのプレゼンと討論
第21回 打海文三『ぼくが愛したゴウスト』についてのプレゼンと討論
第22回 シェリー『フランケンシュタイン』についてのプレゼンと討論
第23回 マン『トニオ・クレーガー』についてのプレゼンと討論
第24回 カミュ『異邦人』についてのプレゼンと討論
第25回 シェイクスピア『ヴェニスの商人』についてのプレゼンと討論
第26回 村田沙耶香『殺人出産』についてのプレゼンと討論
第27回 中村文則『掏摸(スリ)』についてのプレゼンと討論
第28回 【演習2】に向けての準備作業
【演習2】(3年次)
<前期>
〇論文の書き方
第1回 【演習2】前期の授業方針の確認
第2回 「感想文」から「論文」へ
第3回 「論文」の文法:問い・答え・論証
第4回 アイディアを練る
第5回 資料・参考文献を収集する
第6回 概要(アブストラクト)をまとめる
第7回 構成(アウトライン)を定める
第8回 引用の仕方
第9回 レポート課題①
第10回 レポート課題①についてのプレゼンと討論
第11回 レポート課題②
第12回 レポート課題②についてのプレゼンと討論
第13回 Word をマスターする
第14回 【演習2】後期に向けての準備作業
<後期>
〇演習論文(卒業論文)作成に向けての下準備
第15回 【演習2】後期の授業方針の確認
第16回 演習論文(卒業論文)で扱う予定の作品の紹介と解説(プレゼン)
第17回 第16回授業のプレゼンについての討論と意見交換(前半)
第18回 第16回授業のプレゼンについての討論と意見交換(後半)
第19回 作品解釈の方向性について(プレゼン)
第20回 第19回授業のプレゼンについての討論と意見交換(前半)
第21回 第19回授業のプレゼンについての討論と意見交換(後半)
第22回 論文の概要について(プレゼン)
第23回 第22回授業のプレゼンについての討論と意見交換(前半)
第24回 第22回授業のプレゼンについての討論と意見交換(後半)
第25回 論文の構成について(プレゼン)
第26回 第25回授業のプレゼンについての討論と意見交換(前半)
第27回 第25回授業のプレゼンについての討論と意見交換(後半)
第28回 【演習3】に向けての準備作業
【演習3】(4年次)
<後期>
〇演習論文(卒業論文)の完成
第1回 【演習3】の授業方針の確認
第2回 論文執筆状況の報告
第3回 論文の一部分の草稿のプレゼン(1)
第4回 第3回授業のプレゼンについての討論と意見交換(前半)
第5回 第3回授業のプレゼンについての討論と意見交換(後半)
第6回 論文の一部分の草稿のプレゼン(2)
第7回 第6回授業のプレゼンについての討論と意見交換(前半)
第8回 第6回授業のプレゼンについての討論と意見交換(後半)
第9回 論文全体の草稿のプレゼン(1)
第10回 第9回授業のプレゼンについての討論と意見交換
第11回 論文全体の草稿のプレゼン(2)
第12回 第11回授業のプレゼンについての討論と意見交換
第13回 完成原稿提出前の最終確認
第14回 完成原稿の提出
(通常授業のほかに、学生からの要望に応じて、面接ないしメールによる論文作成指導を行います。)
授業時間外の学修の内容
指定したテキストやレジュメを事前に読み込むこと
授業時間外の学修の内容(その他の内容等)
・授業で扱う作品を事前にしっかり読んでください。また、授業時のプレゼン・討論に備え、作品を読んだ際の自分なりの感想・疑問・解釈etcをメモしておいてください。
・授業中に紹介された作品・参考文献・映画etcをできるかぎりチェックしましょう。
授業時間外の学修に必要な時間数/週
・毎週1回の授業が半期(前期または後期)または通年で完結するもの。1週間あたり4時間の学修を基本とします。
・毎週2回の授業が半期(前期または後期)で完結するもの。1週間あたり8時間の学修を基本とします。
成績評価の方法・基準
種別 | 割合(%) | 評価基準 |
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平常点 | 100 | ・文学理論の初歩を学び、文学作品を批評的に読めるようになったか ・積極的に討論に参加できるようになったか ・読解力を高め、他者の考えを理解できるようになったか ・自分の考えを言葉で表現し、他者に説明できるようになったか 以上の点を総合的に評価します。 |
成績評価の方法・基準(備考)
【演習1】
・文学作品を批評的に読むことの意義を理解できるようになったか(50%)
・討論に積極的に参加し、自分の考えを人前ではっきり述べることができるようになったか(50%)
【演習2】
・自分なりの基準に基づいて、作品の良し悪しを批評的に評価できるようになったか(50%)
・自分の考えを言葉(口頭/文章)で表現し、他者に説明できるようになったか(50%)
【演習3】
・演習論文を完成できたか(100%)
課題や試験のフィードバック方法
授業時間に限らず、manabaでフィードバックを行う
課題や試験のフィードバック方法(その他の内容等)
アクティブ・ラーニングの実施内容
PBL(課題解決型学習)/ディスカッション、ディベート/グループワーク/プレゼンテーション
アクティブ・ラーニングの実施内容(その他の内容等)
授業におけるICTの活用方法
実施しない
授業におけるICTの活用方法(その他の内容等)
実務経験のある教員による授業
いいえ
【実務経験有の場合】実務経験の内容
【実務経験有の場合】実務経験に関連する授業内容
テキスト・参考文献等
【授業で使用するテキスト】
・教員と学生が相談した上で決定します。
【自学用の参考文献】
・西村克彦『わかったつもり:読解力がつかない本当の原因』光文社新書(2005年)
・北村紗衣『批評の教室:チョウのように読み、ハチのように書く』ちくま新書(2021年)
・橋本陽介『ナラトロジー入門:プロップからジュネットまでの物語論』水声文庫(2014年)
・石井光太『ルポ:誰が国語力を殺すのか』文藝春秋(2022年)