シラバス
授業科目名 | 年度 | 学期 | 開講曜日・時限 | 学部・研究科など | 担当教員 | 教員カナ氏名 | 配当年次 | 単位数 |
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演習1 | 2025 | 通年 | 金5 | 経済学部 | 山縣 宏寿 | ヤマガタ ヒロヒサ | 2年次のみ | 4 |
科目ナンバー
EC-OM2-01XS
履修条件・関連科目等
※選考方法は経済学部事務室が公開する情報をご確認ください。
<履修条件>
(1)もちろん、山縣ゼミでも、勉学に懸命に取り組みことが必要になります。
(2)それに加え、山縣ゼミは、ゼミ生同士の仲間意識、ゼミ生同士また教員との信頼関係を大切にします。(従って、私は勉学以外、興味がなく、ゼミのメンバーに対して無関心であり、交流をする気はない、という方は、山縣ゼミには明らかに不向きです。)
(3)ゼミ合宿(2泊3日程度)を予定しており、ゼミ合宿に参加できること
(4)4年次に卒業論文を執筆すること
※「社会政策」の講義を履修してください。
大学は、勉学に励むと共に、仲間との交流を通じて知見を広げ、そして深め、さらには活動の場を学外にまで広げることのできる、人生を通じて非常に贅沢で限られた貴重な場です。そのような意味で、大学生活を楽しもうとする学生を広く歓迎します。
授業で使用する言語
日本語
授業で使用する言語(その他の言語)
授業の概要
<学位授与方針と当該授業科目の関連>
この科目は、協調性及び自己管理力(専門知識を活かせるだけでなく、チームワークの経験から学んで、他人と協調し、自己を管理することができる)の修得に関わる科目です。また、創造的思考力(総合的な学習体験に基づいて、ものごとを創造的に思考することができる)の修得に関わる科目です。
テーマ:「働き方」・「働かせ方」を個人、組織、社会レベルで考える
「働く」ということは、社会の中で様々な意味を持っています。個人レベルで見れば、私たちは「働く」という行為を通じて、社会の中で生み出された富の一部を賃金として獲得し、生活をしていく上で必要なお金を得ることになります。しかし、「働く」ということは、ただ単に労働力と賃金の交換関係に留まりません。「働く」ということは、個人の能力蓄積と能力の発揮の機会であり、社会を通じて社会に貢献する、あるいは個人と社会との関係をつなぎとめる行為でもあります。それと同時に例えば仕事と生活のバランスの問題も大切になってきます。
あるいは、組織レベルで見れば、会社は利益を出すことがもちろん必要ですが、そこで働く人がアンハッピーに働き、みんなが絶望に打ちひしがれながら働いて企業だけが成長するというのも、よろしくありません。その逆に、みんなが好き勝手、やりたい放題で、企業が倒産するというのも、これはこれで問題です。
さらには、社会全体で見れば、労働力をどのように確保し、育て、活用していくか、ということも問題になります。例えば、言うまでもなく、働けば人は疲れます。そしてあまりにも過度に疲れると、再起不能となって労働力を失ってしまいます。そのようなことが生じないように、使った労働力をもとに戻し、安定的に社会の中で労働力が再生産されていくことが社会的に必要になります。
「働く」ということには、様々な取り上げるべき問題が存在します。山縣ゼミは、そうした「働く」ということについて検討を行い、今日、求められる、必要とされる「働き方」・「働かせ方」はどのようなものであるのか、みんなで一緒に考えます。
科目目的
今日の日本社会は、「働く」ことについて、多くの様々な問題(例えば、低賃金、ワーキング・プア、長時間労働、過労死など)を抱えています。こうした「働く」ことに関する問題は、経済学の問題に終始するものではなく、例えば企業経営(人事労務管理、労使関係)、法律(労働法、ワーキング・ルール)、政策(社会政策、労働政策)など、多岐にわたります。
本ゼミナールは、経済学を検討の主軸の一つとしつつも、他の分野にも目配りを行い、分野横断的に専門知識や、研究史上の知見について学修、ディスカッション等を行います。
また、「働く」ということは極めて現実的な問題であり、大学の教室の中で完結するものではありません。理論と現実の往復運動を重視し、山縣ゼミでは、企業の人事の方をお呼びして話を伺ったり、フィールドワークなども実施していきます。
それらを通じて、(1)社会の中に存在する問題を明確な問題意識の下で見つけ、自身で課題設定を行い、専門知識、研究史上の知見を交えながら検討を行い、自らの言葉で表現すること、(2)そして他者とのディスカッションを通じて、自らの知見をさらに広げ、深め、磨いていくことができる能力を身につけることを科目目的とします。
到達目標
到達目標は次の通りです。
1.社会の中に存在する問題を明確な問題意識のもとで見つける。
2.問題に対して自身で課題設定を行い、専門知識、研究史上の知見を交えつつ、フィールドワーク・分析を行い、それらを通じて自らの言葉で表現する。
3.得られた自らの知見を、他者と論理的にディスカッションを行うことを通じて、自身の知見を広げ、深め、さらにバージョン・アップする。
4.それらの内容を卒業論文としてまとめる。
授業計画と内容
※ ゼミのスケジュールは、ゼミの皆さんと相談の上で、変更される可能性があります。
【演習1】(2年次)
<前期> グループ・ワークを体験・体感してみる。
第1回 自己紹介、イントロダクション、アイスブレイク
第2回 グループ分けとグループ・ワークの進め方の確認
第3回 各グループでテーマ決定、役職決め、学修上利用するオンライン・システムの説明
第4回 インターネットを利用した情報収集の説明、注意事項の確認
第5回 論文・文献の読み方、整理方法の説明
第6回 文献調査の説明、「研究」の概要について説明
第7回 文献調査の実施、各グループでの整理・ディスカッション
第8回 Excel 講習(経済データ分析のための関数およびデーターベース) ※⽇程が変更される可能性あり
第9回 Excel 講習(経済データ分析➀ 単回帰) ※⽇程が変更される可能性あり
第10回 Excel 講習(経済データ分析➁ 重回帰) ※⽇程が変更される可能性あり
第11回 各グループの中間報告で指摘などされた諸点の整理、今後の方向性について確認
第12回 グループ・ワークでの追加調査等の実施、整理、グループ・ディスカッション
第13回 グループ・ワークの研究成果の文章化、グループごとでの共有
第14回 最終報告会に向けたパワーポイントの作成
<夏休み期間中>
ゼミ合宿の実施(グループ研究の最終報告会、2泊3日、全員参加)
<後期> 「働く」ことに関する専門知識を増やし、ディスカッション・スキルを磨く
第15回 テキスト・論文の報告、ディスカッション1 (雇用形態の多様化)
第16回 テキスト・論文の報告、ディスカッション2 (間接雇用)
第17回 テキスト・論文の報告、ディスカッション3 (外国人雇用)
第18回 テキスト・論文の報告、ディスカッション4 (労働時間管理)
第19回 テキスト・論文の報告、ディスカッション5 (名ばかり管理職)
第20回 テキスト・論文の報告、ディスカッション6 (賃金管理)
第21回 テキスト・論文の報告、ディスカッション7 (キャリア形成と能力開発)
第22回 テキスト・論文の報告、ディスカッション8 (ジェンダー)
第23回 テキスト・論文の報告、ディスカッション9 (労使関係)
第24回 テキスト・論文の報告、ディスカッション10(雇用類似)
第25回 テキスト・論文の報告、ディスカッション11(公務労働)
第26回 テキスト・論文の報告、ディスカッション12 (最低賃金)
第27回 テキスト・論文の報告、ディスカッション13 (若年労働)
第28回 後期のにおける学習内容の総括・振り返り
【演習2】(3年次)
<前期>:グループ・ワークの強化、研究の発展
第1回 グループ分け、グループごとで研究テーマの決定
第2回 フィールド・ワークの説明、インタビュー調査先の検討・選定
第3回 論文・文献調査の実施
第4回 論文・文献調査結果の共有、グループ・ディスカッション
第5回 統計資料の入手、分析
第6回 中間報告準備
第7回 グループ・ワーク中間報告(1)(全体の1/2について実施)
第8回 グループ・ワーク中間報告(2)(前回、中間報告をしなったグループが実施)
第9回 グループ・ワーク中間報告会での各種の指摘の検討、今後の方向性について協議
第10回 中間報告の修正、加筆、調査・分析の実施
第11回 グループ研究の文章化
第12回 グループワーク最終報告会用パワーポイントの作成(1)
第13回 グループワーク最終報告会用パワーポイントの作成(2)
第14回 グループワーク最終報告会リハーサル
<夏休み期間中>
ゼミ合宿の実施(グループ研究の最終報告会、2泊3日、全員参加)
後期 卒業論文執筆準備・卒業論文執筆
第15回 夏休みゼミ合宿の振り返り
第16回 卒業論文の執筆テーマドラフトの発表(1)(全体の1/2について実施)
第17回 卒業論文の執筆テーマドラフトの発表(2)(前回、中間報告をしなったゼミ生が発表)
第18回 研究方法に関する説明
第19回 卒業論文の構成、形式、引用方法、留意事項について説明
第20回 先行研究の性格、先行研究の整理方法について説明
第21回 統計資料の入手、分析方法について説明
第22回 卒業論文に関するプレゼンテーション準備
第23回 卒業論文に関するプレゼンテーション報告(1)(全体の1/2について実施)
第24回 卒業論文に関するプレゼンテーション報告(2)(前回、中間報告をしなったゼミ生が報告)
第25回 卒業論文執筆(1)課題設定・背景の執筆
第26回 卒業論文執筆(2)論文構成の作成・決定
第27回 卒業論文執筆(3)先行研究調査
第28回 卒業論文執筆(4)先行研究の整理、執筆
【演習3】(4年次) 就職活動の進捗状況の確認、及び卒業論文の執筆、個別指導
<前期>月1回程度、就職活動と卒業論文執筆の進捗状況について確認
<夏休み期間中>
卒業論文の執筆状況・研究成果の中間報告
(2泊3日、全員参加)
<後期>
第1回 卒業論文の執筆、個別論文執筆指導(1)(全体を4グループに分ける)
第2回 卒業論文の執筆、個別論文執筆指導(2)
第3回 卒業論文の執筆、個別論文執筆指導(3)
第4回 卒業論文の執筆、個別論文執筆指導(4)
第5回 卒業論文の執筆、追加の(2回目の)個別論文執筆指導(1)
第6回 卒業論文の執筆、追加の(2回目の)個別論文執筆指導(2)
第7回 卒業論文の執筆、追加の(2回目の)個別論文執筆指導(3)
第8回 卒業論文の執筆、追加の(2回目の)個別論文執筆指導(4)
第9回 卒業論文の執筆、卒業論文研究成果発表会用パワーポイントの作成(1)
第10回 卒業論文の執筆、卒業論文研究成果発表会用パワーポイントの作成(2)
第11回 卒業論文の執筆、卒業論文研究成果発表会用パワーポイントの作成(3)
第12回 卒業論文の執筆、卒業論文研究成果発表会用パワーポイントの作成(4)
第13回 卒業論文研究成果発表会(1)(全体の1/2について実施)
第14回 卒業論文研究成果発表会(1)(前回、発表しなったゼミ生が報告)
授業時間外の学修の内容
指定したテキストやレジュメを事前に読み込むこと/授業終了後の課題提出/その他
授業時間外の学修の内容(その他の内容等)
〇各種の中間報告会、最終報告会に向け、プレゼンテーション資料を作成する。
〇卒業論文を執筆する年次のゼミ生は、卒業論文を執筆する。
授業時間外の学修に必要な時間数/週
・毎週1回の授業が半期(前期または後期)または通年で完結するもの。1週間あたり4時間の学修を基本とします。
・毎週2回の授業が半期(前期または後期)で完結するもの。1週間あたり8時間の学修を基本とします。
成績評価の方法・基準
種別 | 割合(%) | 評価基準 |
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レポート | 40 | 課題、レジュメ、卒業論文の提出とその内容について評価を行います |
平常点 | 60 | 授業での発言や積極的な参加・行動など、ゼミ活動に対する貢献によって評価を行います。 |
成績評価の方法・基準(備考)
グループ・ワークをはじめ、ゼミは基本的にアクティブラーニングを中心とした学修の場になります。そのため、毎回のゼミへの参加を前提とし、少なくとも70%以上の出席率が求められます。
それを踏まえた上で、
・課題、レジュメ、卒業論文の提出状況とその内容についての評価(40%)
・授業での発言や積極的な参加・行動など、ゼミ活動に対する貢献
(ゼミ合宿、授業外の自主学習等を含む) (60%)で評価を行います。
課題や試験のフィードバック方法
授業時間内で講評・解説の時間を設ける/その他
課題や試験のフィードバック方法(その他の内容等)
各種の報告会の報告内容について、フィードバックを行います。またゼミ生が作成したレジュメ、レポート、パワーポイントについて、適宜、指導を行います。
アクティブ・ラーニングの実施内容
PBL(課題解決型学習)/反転授業(教室の中で行う授業学習と課題などの授業外学習を入れ替えた学習形式)/ディスカッション、ディベート/グループワーク/プレゼンテーション/実習、フィールドワーク/その他
アクティブ・ラーニングの実施内容(その他の内容等)
企業の人事担当責任者、各分野で精力的に活躍されている弁護士、組合関係者、自治体関係者を招聘し、インタビューの他、ディスカッションを行います。
授業におけるICTの活用方法
その他
授業におけるICTの活用方法(その他の内容等)
オンライン・ミーティング、クラウド上のファイルの共有、ゼミ生との同時オンラインファイル編集など
実務経験のある教員による授業
いいえ
【実務経験有の場合】実務経験の内容
【実務経験有の場合】実務経験に関連する授業内容
テキスト・参考文献等
テキストは、ゼミ開始後、ゼミ生と話し合いながら決定する他、必要な資料、レジュメを配布します。
例えば、以下の書籍がテキストの候補になります。
駒川智子・金井郁編(2024)『キャリアに活かす雇用関係論』、世界思想社
櫻井純理編(2021)『どうする日本の労働政策』、ミネルヴァ書房