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シラバスデータベース|2025年度版

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ホーム > 講義詳細:特殊講義Ⅰ(環境リスク・ガバナンス論)

シラバス

授業科目名 年度 学期 開講曜日・時限 学部・研究科など 担当教員 教員カナ氏名 配当年次 単位数
特殊講義Ⅰ(環境リスク・ガバナンス論) 2025 前期 火1 総合政策研究科博士課程前期課程 青柳 みどり アオヤギ ミドリ 1年次配当 2

科目ナンバー

PG-IF5-605L

履修条件・関連科目等

履修条件は特に定めない。環境問題が日本社会・国際社会でどのように議論され、解決にむけてどのような政策が立案され実行されてきたのかについて理解をもとめる学生の履修を望む。

授業で使用する言語

日本語

授業で使用する言語(その他の言語)

授業の概要

講義内で内容と課題について議論をし,その内容を踏まえたレポートの提出をもとめる。
1)現在の環境と社会のあり方について歴史的経緯を踏まえての概説をし、本講義の環境問題の現状について考える方向性を示す。特に最近、リスク・ガバナンス論として議論されている内容を中心に進める。
2)人々の健康に甚大な被害をもたらした公害問題にかかる問題とその社会的背景について考察し、公害問題をめぐる社会のガバナンスについて中心的に議論をする.
3)自然環境保全にかかる分野と社会のガバナンスについて中心的に議論をする.
4)国際的に対応が急がれている気候変動問題を中心に地球環境問題にかかる分野と社会のガバナンスについて中心的に議論をする.特にマスメディアの関与と影響、技術トランジションに関する議論、企業と消費者の役割など、環境と社会を構成する様々な主体の位置づけと役割について議論する。先進国と途上国の関係、先進国としての日本の役割についても触れる。

科目目的

環境政策は非常にめまぐるしく変化している。特に気候変動を中心とし国際的な環境問題に関する政策は,国内外の社会経済の動きにも大きく影響され,特に変化が大きい。多くの利害関係者の参加が必要な大きな社会課題については、従来の環境リスク・マネジメントの手法では対応できない。そのため、大きなフレームワークでのリスク・ガバナンスでの考え方が提案されてきた。本課題においては、このリスク・ガバナンスのあり方について、議論する。

到達目標

日本および世界の環境問題の現状について歴史的経緯を把握した上で理解し,その課題解決にあたって多くの利害関係者の参加について、どのような枠組みで実施していくことが妥当であるかについて自分の言葉で説明できることを本講義の到達目標とする。そのために、
1. 環境政策の歴史的経緯について理解し、
2. さらに環境政策と科学の役割(科学を基にした政策)に関する議論の重要性を認識し、
3. その議論に基づいたガバナンスのあり方について批判的思考をもって議論する。

授業計画と内容

第1回 現在の環境と社会のあり方について(概況1) 現状の環境と社会に関する状況について
 明治時代以降,昭和前半の公害の時代についての環境政策史を概観する。
第2回 現在の環境と社会のあり方について(概況2) 現状の環境と社会に関する状況について
 公害の時代以降の自然保護、快適環境の時代など環境政策の幅の広がった環境政策史を概観する。
第3回 現在の環境と社会のあり方について(概況3) 現状の環境と社会に関する状況について
 地球環境問題を中心とした環境政策史を概観する。
第4回 現在の環境と社会のあり方について(概況4) 現状の環境と社会に関する状況について
 環境問題をめぐる政府・公害原因者・一般市民等々様々な利害関係者をめぐる関係性についてガバナンスの観点から議論する。
第5回 公害問題の時代のリスクとそのガバナンス1) 明治〜昭和の公害問題について当時の日本の工業政策などを絡めて議論する。
第6回 公害問題の時代のリスクとそのガバナンス2) 昭和の四大公害問題について当時の日本の工業政策などを絡めてガバナンスの観点から議論する。
第7回 化学物質問題をめぐるリスク・ガバナンス1) 化学物質問題は環境政策だけでなく、食品安全問題など生活の様々な側面において問題となる。化学物質管理・食品安全など人々の健康にまつわるガバナンスのあり方について論じる。
第8回 化学物質問題をめぐるリスク・ガバナンス2) 食品安全、化学物質等の問題は、リスク管理といわれる共通するフレームワークで議論されてきた。このリスク管理のあり方について議論する。
第9回 化学物質問題をめぐるリスク・ガバナンス3) 環境問題の問題が複雑化するにつれ、既に確立したリスク管理の手法では手におえない問題が顕在化し、それに対応したフレームワークとしてリスク・ガバナンスが提唱された。このフレームワークについて議論する。
第10回 地球環境問題の展開 温暖化問題がクローズアップされ、その国際的な対応にあたって、新たな国際的な仕組みが設立された。オゾン層問題、気候変動問題等を取り上げ、その経緯と変遷について論じる。
第11回 気候変動問題をめぐる国際的な動向 パリ協定以降,大きく気候変動問題のあり方が変化した。パリ協定以降の気候変動問題について論じる。
第12回 気候変動影響と他の問題との相互関連 生物多様性と気候変動問題、循環型社会構築等の関連について議論し、社会の公正な転換の条件について議論する
第13回 気候変動影響における政策と科学 IPCCをはじめとする様々な機関が設置され政策を支えている。このあり方について議論する。政治を支える科学の重要性が認識され、制度化されたのも環境政策のガバナンスの特徴である。これについて論じる。
第14回 総括 現代の環境問題におけるガバナンスのあり方と方向について議論する。特にマスメディアの関与と影響、技術トランジションに関する議論、企業と消費者の役割など、環境と社会を構成する様々な主体の位置づけと役割について議論する。先進国と途上国の関係、先進国としての日本の役割についても触れる。

授業時間外の学修の内容

授業終了後の課題提出/その他

授業時間外の学修の内容(その他の内容等)

●講義1〜9回目の後、第10〜14回の後,合計2回の小レポートの提出を求める。それぞれの講義の内容を受講者自身がとりまとめる内容のものとする。
●また、毎回の講義の下準備として、授業時間外の学修としてメディア報道を把握することを求めたい(必須ではない)。環境問題は現代社会にあって、頻繁にマスメディアに取り上げられる。そして、そのような問題はリスクをどのように取り扱うかについての示唆に富むことが多い。講義においても、期間中のメディア報道などを適宜取り上げる予定である。受講者も日頃のメディア報道について読んでおくことを望む。特に、図書館などで複数のメディアの報道を読み比べることにより、様々な角度からの意見を読み比べることを求める。

授業時間外の学修に必要な時間数/週

成績評価の方法・基準

種別 割合(%) 評価基準
期末試験(到達度確認) 60 レポート提出を求める。第1回から14回の講義をもとに、現在社会において大きな問題と受講者が考える問題を取り上げて、その意義、経緯を踏まえた現状について述べ、将来の解決方向について議論するもの。記述の論理の一貫性、事実の把握のレベルなどから評価する。
レポート 30 講義1〜9回目の後に実施する。
平常点 10 毎回の授業において、発言、質問などを奨励する。事前学習や授業からの収穫をよく表現できている学生は加点をする。加点の最大点が10点となる

成績評価の方法・基準(備考)

1/3以上の欠席がある学生や、小レポート未提出(あるいは未提出扱い)の学生には、単位取得の資格が与えられない。

課題や試験のフィードバック方法

授業時間内で講評・解説の時間を設ける

課題や試験のフィードバック方法(その他の内容等)

アクティブ・ラーニングの実施内容

実施しない

アクティブ・ラーニングの実施内容(その他の内容等)

授業におけるICTの活用方法

実施しない

授業におけるICTの活用方法(その他の内容等)

実務経験のある教員による授業

いいえ

【実務経験有の場合】実務経験の内容

【実務経験有の場合】実務経験に関連する授業内容

テキスト・参考文献等

ウルリヒ ベック (著)、東 廉 (翻訳), 伊藤 美登里 (翻訳)「危険社会: 新しい近代への道 (叢書・ウニベルシタス 609) 1998,法政大学出版局
各年度版環境白書、循環白書等関連白書、新聞記事(適宜提示)

その他特記事項

参考URL

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