シラバス
授業科目名 | 年度 | 学期 | 開講曜日・時限 | 学部・研究科など | 担当教員 | 教員カナ氏名 | 配当年次 | 単位数 |
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流体力学Ⅱ | 2025 | 前期 | 金5 | 理工学部 | 石井 慶子 | イシイ ケイコ | 3年次配当 | 2 |
科目ナンバー
SE-FT3-4C16
履修条件・関連科目等
流体流れの数学モデルは微分方程式で表現される。授業の中でも1変数関数や多変数関数の微分、積分、簡単な常微分方程式の解法が登場する。したがって、関数の微積分に関する知識をよく復習しておくことが必要である。特に、関数のテイラー展開は頻繁に用いるので、理解を深めておいてほしい。本講義は「流体力学1」の続編である。「流体力学1」の単位修得の有無は問わないが、「流体力学1」を聴講していることを前提とする。
授業で使用する言語
日本語
授業で使用する言語(その他の言語)
授業の概要
本講義では、流体の粘性を考慮した流れの理論を学び、流れの中の物体(たとえば航空機や自動車、高層建築物など)に抗力が働く仕組みを考える。
科目目的
粘性を持つ流れの理論を学び,理論を通して粘性によって生じる流体流れのさまざまな現象を理解するとともに,学んだ理論を使っていろいろな流れ現象について解析ができるようになることを目的とする.
到達目標
完全流体の力学を理解し、流れのポテンシャルや循環流の基礎理論を説明できる。
揚力と抗力の発生メカニズムを理解し、翼型周りの流れ場解析に基づいた流体力学的設計ができる。
境界層理論を理解し、境界層厚さ、境界層剥離のメカニズムを解析・説明できる。
カルマン渦や渦の形成条件を理解し、実際の工学問題(振動、抗力)への影響を評価できる。
乱流理論の基礎を理解し、エネルギーカスケードやコルモゴロフの理論を用いて乱流のスケールを解析できる。
相似則と無次元数(レイノルズ数、ストローハル数など)を活用して、実験スケールと現実スケールの対応を説明できる。
学んだ流体力学の理論を航空宇宙工学、エネルギー産業、環境流体工学などの分野での実際の応用事例に結び付けて考察できる。
授業計画と内容
第1回: 完全流体の力学(1)
完全流体の仮定と適用範囲
流れのポテンシャル、渦なし流れの基本概念
第2回: 完全流体の力学(2)
ラプラス方程式とその流れ場解析
平面流れの代表例(二次元渦、流線の可視化)
第3回: 揚力と抗力(1)
揚力と抗力の定義、物理的起源
翼型の形状と圧力分布の関係
第4回: 揚力と抗力(2)
クッタ・ジュコフスキーの定理
翼型周りの循環流と揚力の関係
第5回: 境界層(1)
境界層の形成メカニズム、速度分布の特徴
層流境界層と乱流境界層の違い
第6回: 境界層(2)
境界層厚さの定義と計算
境界層剥離とその影響
第7回: カルマン渦
カルマン渦の形成条件
渦列の特徴、ストローハル数の概念
第8回: 渦の応用と実例
カルマン渦による振動現象の実例(橋梁、煙突など)
渦のエネルギー散逸と実用例
第9回: 乱流の基礎理論(1)
乱流の定義と特徴(時間的・空間的スケールの分離)
レイノルズ平均ナビエ–ストークス方程式(RANS)の導入
第10回: 乱流の基礎理論(2)
エネルギーカスケード理論
コルモゴロフの理論と乱流スケール
第11回: 乱流の応用
工学における乱流モデル(k-εモデル、LESなど)の概要
乱流による抗力増加とその制御方法
第12回: 相似則と無次元数(1)
無次元数(レイノルズ数、フローデ数)の物理的意味
相似則の基礎とスケールモデルの実験設計
第13回: 相似則と無次元数(2)
翼周りの流れ場解析における相似則の応用
レイノルズ数と乱流遷移の関連
第14回: 全体の統括と応用事例
授業時間外の学修の内容
指定したテキストやレジュメを事前に読み込むこと/授業終了後の課題提出
授業時間外の学修の内容(その他の内容等)
授業後レポート課題(演習問題)を出すので、課題を遂行しながら授業内容の復習をすること。
授業時間外の学修に必要な時間数/週
・毎週1回の授業が半期(前期または後期)または通年で完結するもの。1週間あたり4時間の学修を基本とします。
・毎週2回の授業が半期(前期または後期)で完結するもの。1週間あたり8時間の学修を基本とします。
成績評価の方法・基準
種別 | 割合(%) | 評価基準 |
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期末試験(到達度確認) | 50 | 授業や課題に即した内容のテストを実施する. |
レポート | 50 | 毎週出題する課題に回答する. |
成績評価の方法・基準(備考)
期末テストの評価を50%、レポートを50%考慮して総合評価を付ける。その総合評価に基づいて到達目標の到達度を判定し、60%以上の到達度をもって合格とする。
課題や試験のフィードバック方法
授業時間に限らず、manabaでフィードバックを行う
課題や試験のフィードバック方法(その他の内容等)
アクティブ・ラーニングの実施内容
実施しない
アクティブ・ラーニングの実施内容(その他の内容等)
授業におけるICTの活用方法
実施しない
授業におけるICTの活用方法(その他の内容等)
実務経験のある教員による授業
いいえ
【実務経験有の場合】実務経験の内容
【実務経験有の場合】実務経験に関連する授業内容
テキスト・参考文献等
配布課題,板書をもとに授業を行う.