シラバス
授業科目名 | 年度 | 学期 | 開講曜日・時限 | 学部・研究科など | 担当教員 | 教員カナ氏名 | 配当年次 | 単位数 |
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統計学 | 2025 | 前期複数 | 月2,木4 | 経済学部 | 高橋 将宜 | タカハシ マサヨシ | 1年次配当 | 4 |
科目ナンバー
EC-EE1-05XX
履修条件・関連科目等
本授業は,統計学の理論を扱うため,コンピュータを用いたデータの解析演習については,他の授業に譲ることとする.したがって,発展科目として,経済統計,計量経済,応用統計,データ分析演習の受講を強く勧める.
授業で使用する言語
日本語
授業で使用する言語(その他の言語)
授業の概要
<学位授与方針と当該授業科目の関連>:この科目は,現実把握力の修得に関わる科目である.ここで,現実把握力とは,経済学の専門知識及び社会・人文・自然科学の知識教養に裏付けられた広い視野に立った柔軟な知性に基づき,現実の経済現象を的確に把握することである.
<概要>:さまざまな経済・社会現象の分析に必要な統計学(データ解析方法)に関する基礎的知識を修得する.
科目目的
2012年には「データサイエンティストは21世紀の最も魅力的な職業」と言われ,2013年には「統計学が最強の学問である」と言われた.本科目は,このように統計的な思考能力が必要不可欠となった現代社会において,経済学部生に統計学の基礎力を身につけてもらうことを目的としている.そのために,本科目は,講義と問題演習の二部構成としている.講義では,基本的な用語や考え方を解説する.その後,問題演習では,日本統計学会が「大学基礎科目としての統計学の知識と問題解決能力」として認定している統計検定2級の過去問の演習を行う.なお,本授業で必要な数学力は高校数学I・A・II・Bの範囲のもので十分であり,微分積分学や線形代数学を修得していることは前提としない.
到達目標
データの記述と要約,確率と確率分布,統計的推定,統計的仮説検定,線形モデルの理解を目標とし,日本統計学会が公式認定している統計検定2級レベルの「大学基礎科目としての統計学の知識と問題解決能力」の修得を目標とする.(統計検定2級の受験は,必ずしも義務付けないが,推奨事項とする).
授業計画と内容
次のような授業計画を基本パターンとして,実際の授業は,受講生の習熟度を考慮しながら進める.
[1] シラバスの確認等,数学力の確認テストと解説,統計学を学ぶ意義
[2] 1変数の記述統計(横断データ):講義(教科書pp.1-25)
[3] 1変数の記述統計(時系列データ):講義(教科書pp.39-49)
[4] 1変数の記述統計:問題演習(問題集pp.24-41)
[5] 2変数の記述統計:講義(教科書pp.26-39)
[6] 2変数の記述統計:問題演習(問題集pp.42-51)
[7] データ収集:講義(教科書pp.97-105)
[8] データ収集:問題演習(問題集pp.52-57)
[9] 中間試験1(出題範囲:1変数の記述統計,2変数の記述統計,データ収集),解説
[10] 確率:講義(教科書pp.53-64)
[11] 確率:問題演習(問題集pp.58-65)
[12] 確率分布:講義(教科書pp.64-86)
[13] 確率分布:問題演習(問題集pp.66-77)
[14] 標本分布:講義(教科書pp.86-94)
[15] 標本分布:問題演習(問題集pp.78-93)
[16] 推定:講義(教科書pp.105-128)
[17] 推定:問題演習(問題集pp.94-105)
[18] 中間試験2(出題範囲:確率,確率分布,標本分布,推定),解説
[19] 検定:講義(教科書pp.133-157)
[20] 検定:問題演習(問題集pp.106-125)
[21] カイ二乗検定:講義(教科書pp.197-208)
[22] カイ二乗検定:問題演習(問題集pp126-141)
[23] 線形モデル(回帰分析):講義(教科書pp.32-37, 161-184)
[24] 線形モデル(回帰分析):問題演習(問題集pp.142-159)
[25] 線形モデル(分散分析):講義(教科書pp.185-193)
[26] 線形モデル(分散分析):問題演習(問題集pp.160-173)
[27] 中間試験3(出題範囲:検定,カイ二乗検定,線形モデル),解説
[28] その他の発展的話題:講義(教科書pp.212-236)
授業時間外の学修の内容
指定したテキストやレジュメを事前に読み込むこと/授業終了後の課題提出/その他
授業時間外の学修の内容(その他の内容等)
事前学習1:教科書の指定された箇所を読んで要点をノートにまとめる.
事前学習2:問題集の指定された問題を解く.
事後学習:教科書・講義資料を復習する.問題演習で扱った問題を解けるようにする.
授業時間外の学修に必要な時間数/週
・毎週1回の授業が半期(前期または後期)または通年で完結するもの。1週間あたり4時間の学修を基本とします。
・毎週2回の授業が半期(前期または後期)で完結するもの。1週間あたり8時間の学修を基本とします。
成績評価の方法・基準
種別 | 割合(%) | 評価基準 |
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中間試験 | 50 | 計算問題と用語問題を中心に基本的な理解度をテストし,そのスコアで評価する. 中間試験1:10%(A4以下の手書きノート1枚および一般電卓の持ち込み可) 中間試験2:20%(A4以下の手書きノート1枚および一般電卓の持ち込み可) 中間試験3:30%(A4以下の手書きノート1枚および一般電卓の持ち込み可) |
期末試験(到達度確認) | 50 | 計算問題と用語問題を中心に基本的な理解度をテストし,そのスコアで評価する. |
成績評価の方法・基準(備考)
課題や試験のフィードバック方法
授業時間内で講評・解説の時間を設ける/授業時間に限らず、manabaでフィードバックを行う
課題や試験のフィードバック方法(その他の内容等)
アクティブ・ラーニングの実施内容
PBL(課題解決型学習)/反転授業(教室の中で行う授業学習と課題などの授業外学習を入れ替えた学習形式)
アクティブ・ラーニングの実施内容(その他の内容等)
授業におけるICTの活用方法
実施しない
授業におけるICTの活用方法(その他の内容等)
授業内では実施しないが,R言語についての解説を適宜提供することがある.また,問題演習には計算機を使用する.試験に持ち込み可とするので,四則演算や百分率および平方根の計算ができる一般電卓を各自で用意すること. ただし,関数電卓や携帯端末は持ち込み不可である.詳しくは初回の授業で説明する.
実務経験のある教員による授業
いいえ
【実務経験有の場合】実務経験の内容
【実務経験有の場合】実務経験に関連する授業内容
テキスト・参考文献等
教科書:田中豊・中西寛子・姫野哲人・酒折文武・山本義郎(2015)『改訂版 日本統計学会公式認定 統計検定2級対応 統計学基礎』,東京図書.
問題集:日本統計学会 編(2023)『日本統計学会公式認定 統計検定 2級 公式問題集[CBT対応版]』,実務教育出版.
その他特記事項
具体例を用いて統計学の基本的な考え方を理解してもらう予定であり,数式による証明などは最小限にとどめるつもりである.しかし,統計学の学習において,初歩的な数学的素養(表現・言葉としての数学)や計算は不可欠であり,その心構えが必要である.初回の授業で実施する数学力の確認テストが既定の得点以下の者は,参考書『初歩からの数学』を自習すること,あるいは,基礎数学A1を履修すること.
統計学は「積み上げ」式の学習が必要である.最初の方の授業は,一見すると簡単に思えるかもしれないが,1つ1つが積みあがっていくので,気を抜かずに毎回の授業および課題に取り組むこと.
参考URL
特になし