シラバス
| 授業科目名 | 年度 | 学期 | 開講曜日・時限 | 学部・研究科など | 担当教員 | 教員カナ氏名 | 配当年次 | 単位数 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 多国籍企業と人事管理 | 2026 | 後期 | 金3 | 総合政策研究科博士課程前期課程 | 菅谷 英之 | スガヤ ヒデユキ | 1年次配当 | 2 |
科目ナンバー
PG-MH5-201L
履修条件・関連科目等
1.事前の専門知識は必要ありません.
2.就活を間近に控えた人,就活中の院生・学部生等の聴講登録もOKです.課題提出等,授業中の扱いは正規履修生と同様になります.
3.職務経験を有する人の多様なニーズにも対応します.
授業で使用する言語
日本語
授業で使用する言語(その他の言語)
授業の概要
1.組織等で将来幹部クラスとして活躍するための経営観・事業観、嗅覚を醸成します.
2.1つの事象から,何が本質的な課題なのかをつかむ、コンセプチュアル(概念化)スキル・構造化スキルを醸成します.
科目目的
企業は、戦略的に構築してきた良質で強い企業文化をベースに、パーパス、ミッション・ビジョン・バリューなどを定め、それらにフィットした戦略を構築することで、その実現・具現化を目指します。戦略を実現する上で最重要の経営資源である人材の獲得も、戦略に基づいてシステマチックに進めていきます。優良企業ほど、自社の有する組織文化やパーパス、ミッション・ビジョン・バリューに合わない人は採りません。人数合わせ、穴埋めのための人材採用はせず、換言すれば、自社の文化に合わない人を徹底的にスクリーニングすること(外すこと)を徹底しています。
就職を希望する側も、自らが属したい組織の文化に適合するかどうかを最重視し、実際にそこに入って自由闊達に活躍できるかどうかをシミュレーションして、慎重にセレクトする必要があります。
これまでの日本企業は、長期雇用を前提とした、世界で唯一無二とも言える新卒一括定期採用を軸に、人材獲得戦略に真正面から取組んできており、組織メンバーの一員となる成員を加えるための、メンバーシップ型採用(組織の文化にぴったり合う仲間を加えて、ゼネラリストとして幅広い仕事経験をさせる)であったので、キャリアに関しては、企業側が主導権を持って個人のキャリアが決まっていくことが多く、社員が主体的にキャリアをデザインしていけるような余地は小さかったといえます。
対する欧米企業は、人事部が主導してキャリアを構築していくのではなく、大学・大学院での専攻や専門に密接に関係する学位や資格の取得、職業訓練等により、自らのジョブが半ば自動的に決まるので、自ら希望しても、実際にキャリアを開始してからジョブの方向性を大きく変えるような、キャリアチェンジは非常に難しく、自律的なキャリア開発とはある意味、程遠い面がありました。
日本企業は近年、社会構造の変化や若年者気質の変化(大卒3年内退職約35%)もあり、入社後のミスマッチのリスクが相対的に低いように観えるジョブ型採用を志向し始め、当初から就職者の希望の職務に近いジョブを選べるような、「日本型」ジョブの人事政策への方向性が強まり、企業主導によるキャリア形成ではなく、自律的かつ個人の自己責任によるキャリア開発が可能となるような土壌が整えられつつあります。たとえメンバーシップ型採用で、職務無限定での総合職採用であっても、かつてのように、企業都合による全国転勤命令ではなく、自らが希望するエリアのみの地域限定型の人事異動の仕組みも多くなってきました。
日本企業は従来から、「比較的遅い選抜による総エリート候補体制」が建前の人事政策でしたが、これまでのようにさまざまな業務を経験する中で、職務適性をゆっくりと見出すという時間的余裕はなくなりつつあります。
米国のシリコンバレーに在るようなDX(デジタルトランスフォーメーション)企業に属する社員は、日本の従来的な総エリート候補体制の仕組みに近い形でのさまざまな人事ローテーションを経験する、総エリート候補体制の下、高い報酬と引き換えに、Up or Out(昇格か退職か)の厳しい雇用慣行下での緊張感のある働き方をしています。彼らは各々の職務における報酬の市場レートが決まっているので、少しでも高い報酬を求めての移動が比較的自由な環境であり、企業の側も市場価値連動型の報酬を用意せざるを得ません。反面で、米国では解雇が比較的容易なので、日本的なメンバーシップ型採用のように、長期的に身分が安定しているわけではない面があります。
強い人事権の下での長期雇用を前提とし、社内中心で長期的に教育・育成されていくことを前提に、企業主導での人事ローテーション下でのキャリア開発を進めていく日本的な雇用を選ぶのか、欧米エリートのように常にUp or Out(昇格か退職か)の緊張感の中で、米国のシリコンバレーを渡り歩いていくような雇用タイプが良いのかは、模倣困難性の高い個人能力をベースにして、自分をどこにポジショニングするのが比較競争優位となるのか、自分の個人能力のどこに強みがあり、どこを効果的にアピールしてポジショニングすることが、結果的にベストのポジションを取れるのかなどを、その組織の文化的特性、パーパス、ミッション・ビジョン・バリューに根差した経営戦略と、自らの個人能力とがどうフィットするのかを総合的かつ俯瞰的に見極めて、唯一無二のキャリアを自律的に形成していくことが何よりも重要です。
最終レポートでは、「自分の強みを今後どう活かしていくか」というキャリア開発の指針を含めて、個々にフィードバックします。
到達目標
1.組織文化とパーパス、ミッション・ビジョン・バリュー、組織戦略との関連について理解します.
2.組織等で幹部クラスとして活躍するための経営観・事業観、嗅覚を醸成します.
3.1つの事象から,何が本質的な課題なのかをつかむ、コンセプチュアル(概念化)スキルを醸成します.
4.将来のキャリアプランをどう計画し、実現させるかを考える契機とします.
5.課程での研究を早期に軌道に乗せるようにします.
授業計画と内容
1.「政策・戦略」・「組織文化・風土」・「パーパス,ミッション・ビジョン・バリュー」・「人事政策(採用・教育・評価・報酬・格付・配置・異動等)」・「リーダーシップ」・「キャリア開発」等の切り口から,日本企業・欧米企業の人事政策の違いを理解したうえで、企業等の経営戦略を考察していきます.
2.受講者要望等も勘案して進めます.
必要に応じて,補講を行なうことがあります.
第1回 オリエンテーション
第2回 グローバル企業の株式時価総額(企業価値)
第3回 組織文化とパーパス、ミッション・ビジョン・バリュ-、経営戦略との関係
第4回 社員意識調査からみた組織文化(戦略活性度・組織活性度)の分析
第5回 日米人事政策研究
第6回 日米人事政策研究
第7回 日米人事政策研究
第8回 経営戦略研究
第9回 経営戦略研究
第10回 経営戦略研究
第11回 経営戦略研究
第12回 人材開発研究
第13回 人材開発研究
第14回 成果まとめ
授業時間外の学修の内容
授業終了後の課題提出/その他
授業時間外の学修の内容(その他の内容等)
1.キャリア開発支援(個人面談等)は,コース(授業)修了後も適時行います.課程修了後も可能です.
2.コミュニケーションの方法
◉hsugaya001t@g.chuo-u.ac.jp (メール)
◉LINE
◉manaba
等
授業時間外の学修に必要な時間数/週
・毎週1回の授業が半期(前期または後期)または通年で完結するもの。1週間あたり4時間の学修を基本とします。
・毎週2回の授業が半期(前期または後期)で完結するもの。1週間あたり8時間の学修を基本とします。
成績評価の方法・基準
| 種別 | 割合(%) | 評価基準 |
|---|---|---|
| レポート | 20 | 日常の取組みを成果として纏めます. |
| 平常点 | 80 | 日常の取り組み姿勢・貢献等を重視します. |
成績評価の方法・基準(備考)
レポート(最終回に提出)は,「自分の強みを今後どう活かしていくか」というキャリア開発の指針を含めて,個々にフィードバックします.
課題や試験のフィードバック方法
授業時間内で講評・解説の時間を設ける/その他
課題や試験のフィードバック方法(その他の内容等)
1.疑問点等を後に持ち越さないよう,理解度を常に確認しながら進めて行きます.
2.レポート(最終回に提出)は,「自分の強みを今後どう活かしていくか」というキャリア開発の指針を含めて,個々にフィードバックします.
アクティブ・ラーニングの実施内容
PBL(課題解決型学習)/ディスカッション、ディベート/グループワーク/プレゼンテーション/実習、フィールドワーク/その他
アクティブ・ラーニングの実施内容(その他の内容等)
対面形式で、理論的なフレームワークを基に、現実の場でどのように政策として実行・実現していくのかを考察していきます。
授業におけるICTの活用方法
その他
授業におけるICTの活用方法(その他の内容等)
適宜、必要に応じて活用します。
実務経験のある教員による授業
はい
【実務経験有の場合】実務経験の内容
金融保険(1988-2000)開発課長(1997-)
早稲田大学 経営学研究(2000-2002)
ヘルスケア(2002-2009)部門グループ長(2005-)
中央大学 政策科学·経営学研究(2003-)・ 総合政策 開発代表(2007-)
【実務経験有の場合】実務経験に関連する授業内容
理論的なフレームワークを元に,現実の場でどのように政策として実行していくのかを考察していきます。
テキスト・参考文献等
1. 特定のテキストは定めず、毎回レジュメを配布します。
2. 各人の研究志向も勘案して、適宜必要な文献等を紹介します。
その他特記事項
1.各人の研究分野・興味にも留意して進めます.
2.補講を行なうことがあります.
3.適時リフレッシュタイムを取ります.