シラバス
| 授業科目名 | 年度 | 学期 | 開講曜日・時限 | 学部・研究科など | 担当教員 | 教員カナ氏名 | 配当年次 | 単位数 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 社会倫理学 | 2026 | 前期 | 他 | 総合政策学部 | 横山 陸 | ヨコヤマ リク | 2年次配当 | 2 |
科目ナンバー
PS-PE2-0002
履修条件・関連科目等
講義「入門・社会倫理学」の知識を前提とします。
授業で使用する言語
日本語
授業で使用する言語(その他の言語)
授業の概要
「自由」と「平等」は両立するのでしょうか。 私たちが自由に能力を発揮し経済活動を行う「自由競争」は、必然的に勝者と敗者を生み、社会に「格差(不平等)」をもたらします。あまりに過酷な格差は、人々の生存を脅かし、社会の安定を根底から揺るがします。本講義では、近代から現代に至る社会哲学・倫理学の系譜をたどり、人類がこの「自由と格差」の葛藤にどのように向き合い、どのような解決策を模索してきたのかを読み解きます。
前半では、ホッブス、ロック、ルソーといった社会契約論の視点から、民主主義の原理としての「自由」と「平等」の正当化と「不平等」の問題について考察します。中盤では、アダム・スミスの市場経済論、ベンサムとミルの功利主義、さらにジェヴォンズやピグーの経済思想を扱い、「幸福」の集計と再分配の問題、そして「幸福」と「自由」の関係について検討します。後半では、ロールズの正義論、センやヌスバウムの潜在能力論、シンガーの功利主義、オニールの義務など現代の諸理論を紹介しつつ、貧困と国際開発の問題について理解を深めます。
本講義で扱う諸理論は、法学、政治学、経済学、国際協力、公共政策といった諸学問の基礎を形作る議論です。講義を通じて、現代社会の「土台」を批判的に再考する視座を養うことを目指します。
科目目的
社会倫理学の基本的な考え方を理解し、総合政策学部の理念である「政策と文化の融合」に基づいて、社会倫理学の観点から現代社会のさまざまな問題を批判的(=論理的)に分析し、その背景にある社会の理念や規範を問い直す力の習得を目指します。
到達目標
(1)社会倫理学の基本的な概念や理論を理解し、自らの言葉で説明できる。
(2)それらの概念や理論を応用して、社会の諸問題を分析できる。
授業計画と内容
※参加者の人数や関心・理解度に応じて、内容や進捗度は変更する場合もあります。
第01回 イントロ:社会の成立について考える(ホッブスの社会契約論)
第02回 所有と革命の権利?(ロックの社会契約論)
第03回 社会の不平等について考える(ルソーの文明批判)
第04回 政治的自由とは何か?(ルソーの社会契約論)
第05回 ぜいたくは敵なのか?(スミスの国富論)
第06回 市場経済と道徳の再構築(スミスとカントの道徳哲学)
第07回 公共政策の哲学(ベンサムの功利主義)
第08回 見えない専制からの自由(ミルの功利主義)
第09回 幸福と功利主義(現代の功利主義)
第10回 功利主義への批判(倫理学と経済学の交点)
第11回 フェアな社会を構想する(ロールズの正義論)
第12回 国際的貧困と開発(センとヌスバウムの潜在能力論)
第13回 寄付とは義務なのか?(現代の功利主義と義務論)
第14回 公共政策と権力(フーコーの生政治)
授業時間外の学修の内容
授業終了後の課題提出
授業時間外の学修の内容(その他の内容等)
授業時間外の学修に必要な時間数/週
毎週1回の授業が半期(前期または後期)または通年で完結するもの。1週間あたり4時間の学修を基本とします。毎週2回の授業が半期(前期または後期)で完結するもの。1週間あたり8時間の学修を基本とします。
成績評価の方法・基準
| 種別 | 割合(%) | 評価基準 |
|---|---|---|
| 期末試験(到達度確認) | 100 | 社会倫理学の基本的な概念や理論を理解し、自らの言葉で説明できるどうか、また、それらの概念や理論を応用して、社会の諸問題を分析できるかどうか、を評価します。 |
成績評価の方法・基準(備考)
毎回の講義視聴後にリアクション・ペーパー(以下RPと言います)を提出してください。RPの提出期限は講義コンテンツの配信から2週間程度とします。RPの提出回数が講義回数の3分の2を満たない者についてはF(またはE)判定(不可)とします。
RPに関して以下の行為を禁止します。禁止行為が発見された場合、それが1回であっても成績評価の対象から除外されることがありますので気をつけて下さい。
・生成AIを利用してRPを作成すること
・RPの一部または全部を、インターネットサイトや書籍などからコピーまたは無断引用すること
・RPの一部または全部を、他人に作成させること
・講義を通常速度(1.0倍速)で最後まで視聴せず、RPを作成・提出すること
・自分のアカウントを使用せず(他人のアカウントを使用して)講義を視聴し、RPを作成・提出すること
・以上の点が疑われる場合に、科目担当教員からの指示・指導にすぐに応じないこと
*生成AIの無断使用やインタネーット・書籍などからの無断引用は「剽窃」行為と見なされる恐れがあります。他人のアカウントを利用してmanabaやgoogleドライブにアクセスし講義動画を視聴することも、個人情報の不正使用と見なされる恐れがあります。いずれも「不正行為」として学則などに基づき処分の対象となる恐れがありますので、絶対に止めて下さい。
課題や試験のフィードバック方法
授業時間に限らず、manabaでフィードバックを行う
課題や試験のフィードバック方法(その他の内容等)
アクティブ・ラーニングの実施内容
その他
アクティブ・ラーニングの実施内容(その他の内容等)
リアクション・ペーパーと、それに対する全体に向けたフィードバック(総評)
授業におけるICTの活用方法
実施しない
授業におけるICTの活用方法(その他の内容等)
実務経験のある教員による授業
いいえ
【実務経験有の場合】実務経験の内容
【実務経験有の場合】実務経験に関連する授業内容
テキスト・参考文献等
テキスト(教科書)は使用しません。参考文献については、講義内で適宜、紹介します。
その他特記事項
社会倫理の諸理論は実験や統計に基づいた「実証科学」ではありません。また、現実の問題への解決策を具体的に示すものでもありません。むしろ現実の問題の背景にある概念や理念を問い直して、これまでにない視点(物の見方・考え方)を示そうとするものです。
「物の見方・考え方の視野を広げる」ことは、複眼的な視点から社会問題の解決策を立案する「総合政策」の理念に欠かせないものです。それは(昔ながらの言い方をすれば)「教養」であり、(最近の言い方をすれば)「リテラシー」ということになるでしょう。「視野を広げる」ためには、抽象的な議論が必要となります。
また、自分のもっている道徳観・宗教観・価値観を相対化する必要もあります。たんに「抽象的だから意味がない」、あるいは、自分の道徳観・宗教観・価値観と違うから「自分はそう思わない」で終わりではなく、新たな視点から物事を考えようとする姿勢が求められます。なお、講義および教員の姿勢は、民主主義の基本である個人の自由と人権の尊重、および中央大学のダイバシティ宣言を前提としています。