シラバス
| 授業科目名 | 年度 | 学期 | 開講曜日・時限 | 学部・研究科など | 担当教員 | 教員カナ氏名 | 配当年次 | 単位数 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 日本・アジア関係史 | 2026 | 前期 | 水3 | 総合政策学部 | 崔 誠姫 | チェ ソンヒ | 3・4年次配当 | 2 |
科目ナンバー
PS-OH3-0001
履修条件・関連科目等
高校で学習する程度の日本史・世界史の知識を必要とする。
朝鮮半島の歴史、社会についての簡単な知識・関心がある。
授業で使用する言語
日本語
授業で使用する言語(その他の言語)
授業の概要
本講義では、大日本帝国の一領域であった朝鮮を中心に、日本との関係史について教育の視点から学んでいく。19世紀末の朝鮮は国家存亡の危機を乗り越えるため、愛国啓蒙運動と呼ばれる教育による救国運動が盛んになるが、運動は実らず1910年「韓国併合に関する条約」が締結され日本の植民地となった。1911年からは「朝鮮教育令」に基づく植民地教育が展開し、支配者側である日本人と朝鮮人は制度・学校名称などで「区別」され、さらにジェンダーによっても教育は区別されていた。植民地教育に抵抗する一方、朝鮮人エリートたちは日本や米国へ留学し、朝鮮の未来のためあるいは自身の栄達のため知識を養っていった。
本講義ではこのような時代背景に基づき、教育を通してみる朝鮮と宗主国日本との関係、1945年の「解放後」韓国社会における植民地教育の断絶と連続までも視野に入れ、朝鮮の近代教育、植民地教育の歴史について考えていく。さらに大日本帝国の領域という点から、日本を中心とする帝国大学ネットワークについても検討していく。本授業では映像学習も行う。視聴する作品は1940年に朝鮮で制作された「授業料」という映画で、1940年当時の朝鮮の情景や学校風景、朝鮮人児童の言語使用などについて、映像を通じて学び当時の社会に対する理解を深める。
科目目的
日本とアジア、特に朝鮮半島との関係史について教育を軸に考察する。時代区分は19世紀末から1945年までとし、帝国日本の中に組み込まれた朝鮮の教育を概観し、近代教育、植民地教育、帝国大学ネットワーク等について学ぶ。
到達目標
1.近代化、植民地支配と教育の関係について、日本と朝鮮半島との関係をもとに理解できる。
2.大日本帝国の領域内における教育の普及、エリート主義について理解できる。
3.この時代の教育において支配者と被支配者側との分断、ジェンダーの分断を理解し、連続的な視点から現代の日本と韓国における学歴主義、教育におけるジェンダー格差について考えることができる。
授業計画と内容
1回 ガイダンス及び19世紀末東アジアの近代史
2回 朝鮮王朝の近代化とミッションスクール、愛国啓蒙運動
3回 大韓帝国の保護国化と学部による教育の展開
4回 韓国併合と「朝鮮教育令」により植民地教育のはじまり
5回 1919年3.1独立運動と教育政策の転換
6回 皇民化政策・戦時体制下の「国語」教育
7回 映像学習:朝鮮映画「授業料」(1940年制作)
8回 朝鮮人エリートの留学①:日本
9回 朝鮮人エリートの留学②:米国
10回 帝国大学ネットワークの形成①:内地へ
11回 帝国大学ネットワークの形成②:外地へ
12回 1920年代以降の中等教育・高等教育とジェンダー
13回 朝鮮人学生の抵抗:同盟休校・学生運動
14回 まとめ:植民地教育の連続と断絶
授業時間外の学修の内容
指定したテキストやレジュメを事前に読み込むこと
授業時間外の学修の内容(その他の内容等)
授業時間外の学修に必要な時間数/週
毎週1回の授業が半期(前期または後期)または通年で完結するもの。1週間あたり4時間の学修を基本とします。
毎週2回の授業が半期(前期または後期)で完結するもの。1週間あたり8時間の学修を基本とします。
成績評価の方法・基準
| 種別 | 割合(%) | 評価基準 |
|---|---|---|
| 期末試験(到達度確認) | 60 | 期末試験 |
| 平常点 | 40 | 出席・リアクションペーパー |
成績評価の方法・基準(備考)
課題や試験のフィードバック方法
授業時間内で講評・解説の時間を設ける
課題や試験のフィードバック方法(その他の内容等)
アクティブ・ラーニングの実施内容
ディスカッション、ディベート
アクティブ・ラーニングの実施内容(その他の内容等)
授業におけるICTの活用方法
実施しない
授業におけるICTの活用方法(その他の内容等)
実務経験のある教員による授業
いいえ
【実務経験有の場合】実務経験の内容
【実務経験有の場合】実務経験に関連する授業内容
テキスト・参考文献等
毎回、授業内容に沿ったプリントを配布する。授業内容の理解を深めるため、可能な限り以下の参考文献に目を通すことを推奨する。また毎回の授業で適宜参考文献・論文等を紹介する。
【参考文献】
朴宣美『朝鮮女性の知の回遊: 植民地文化支配と日本留学』(山川出版社、2005年)
崔誠姫『近代朝鮮の中等教育―1920~30年代の高等普通学校・女子高等普通学校を中心に』(晃洋書房、2019年)
鄭鍾賢著、渡辺直紀訳『帝国大学の朝鮮人:大韓民国エリートの起源』(慶應義塾大学出版会、2021年)
中山茂『帝国大学の誕生』(講談社学術文庫、2024年)