シラバス
授業科目名 | 年度 | 学期 | 開講曜日・時限 | 学部・研究科など | 担当教員 | 教員カナ氏名 | 配当年次 | 単位数 |
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行政インターンシップ/インターンシップⅡ(行政) | 2025 | 通年 | 土4 | 法学部 | 石川 貴美子、礒崎 初仁、卜部 直也、岡田 実、東川 直史、山田 修 | イシカワ キミコ、イソザキ ハツヒト、ウラベ ナオヤ、オカダ ミノル、ヒガシカワ ナオブミ、ヤマダ オサム | 2~4年次配当 | 4 |
科目ナンバー
JU-TR2-002P
履修条件・関連科目等
年度当初の時点で法学部に在籍する2年生以上の学生で、前年度(11月~1月)に実施する選考(書類審査・面接審査)に合格した者のみを対象とする。
なお、同じ教師陣で担当する「専門総合講座・自治型社会の課題1,2」(土3限)の講義内容と連携させて授業(ワークショップ等)を進めるため、原則として、並行してこの科目を履修すること(既修者を除く)。
授業で使用する言語
日本語
授業で使用する言語(その他の言語)
授業の概要
1.開講形態
①「行政インターンシップ」、通年4単位として開講する。
②週1回演習形式で授業を行うとともに、夏期休暇中の実習に参加するものとする。
③実習期間は、原則として夏期休暇中の5日間以上とする(7日間以上が望ましい)。
④授業は土曜日4限とする(授業時間は延長することがあるので、17時半頃まで確保すること)。
⑤効果的な学修のため、「専門総合講座・自治型社会の課題1,2」(土曜日3限)の講義内容を踏まえて進めるため、原則として併行して同科目を履修・受講すること(既修者を除く)。
2.実習期間
原則として、夏季休業中の5日間以上とする(7日間以上が望ましい)。
※日数が足りない場合(半日単位で切り上げ計算して5日間未満)は、レポートの提出(報告書とは別に当該自治体の行政に関するテーマを設定し、後期第1回目に提出)をもって補う。
3.講義概要
①前期は、実務家教員の指導の下で、毎回、自治体で問題となっている課題・事例を取り上げ、その原因や解決策を考え、発表するワークショップ(グループ演習)を行う。これにより、自治体行政の現実や課題を理解するとともに、実務で求められる課題分析能力やコミュニケーション能力を養成する。また、実習に備えてマナー研修等を受講してもらう。
【課題例】スポーツセンターの建設に近隣住民は反対運動、森林保全対策が必要だが「予算がない」、高齢者の買物難民―市はどうするかなど14設例の予定(「設例集」を参照)
②後期は、夏期休暇中の実習の内容やそこから得たこと等について順次報告を行い、質疑応答を行うとともに、それを踏まえて各自が実習報告書を作成する。報告書については刊行物としてまとめる。
【注意事項】
①演習では積極的に議論に参加すること。(※実務では、会議等での積極性や集団への貢献も重要なポイント)
②報告者となった場合(主に後期の場合)は、報告の要点(演習で議論したい点や疑問点など)を簡潔にまとめたレジュメ(A4版またはA3版)を人数分コピーし、短時間(10分以内)で簡潔に報告すること。複写依頼票は手渡しまたは6階の礒崎のメールボックスで。(※プレゼンテーション能力も重要なポイント)
③無断での欠席、遅刻は厳禁である。やむを得ない事情がある場合は、事前に担当教員またはゼミ長に連絡すること。(※社会的なルールを守ることも重要なポイント)
④実習先では、社会人としてみられるだけでなく、住民(お客様)に接することも多いので、それにふさわしい対応、態度、服装(ピアス、髪の色等)に注意すること。また、他の職員の方と十分にコミュニケーションを図り、その情報や態度に学ぶこと。
⑤当ゼミ(授業)はできるだけ履修生が自主的に運営するものとする。そのため、5月上旬頃、履修生の中からゼミ長等の役員を選出するとともに、全員が運営に協力すること。また、OBOGとの交流も予定しているので、積極的に参加・交流すること。
【考えられる役員】
・ゼミ長(ゼミ運営の統括) ・副ゼミ長(ゼミ長の補佐、教材等の配慮)
・企画委員(懇親会等の企画) ・編集委員(報告書の原稿点検、作成)
【学生自主事業・イベント】
・OBOGとの交流会(秋)、地域の魅力フェア(地域の魅力探検隊?)、応募者向け説明会、公開ワークショップ、懇親会(打ち上げ等)
4.実習先
①提携先の場合と自己開拓の場合があるため、応募の段階で、「提携先」「自己開拓」「未定」を選択する。(提携先が限定されるため、それぞれの人数枠で合否の判定を行う。)
②「提携先」または「自己開拓」を選択した場合は、原則として途中変更はできない。「未定」を選択した場合は、提携先を紹介できない(自己開拓に回ってもらう)場合がある。
(1) 提携先の場合
次の自治体を予定している。学生の希望(第3希望まで=予定)は聴取するが、希望の自治体にならないことも多いので、注意すること。
<提携先>文京区、台東区、豊島区、練馬区、杉並区、武蔵野市、三鷹市、八王子市、町田市、多摩市、国分寺市、府中市、相模原市 ※提携先は年度ごとに変更となることがある。
※提携先の受入れ人数が少ない場合(5月中旬に判明)は、応募時に「提携先」を選択した学生を優先するものとする(「未定」を選択した学生は「自己開拓」に回ってもらう可能性がある)。
【実習先(提携先)の決定手順】
①実習先は、基本的に「実習自治体」により希望するものとし、あわせて「希望部署(担当分野)」を付随的に申し出るものとする(相手方の判断となる)。実習部署は、実習先の都合等により希望以外の部署になる場合もあるので、承知すること
②実習先は、年度当初に提示する手順で調整を行うが、実習先の状況等により次期がズレることも多いので、弾力的に対応するものとすること
③提携先で実習する者が、他のインターンシップにも参加することは可能だが、日程が重複しないよう注意するとともに、重複した場合は提携先の実習を優先すること
(2) 自己開拓の場合
上記以外の行政機関等(出身地の自治体、国の省庁など)での実習を希望する場合は、次の①と②のいずれも満たす場合に、この授業の実習として認める(実習ができなかった場合は、単位は付与できない)。
①実習の内容、期間等が、この授業の目的、内容に照らして適切と認められること
②学生自身が自ら打診・交渉して、実習先を決定すること(ただし、受け入れの可能性を確認できた後は、書類は大学を通じて提出し、また大学として協定締結等の対応も行う)
※4月中に、当該機関に①学生インターンシップの制度があるか(小規模自治体=制度がなくても個別に受け入れ可能か)、②可能性はどの程度か(例年の受け入れ率など)、についてサイト(職員課or学生インターンシップで検索)+電話で確認しておくこと
→★5月中旬に自己開拓の調査・打診状況について調査。
※都道府県・大都市等は公募・選考によることが多く、直前(7月頃)にならないと受入れが決定しないため、複数の実習先に応募するなどの対応を考えておくこと
※自己開拓を選択した場合は、原則として(提携先の受入れ人数に余裕が出ない限り)提携先に変更することはできないので、注意すること
*過去の自己開拓先(例)=法務省、文部科学省、厚生労働省、防衛省、環境省、参議院法制局、北海道、福島県、群馬県、神奈川県、静岡県、長野県、墨田区、江東区、江戸川区、所沢市、横浜市、鎌倉市、平塚市、厚木市、秦野市、会津若松市、富士宮市、上田市、高松市、大分市
★キャリアセンターの募集情報(5~7月)に注意しておくこと。学内の選抜もあるので注意。
(3) その他のインターンシップへの参加
上記の実習以外に、その他のインターンシップ(キャリアセンター経由の各省庁、東京都、神奈川県など)に参加することは妨げない。期間不足を補う場合は、これを当授業の実習として位置づけること(複数の実習先を対象にして1本の実習報告書を書くこと)も可能。ただし、日程が重複した場合は、提携先または自己開拓(大学から申請した場合)の日程を優先すること。
科目目的
■目的・到達目標
①実社会の実務・職場を体験することにより、社会への参加・貢献と職業への動機づけを高めること、②行政実務の現実を学ぶことにより、政治・行政・法律などの学修に反映させること、③自分の目で観察し、自分の頭で思考し、自分の足で情報を収集し、自分の関心に沿って情報発信できる能力を高めることをめざす。
積極的・活動的な学生を支援し、公共サービスの理解を深めてもらうことを目的とする。
到達目標
この授業では、履修者は、自治体政策等に関する基礎知識を獲得するとともに、地域における住民の要望や対立事例への対応に関するワークショップを通じて、問題を多面的に分析し、解決策を検討し、合意を形成する手法を学ぶ。また、検討結果に関する発表会を通じて、プレゼンテーション能力を磨く。
授業計画と内容
<春学期>
①ガイダンス
②ワークショップとは&導入ワークショップ「他己紹介」
➂設例「スポーツセンターの建設に近隣住民は反対運動」
➃設例「都市計画審議会が紛糾する」
➄設例「森林保全対策が必要だが「予算がない」」
⑥設例「遊べる公園がない」
⑦設例「高齢者の買い物難民-どうするか」
⑧設例「知事が公約した水源環境税の導入に議会や大都市が大反対」
➈設例「管理職登用試験を導入しようとしたら職員の反対が強かった」
⑩設例「パンが届かない!どうすればよいか」
⑪設例「申請ゼロの補助金で対立」
⑫設例「担当する事業が他の事業とバッティング?」
⑬設例「新型コロナウイルス感染症で認知症や足腰が弱くなってしまった高齢者が増えてしまった」
⑭実習に向けた説明&壮行会
<夏期>行政機関でのインターンシップ(提携先・自己開拓)
<秋学期>
①秋学期の説明&実習報告(速報版)
②報告検討会1(3人)
➂報告検討会2(3人)
➃報告検討会3(4人)
➄OBOGとの交流会=ミニワークショップ「市営住宅で自治会を解散したいと申し出」
⑥報告検討会4(3人)
⑦報告検討会5(3人)→報告書原稿の提出
⑧設例「自主防災組織の登録をめぐって、マンション管理組合とマンション自治会が対立」
➈設例「増加する空家の利活用が進まない」(次年度履修生向けの公開ゼミを兼ねる)
⑩設例「ごみの不法投棄がなくならない」
⑪設例(残された課題から選定)前編
⑫設例(残された課題から選定)中編
⑬設例(残された課題から選定)後編
⑭最後のまとめ・報告書の共有
授業時間外の学修の内容
その他
授業時間外の学修の内容(その他の内容等)
原則として「専門総合講座・自治型社会の課題1,2」(土3限)を同時に履修すること(既修者を除く)。
授業時間外の学修に必要な時間数/週
・毎週1回の授業が半期(前期または後期)または通年で完結するもの。1週間あたり4時間の学修を基本とします。
・毎週2回の授業が半期(前期または後期)で完結するもの。1週間あたり8時間の学修を基本とします。
成績評価の方法・基準
種別 | 割合(%) | 評価基準 |
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平常点 | 70 | 授業への参加と実習の成果によって評価する。 春学期:自治体課題に関するワークショップへの貢献 秋学期:実習報告会での報告と検討、ワークショップへの貢献 その他:ゼミ役員等としての貢献 |
その他 | 30 | 夏期の実習への参加(5日間以上)と実習先における評価 |
成績評価の方法・基準(備考)
課題や試験のフィードバック方法
授業時間内で講評・解説の時間を設ける
課題や試験のフィードバック方法(その他の内容等)
アクティブ・ラーニングの実施内容
グループワーク/プレゼンテーション/実習、フィールドワーク
アクティブ・ラーニングの実施内容(その他の内容等)
前期授業では、問題事例(実際に自治体で生じた事例等)を提示し、グループ別に解決案等を検討し、その成果を発表するワークショップを行う。
夏期実習では、自治体等での実習(5日間以上)を行う。
後期授業では、各自の実習報告を聞きながら、コメントやディスカッションを行う。それを踏まえて、各人が報告書を作成し、報告書集として刊行する。
授業におけるICTの活用方法
その他
授業におけるICTの活用方法(その他の内容等)
テーマに関連するビデオ等を使用することがある。
実務経験のある教員による授業
はい
【実務経験有の場合】実務経験の内容
・主任教員(専任教員1人):都道府県の職員(事務職)として17年間の実務経験(1985~2001年度)がある。担当分野は、農地転用規制、道路等施設管理、土地政策、介護保険、市町村行政指導など。土地利用関係の独自条例の制定を担当した経験もある。これらを生かして、ワークショップでは都道府県の条例制定等の設例を取り上げるとともに、履修生の疑問に応える形で実習前後の指導を行う。
・A講師:政令指定都市の職員(事務職)として、38年間、税務、総合企画、都市計画、港湾経営、危機管理、地域振興、資産管理など基礎自治体ならではの多様な実務を担当した。住民参加、住民自治のまちづくりの実践論について学生と一緒に考えたい。
・B講師:都道府県の職員(技術職。後に事務職に転向)として30年間、都市の交通や緑化、公害規制や気候変動対策ほかに関する計画・制度運用に携わった。新施策実現に向けた実務のリアルや社会への貢献の意義を学生に伝え、未来を考えるきっかけとなる授業にしたい。
・C講師:町の職員として、10年間、都市計画課等で景観行政(デザインコードの運用等)を担当。その後、政策推進課等にて総合計画・行政改革の策定、地方創生や移住推進、サテライトオフィス誘致やシェアリングエコノミー、空き家利活用、DIYの公園作り直し等、様々な公民連携事業等を担当し、2023年4月より福祉分野に異動となり子育て支援・保健・障がい者福祉等を担当。移住者としても、港町の暮らしを満喫中。「ローカルから未来をつくる」楽しさを感じる授業を皆でつくります。
・D講師:市の職員(保健師)として38年間、公衆衛生、母子・成人・地域保健、高齢・障害福祉、介護保険等の業務に携わった。新制度や制度改正に伴う新規事業の立ち上げや地域住民の健康や生活を守るためのまちづくりに向けて取り組んだ。事業企画、地域づくり、関係機関・団体との連携によるネットワーク構築などの実践論について学生と一緒に考えたい。
・E講師:都道府県職員(事務職)として、30年以上の実務経験あり。課税、環境条例の改廃、自然保護、保健福祉、水道事業経営、議会事務局などを担当した経験から、政策の立案と実施における多面的な地方政府の活動や、そこでの職員としての働きがいを考えていく授業を目指す。
【実務経験有の場合】実務経験に関連する授業内容
毎回のゼミでは、実務経験を踏まえて、自治体が直面する課題や問題事例を取り上げる(とくにワークショップ)とともに、説明の際には、実務の状況や具体例を盛り込んで、実務の状況や実感が伝わるように工夫する。
テキスト・参考文献等
参考文献
・礒崎初仁・金井利之・伊藤正次『ホーンブック地方自治(新版)』北樹出版、2020年
・自治体活性化研究会編『自治体職員かく生きる』生活福祉研究機構、2019年
・現代都市政策研究会編『ケースで学ぶ議会・議員対応のきほん: こうしておさえる自治体政策実現の勘所』公職研、2022年
・佐々木信夫『都知事-権力と都政』中公新書、2011年
・西尾勝『自治・分権再考-地方自治を志す人々へ』ぎょうせい、2013年
・曽我謙悟『日本の地方政府-1700自治体の実態と課題』中公新書、2019年
ほかにテーマ等に応じて紹介する。
その他特記事項
本授業は、前年度(11月~1月)に実施した募集・選考に合格した者のみが履修できる。
■募集条件(参考)
履修年度の4月時点で、法学部に在籍する2年生以上の学生。
主として、国家公務員、地方公務員、政府関係機関など公共サービスに関わる仕事に従事することを希望する学生を対象とする。他学部の学生及び聴講生は対象としない。
ワークショップ形式の授業であるため、自らの体と頭を使って課題に取り組む、意欲的な学生を歓迎する。
■募集人数
15名程度
■選考の方法
①書類審査:所定のエントリーシートに必要な事項を丁寧に記載して提出すること。「公務員をめざしているから」等の一般論ではなく、自分らしい経験、関心、動機、やりたいこと等を具体的に記載すること
②面接審査(書類審査の合格者のみを対象):分数の教員により面接を行う(ゼミ生が陪席する)