シラバス
授業科目名 | 年度 | 学期 | 開講曜日・時限 | 学部・研究科など | 担当教員 | 教員カナ氏名 | 配当年次 | 単位数 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
憲法1(人権) | 2024 | 秋学期複数 | 火5,木2 | 法学部 | 松原 光宏 | マツバラ ミツヒロ | 1年次配当 | 4 |
科目ナンバー
JU-PU1-001L
履修条件・関連科目等
並行する形で民法を受講していることが望ましい。続いて憲法2及び行政法を履修して下さい。
授業で使用する言語
日本語
授業で使用する言語(その他の言語)
授業の概要
憲法学、主として憲法解釈学の講義を行う。実定憲法の規定は極めて簡潔な文言によっており、憲法解釈は、日本国憲法の条文の他、制定史、体系性、目的、更にはドグマーティク(解釈理論)、判例、法律、実践的理由等、様々な論拠を手がかりに遂行されている。教室では、支配的なドグマーティク(解釈理論)について説明したうえ、憲法判例百選1/2、重要判例百選、最新判例報道を利用し、最高裁の憲法的思考を分析することに、かなりの時間をあてる。憲法は「実際上、最終的な解釈権をもつ機関が解釈するとおりに妥当する」、R.スメントという著名なドイツ公法学者の言葉は、現代でも妥当するからである。
憲法学は憲法解釈学に尽きるものではなく、憲法についての歴史、哲学、社会学を展開する余地も重要性もある。教室では、学問としての憲法がどのようなものであるか、立ち入って考える機会もあるだろう。また新聞報道を利用し、永田町のみならず、ヨーロッパやアメリカで展開される憲法政治について法的に分析する時間も設けたい。
科目目的
政治的イデオロギーからは区別された、法律学としての憲法を学習する。
到達目標
憲法的思考とはどのようなものか、体得して頂くことが最大の目標である。
授業計画と内容
テーマ毎の計画(合計28回)は下記の通りである。
(1)人権の基礎理論:概念
(2)人権の基礎理論:歴史
(3)人権の基礎理論:妥当根拠
(4)人権の享有主体性:自然人①(胎児・未成年者)
(5)人権の享有主体性:自然人②(天皇及び皇族)
(6)人権の享有主体性:外国人①(出入国の自由・参政権)
(7)人権の享有主体性:外国人②(公務就任権・政治的権利)
(8)人権の享有主体性:法人①(法人格の概念・国内の私法人)
(9)人権の享有主体性:法人②(国内の公法人)
(10)人権の効力:私人間効力論①(基礎理論)
(11)人権の効力:私人間効力論②(最高裁判例の傾向)
(12)人権の効力:特別の法律関係における人権(公務員 前半)
(13)人権の効力:特別の法律関係における人権(公務員 後半)
(14)人権の効力:特別の法律関係における人権(在監者)
(15)公権力による人権制約:公共の福祉論
(16)公権力による人権制約:審査基準論
(17)法の下の平等:理論
(18)法の下の平等:最高裁判例理論
(19)個人の尊重と幸福追求権:憲法13条の意義
(20)個人の尊重と幸福追求権:幸福追求権各論①(プライヴァシー)
(21)個人の尊重と幸福追求権:幸福追求権各論②(名誉)
(22)表現の自由:総論
(23)表現の自由:各論①(商業広告、知る権利)
(24)表現の自由:各論②(報道の自由、放送の自由、差別的表現)
(25)社会権の理論と最高裁判例
(26)経済的自由権:財産権
(27)経済的自由権:職業の自由
(28)信教の自由と政教分離原則
詳細については、更に開講時に説明する。初年度ということもあり、計画消化も重要ではあるが、できる限り具体例を用い、毎回の理解を目指したい。継続することによって、憲法における法的思考に馴れることが出来るであろう。
授業時間外の学修の内容
指定したテキストやレジュメを事前に読み込むこと
授業時間外の学修の内容(その他の内容等)
テキストとして指定された書物を予習として読むことが求められる。また時間的節約のため、取り上げる判例をあらかじめ指定するので、事実の概要・判旨の双方について、事前に読んでおく必要がある。この他、テーマ理解に有用と思われる資料も配付するので、予め目を通しておいて欲しい。
授業時間外の学修に必要な時間数/週
・毎週1回の授業が半期(前期または後期)または通年で完結するもの。1週間あたり4時間の学修を基本とします。
・毎週2回の授業が半期(前期または後期)で完結するもの。1週間あたり8時間の学修を基本とします。
成績評価の方法・基準
種別 | 割合(%) | 評価基準 |
---|---|---|
期末試験(到達度確認) | 100 | 学期末の試験をもって評価する。 |
成績評価の方法・基準(備考)
課題や試験のフィードバック方法
授業時間内で講評・解説の時間を設ける
課題や試験のフィードバック方法(その他の内容等)
アクティブ・ラーニングの実施内容
実施しない
アクティブ・ラーニングの実施内容(その他の内容等)
授業におけるICTの活用方法
クリッカー/タブレット端末
授業におけるICTの活用方法(その他の内容等)
実務経験のある教員による授業
いいえ
【実務経験有の場合】実務経験の内容
【実務経験有の場合】実務経験に関連する授業内容
テキスト・参考文献等
オンラインによる講義案に即して講義は進行する。教室ではスライドを併用、多くのデジタル参考資料も活用する。
予習用教科書として、長谷部恭男・憲法講話第二版(2022・有斐閣)、判例集として、長谷部・石川・宍戸編・憲法判例百選I/II(有斐閣)第七版(2019)を使用する予定である。但し、変更の可能性もあるため、初回の説明を聞いた後に購入して下さい(注意!)。
参考書としては、小山・駒村編・論点探究憲法第二版(弘文堂)、芦部信喜・憲法判例を読む(岩波書店)、宍戸常寿編著・憲法演習ノート(弘文堂)、加藤隆之・憲法判例から考える自由と平等(ミネルヴァ書房)をあげておく。この他にも講義中に適宜言及したい。