シラバス
授業科目名 | 年度 | 学期 | 開講曜日・時限 | 学部・研究科など | 担当教員 | 教員カナ氏名 | 配当年次 | 単位数 |
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税務会計論 | 2024 | 春学期複数 | 火2,金4 | 商学部 | 山上 淳一 | ヤマカミ ジュンイチ | 2年次配当 | 4 |
科目ナンバー
CM-AU3-14XL
履修条件・関連科目等
Web登録科目です。
「税務会計論」は会計学と法律学の二つの側面を併せ持つ科目であり、学修を進めるに当たっては、企業会計及び税法(法学)に関する基礎知識を修得していることが前提となる。
したがって、「財務会計論」及び「税法」を既に履修しているか、又は並行して履修することが望ましい。
(注)「財務会計論」及び「税法」の未履修者は、基礎知識を修得するための自学が必要となる。
授業で使用する言語
日本語
授業で使用する言語(その他の言語)
授業の概要
1.入門編
まずは、「取っつきにくい」税法の学修にスムーズに入っていけるよう、税法の基礎知識を簡単に説明する。その上で、法人税額を算出するためのベースとなる「法人所得」の計算の仕組みの基本を学修する。
(注)法人の「所得」は企業会計における「純利益」がベースとなるが、企業による恣意的な計算を排除し公平な課税を確保する目的等から、企業会計を部分的に修正する例外規定(別段の定め)も多数設けられている。どのような別段の定めが、どのような理由から設けられているのかを理解することが、学修の中心となる。
2.中級編
デジタル化・グローバル化の進展はGAFAのような新たなビジネスモデルを生み出したが、それに伴って税の仕組みや税務執行も大きな転換を迫られている。グローバルな企業活動で稼得した所得への課税ルール(国際課税)の基本的な仕組みを学修した上で、今後のルールの変化を展望する。
3.発展編
「法人税法の規定をどう解釈するか」により企業の税負担が大きく変わってくることが少なくない。入門編で学修した項目に関して、規定の解釈をめぐって国と納税者(企業)の間で争いとなった事例をいくつか取り上げ、裁判では何が争点となり、どのような結論が下されたかを学修することで、入門編・中級編で得た知識の理解をさらに深めていく。
4.実践編(予定)
税制・税務執行の現場の「今」を知るゲストスピーカーを招き、税の最先端で何が起きているかを学ぶ。
科目目的
この科目は,商学部分野別専門科目・会計系として位置づけられている。
企業の利益を計算するための企業会計に加えて、企業(法人)の所得を計算するための税務会計(国際課税分野を含む)を修得することによって、将来、グローバル化時代に会計専門職、税務に強いビジネスパーソンとして活躍していくための基盤を獲得することを目的とする。
到達目標
法人所得計算の基本的な仕組み、特に「別段の定め」といわれる企業会計との相違点のうち主なもの(無償取引からの収益の発生等)について、その概要及び趣旨目的を理解し、税法をよく知らない者にも分かりやすく説明できるようになることを目標とする。
授業計画と内容
(注)授業の進行度合いや履修者の理解度に応じて、内容及び順序を変更する場合がある。
第1回 ガイダンス
第2回 入門編1 税法の基本
第3回 入門編2 法人所得の計算・総論
第4回 入門編3 企業会計と税務会計
第5回 入門編4 益金
第6回 入門編5 損金
第7回 実践編1 税制・税務執行の現状と課題(ゲストスピーカーを予定)
第8回 入門編6 別段の定め①(受取配当の益金不算入など)
第9回 入門編7 別段の定め②(役員給与の損金不算入)
第10回 入門編8 別段の定め③(役員給与)
第11回 入門編9 別段の定め④(寄附金の損金不算入、交際費の損金算入制限)
第12回 入門編10 別段の定め⑤(資産の評価損益の益金・損金不算入)
第13回 入門編11 資本等取引
第14回 入門編12 グループ法人税制・組織再編税制
第15回 入門編13 同族会社
第16回 入門編14 法人税と所得税・事業体と税
第17回 中級編1 国際課税の基本①
第18回 中級編2 国際課税の基本②
第19回 中級編3 国外への所得流出への対応
第20回 中級編4 国際税務執行の現状
第21回 実践編2 税制・税務執行の現状と課題(ゲストスピーカーを予定)
第22回 発展編1 租税法の解釈の基本(ホステス報酬事件、武富士事件など)
第23回 発展編2 公正処理基準(クラヴィス事件、ビックカメラ事件)
第24回 発展編3 同族会社(ユニバーサルミュージック事件等)
第25回 発展編4 組織再編成(ヤフー事件等)
第26回 発展編5 国際課税(りそな事件、インターネット販売倉庫事件)
第27回 発展編6 事業体(LPS事件、パラツィーナ事件)
第28回 まとめ(全体振返り)
授業時間外の学修の内容
指定したテキストやレジュメを事前に読み込むこと/授業終了後の課題提出/その他
授業時間外の学修の内容(その他の内容等)
1.指定したテキストの該当ページ(及び配付した場合には事前学修課題)を事前に読み込むとともに、授業終了後に再読してみること。
2.授業内容の修得度合いを確認するため、数回の授業につき1つの割合で課題を提示するので、テキスト等を参照しながら回答(A4用紙1枚程度)を作成すること。
授業時間外の学修に必要な時間数/週
・毎週1回の授業が半期(前期または後期)または通年で完結するもの。1週間あたり4時間の学修を基本とします。
・毎週2回の授業が半期(前期または後期)で完結するもの。1週間あたり8時間の学修を基本とします。
成績評価の方法・基準
種別 | 割合(%) | 評価基準 |
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期末試験(到達度確認) | 50 | 法人所得計算の基本的な仕組みや税法の規定の趣旨等を理解しているかどうか、論理的な説明能力を修得しているかどうかを確認する(大まかな内容は事前に開示する。)。 |
平常点 | 50 | 課題(ミニ・レポート)の回答内容から理解度を確認する。 授業への参加状況(第5回~第28回)を考慮する。 |
成績評価の方法・基準(備考)
授業時間内に各人の意見等を述べてもらう機会を作りたいと考えている。指名等した場合に回答した者については、回答内容等に応じ、上記の項目以外に加点する。その他、随時、加点ポイントを設定することがある。
昨年度(2023年度春学期〕の成績評価に当たっての講評をコメント4に添付したので、履修を検討する際に参考とされたい。
課題や試験のフィードバック方法
授業時間に限らず、manabaでフィードバックを行う
課題や試験のフィードバック方法(その他の内容等)
アクティブ・ラーニングの実施内容
実施しない
アクティブ・ラーニングの実施内容(その他の内容等)
授業におけるICTの活用方法
その他
授業におけるICTの活用方法(その他の内容等)
授業の冒頭に、前回の授業内容の理解度を確認するための小テスト(評価対象外)を行うことを予定している。
実務経験のある教員による授業
はい
【実務経験有の場合】実務経験の内容
1988年度から2021年度まで,国税庁(国税局)及び財務省主税局において,税制改正(相続税法,税理士法),法令解釈通達の制定(税務調査手続),訟務,税務調査,査察等に携わる。この間,ハーバード大学ロースクール国際租税講座で米連邦所得税法,付加価値税法等を学ぶ。
【実務経験有の場合】実務経験に関連する授業内容
税制・執行当局における実務で直面した租税回避・税務訴訟の実例等も紹介しながら,単なる税務会計の知識ではなく,基本となる考え方を学べる授業を目指します。
テキスト・参考文献等
[サブ・テキスト]
第1回の授業で指示する。
※ 成道秀雄監修・坂本雅士編著『現代税務会計論』中央経済社の最新版をサブ・テキストとして使用することを予定している。
[参考書籍]
渡辺徹也『スタンダード 法人税法〔第2版〕』弘文堂、2019年 ※入門編で参照
増井良啓・宮崎裕子『国際租税法〔第4版〕』東京大学出版会、2019年 ※中級編で参照
中里実ほか編『租税判例百選(第7版)』有斐閣,2021年 ※主に発展編で参照(中大データベースからの利用も可)
その他特記事項
〔授業で使用するソフトウェア〕
なし