シラバス
授業科目名 | 年度 | 学期 | 開講曜日・時限 | 学部・研究科など | 担当教員 | 教員カナ氏名 | 配当年次 | 単位数 |
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経営情報論 | 2024 | 春学期複数 | 月2,木4 | 商学部 | 堀内 恵 | ホリウチ サトシ | 3・4年次配当 | 4 |
科目ナンバー
CM-MN3-32XL
履修条件・関連科目等
Web登録科目です。
授業で使用する言語
日本語
授業で使用する言語(その他の言語)
授業の概要
【第1回~第14回】
人、モノ、カネとともに情報は、経営に欠くことができない要素となってきています。情報は、どの様な役割を持っているのか、どのように情報を駆使して経営を行っていくか、さらには企業やその他の組織体において情報を駆使する仕組みがどのようになっているのか、どのように仕組みを構築すればよいか等々、今日の重要な経営課題になっています。
そこで、この情報を駆使して組織体の維持と発展を支援する仕組みを、一般に経営情報システムと呼びます。経営情報システムは、人体でいうのなら「神経系」に相当します。
本講義は、組織体の情報システムの機能・役割を理論的に明らかにします。そして、この機能・役割を実現するために、これまでどのようなスローガンを掲げ、どのように情報技術を駆使して情報システムの研究と実践を進めてきたかを経営学的視点、さらには組織サイバネティックスという視点から明らかにします。また、情報技術を「魔法の杖」のように評価して、その利用の仕方が経営情報論の中心である発想の限界を明らかにします。
【第15回~第28回】
後半は、経営情報論に関する理論的研究というよりも、むしろ応用実践研究といえる内容です。したがって、経営情報に関する基礎理論が理解できていること(第1~第14回の理解)を前提にしつつ、今日注目されている情報ネットワーク・ベースのビジネス・プロセス・イノベーションや競争戦略の理論や方法論の実践的な妥当性を検討します。とくに学び取ってほしい点は、情報化によって企業革新や競争優位を実現している企業の多くは、情報技術の利用の仕方が優れているだけではなく、それ以上に人的・組織的な情報的相互作用の仕組みやあり方が優れている点です。事例研究を通じてこの点の理解を深めていきます。
科目目的
この科目は、3・4年を対象とする、商学部分野別専門科目の経営系として位置付けられています。この科目での学習を通じて、履修者が経営革新や情報化実践に対する認識を深めるとともに、その構築・評価に対する知識を習得することを目的としています。
現在、企業変革や組織革新においてコンピュータ、情報ネットワークなどの情報技術を駆使することは必然化しています。しかし、情報技術を駆使する情報システムを業務・管理活動に関連づけることなく、独立的に高度なシステムとして構築しても、十分に役割期待に応えることはできません。そこで情報システムは、業務・管理活動だけではなく環境や組織コンテキスト(状況)の一部として機能するように再構成することによって高度に機能するというという発想の理論的、実証的研究への理解を深めて、経営革新や情報化実践における現状分析や問題発見能力、そして情報化実践のための基礎能力を養います。
到達目標
事例、理論を通じて、下記の点についての理解を深める。
・はじめに情報技術ありきの発想や、情報技術を駆使する情報システムを、自己完結的・独立的に扱う情報化実践には限界があることを理解する。
・情報技術を駆使する情報システムは、必ずしも自己完結的、独立的に機能して、企業やその他の組織体のビジネス革新や組織革新に貢献しているわけではないことを理解する。
・情報技術は、直接的に組織の能率性や有効性の向上に貢献するのではなく、むしろ情報技術を利用する人的行動や判断を介して、組織体のビジネス改革や組織改革に間接的に貢献していることを理解する。
・情報技術は、情報技術に代替させることが困難な人間による情報的相互作用と補完的に機能することによって、組織への貢献度合いを高めに過ぎないことを理解する。
授業計画と内容
1. ネットワーク革命と現代の企業経営
2. 経営資源としての情報
3. 組織体の情報システム(組織サイバネティックス的理解)
4. 自己維持機能と自己組織化機能の支援
5. 伝統的情報システム観
6. 情報・通信技術(ICT)への期待と限界
7. 組織体の情報システムのあるべき姿 -今日的情報システム観-
8. 経営組織論と情報処理
9. 経営戦略と情報処理
10. MISと情報処理
11. DSSと意思決定
12. SISと競争戦略
13. プロセス・イノベーションと情報システム
14. 経営情報論の総括的評価
15. 経営情報システムの基本的原理
16. 典型的事例に見る情報システムの特性
17. 経営情報システムの構築方法
18. 日本的経営と情報システム構築方法論
19. 情報ネットワークと情報共有
20. 情報ネットワークと意思決定プロセス
21. 伝統的プロセス革新(TQM、BPR)の可能性と限界
22. 現代のプロセス革新(SCM、CRM、ERP)の可能性と限界
23. プロセス革新とソーシング戦略
24. プロセス革新と資源ベースの競争戦略
25. 囲い込み型情報ネットワークと情報化戦略
26. 協調型情報ネットワークと情報化戦略
27. 今後の(解釈主義的・状況的)情報システム設計方法論
28. 総括:今後の経営情報システムの理論・実践の在り方について
授業時間外の学修の内容
指定したテキストやレジュメを事前に読み込むこと/授業終了後の課題提出
授業時間外の学修の内容(その他の内容等)
・毎回の授業では、副教材をmanabaにアップしますので、各自コピーをして持参してください。副教材に該当するテキストの箇所を予習した上で授業に臨んでください(およそ授業時間と同じ時間が必要となる)。
・各回の授業では,ほぼ毎回何らかの課題(あるいはリアクション・ペーパー:授業内容に対する意見・気づき、疑問点など)をmanabaに準備しますので,指示に従って取り組んでください。また,採点して適宜返却しますので、しっかりと復習をしてください(およそ授業時間と同じ時間が必要となる)。
授業時間外の学修に必要な時間数/週
・毎週1回の授業が半期(前期または後期)または通年で完結するもの。1週間あたり4時間の学修を基本とします。
・毎週2回の授業が半期(前期または後期)で完結するもの。1週間あたり8時間の学修を基本とします。
成績評価の方法・基準
種別 | 割合(%) | 評価基準 |
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期末試験(到達度確認) | 70 | 授業で取り上げる経営情報論の理論や実践事例についてどの程度理解しているかによって評価します。 |
レポート | 30 | 授業で取り上げた経営情報論の理論や実践事例について、題意に沿って適切に説明できるかどうかによって評価します(授業中に実施)。 |
成績評価の方法・基準(備考)
課題や試験のフィードバック方法
授業時間内で講評・解説の時間を設ける/授業時間に限らず、manabaでフィードバックを行う
課題や試験のフィードバック方法(その他の内容等)
アクティブ・ラーニングの実施内容
実習、フィールドワーク
アクティブ・ラーニングの実施内容(その他の内容等)
授業におけるICTの活用方法
実施しない
授業におけるICTの活用方法(その他の内容等)
実務経験のある教員による授業
いいえ
【実務経験有の場合】実務経験の内容
【実務経験有の場合】実務経験に関連する授業内容
テキスト・参考文献等
[テキスト]
遠山 曉・ 村田 潔・古賀広志『現代経営情報論』 有斐閣アルマ、2021年 、2700円+税
その他特記事項
授業では、特別なソフトウェアは利用しません。