シラバス
授業科目名 | 年度 | 学期 | 開講曜日・時限 | 学部・研究科など | 担当教員 | 教員カナ氏名 | 配当年次 | 単位数 |
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コンピュータ会計基礎/会計システム(取引処理) | 2024 | 秋学期 | 金1 | 商学部 | 櫻井 康弘 | サクライ ヤスヒロ | 1年次配当 | 2 |
科目ナンバー
CM-AU1-21XL
履修条件・関連科目等
事前登録科目です。
履修希望者が定員を超過した場合は、抽選にて履修者を決めます。日程等の詳細を授業時間割で確認してください。
4つのクラス(異なる曜日・時限)は,すべて同じ内容を同じ教材によって進めていきます。クラスによって履修希望者が教室の受け入れ可能人数(50人)を超過した場合は,抽選にて履修者を決めることがあります。
この科目は,簿記論(1年次配当),アカウンティング入門(1年次配当)が関連します。この科目を履修するにあたって,どちらも単位修得(合格)が条件とはなりませんが,この科目の内容を理解するにはそれらを履修し,一定の水準に達していることが望ましいといえます。
授業で使用する言語
日本語
授業で使用する言語(その他の言語)
授業の概要
中規模以上の企業のほとんどが会計業務をコンピュータ運用しています。コンピュータにもとづく会計業務のうち,財務諸表(決算書類)を産出するための機能と構造をもつコンピュータ会計システムを「取引処理システム」(Transaction Processing System:TPS)といいます。この科目では,商品を仕入れて販売することを本業とする小売業態の商品売買業務に関するTPSを対象として,経営活動から生じる会計取引をコンピュータに入力し財務諸表を産出するまでの基本的な仕組みを,表計算ソフト(MS-Excel),PC用のデータベース・ソフト(Ms-Access)および実際に企業で使用されている会計パッケージソフトを各自が操作しながら学んでいきます。受講者が会計業務に関するコンピュータ操作の基礎を身につけ,企業の情報システムのなかで会計システムがどのような仕組みを持って,どのように位置づけられているのかについて学べるように講義内容を組み立てています。
いま世界の企業におけるコンピュータ会計は,企業規模や取引量の違いから独立型TPS,準統合型TPS,統合型TPSの3つのパターンに類型化されます。この科目では,それらのパターンごとに,コンピュータ会計が備える要件や特徴を浮き彫りにして,簡単な仮想企業の取引モデル教材から,その概念やコンピュータ操作方法の基礎を学びます。
科目目的
● この科目は,カリキュラム上の分野別専門科目(会計系)として位置付けられていることから,この科目の学習を通じて,学生が取引処理システムの仕組みに対する基礎的な知識を習得することを目的としています。
● 具体的には,コンピュータ会計上でのデータの流れ,各種帳簿の関係,関連する会計処理の特徴について,独立型TPS,準統合型TPS,統合型TPSごとに理解し,最終的にはコンピュータ会計の全体像を把握できることをねらいとします。
● この科目は、学生が学位授与の方針で示す「基礎知識・技能」を修得することを目的としています。
● また,専門的内容を通じて受講生に身につけて欲しい情報処理能力と数量的分析スキルの基礎を育むことを副次的目的としています。
到達目標
この科目では,以下を到達目標とします。
● コンピュータ上での会計処理の手順と構造の基礎を理解できるようにする。
● 手記簿記の要件がコンピュータ会計にどのように反映されるかを理解し、手記簿記とコンピュータ会計との相違と共通点を説明できるようになること。
● 取引処理システムの3つのパターンの特徴を理解し、それらの相違と共通点を説明できるようになること。
授業計画と内容
第1回 会計システムの構造:取引処理システム(TPS)の形態と総勘定元帳システム(GLシステム)
【セクション1】独立型TPSの概要
<授業の概要と到達目標> TPSの3つのタイプのなかの独立型TPSの構造は、他の2つのタイプにも共通する決算書類(財務諸表)の産出機能に特化しており、この共通の機能を担うシステムを総勘定元帳システム(GLシステム)といいます。ここではGLシステムを4つのサブシステムに分解し、表計算ソフト(Ms-Excel)を操作しながら、コンピュータ会計の基本形を学習します。受講者は各サブシステムにおけるデータとファイルの関係、コンピュータ会計特有の売上原価算定方法である「5勘定法」に基づく商品売買取引処理の仕組みを理解できるようにします。
第2回 総勘定元帳システム(独立型TPS)の基本構造①:GLモデルの概要と基本設計
第3回 総勘定元帳システム(独立型TPS)の基本構造②:取引入力サブシステムの設計と運用
第4回 総勘定元帳システム(独立型TPS)の基本構造③:試算表作成サブシステムの設計と運用
第5回 総勘定元帳システム(独立型TPS)の基本構造④:元帳作成サブシステムの設計と運用
第6回 総勘定元帳システム(独立型TPS)の基本構造⑤:決算処理と期末試算表作成サブシステム
【セクション2】準統合型TPSの概要
<授業の概要と到達目標> 準統合型TPSは、商品の仕入業務は仕入管理(購買管理)システムで、販売業務は販売管理システムで分散的に処理し、決算時点で各業務管理システムに保存された業務データを、自動仕訳を介してGLシステムに転送する仕組みを有します。ここでは、準統合型TPSの仕組みと手順について、実際に企業で使用される会計ソフトや業務管理ソフトを操作しながら学びます。受講者は取引の分散入力から決算書作成までのプロセスの仕組みを理解できるようにします。
第7回 準統合型TPSの構造と運用①:会計パッケージソフトの概要と取引モデルの概要
第8回 準統合型TPSの構造と運用②:会計ソフトの要件定義
第9回 準統合型TPSの構造と運用③:業務管理ソフトの要件定義
第10回 準統合型TPSの構造と運用④:業務データ入力と棚卸資産処理
第11回 準統合型TPSの構造と運用⑤:自動仕訳処理
第12回 準統合型TPSの構造と運用⑥:月次決算処理に関する実務的特徴
【セクション3】統合型TPSの概要
<授業の概要と到達目標> 統合型TPSは,各業務データを高度なデータベース管理システムで処理するため、業務の発生と決算情報がリアルタイムに結びつく会計情報を産出する機能を有します。ここでは、その仕組みと手順について、PC用データベース・ソフトであるMs-Accessを用いて学びます。
第13回 統合型TPSの構造:業務・会計のリアルタイム処理と売上原価対立法
第14回 総括・まとめ:帳簿の世界からコンピュータの世界へ
授業時間外の学修の内容
指定したテキストやレジュメを事前に読み込むこと/授業終了後の課題提出
授業時間外の学修の内容(その他の内容等)
● 毎回の授業で,テキストを補完するためのレジュメを使用します。レジュメは,授業前にmanabaにアップロードしておくので,各自ダウンロードして印刷し,テキストと共に予習した上で授業に臨んでください。
● 授業終了後には,その日の学習内容の理解度を確認するための課題に取り組んでください。
● 返却された課題を活用して復習をしておいてください。
授業時間外の学修に必要な時間数/週
・毎週1回の授業が半期(前期または後期)または通年で完結するもの。1週間あたり4時間の学修を基本とします。
・毎週2回の授業が半期(前期または後期)で完結するもの。1週間あたり8時間の学修を基本とします。
成績評価の方法・基準
種別 | 割合(%) | 評価基準 |
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平常点 | 100 | ● 課題提出 60% ① 授業中実習の進捗度・課題提出:コンピュータ操作による実習に関連して,実習の結果として確認できる会計数値や保存されたデータファイルの提出状況を評価します。 ② 授業内容確認のために特徴的な用語・会計処理等についてどの程度理解しているかを確認するための課題を,テキスト,授業中のレジュメ,各自のノートを参照して解答し,授業終了後または締切日時までにmanaba上で提出します。 ● 授業中間回実施の小テスト 20% 授業前半の内容に関する用語・概念・特定の理論に関する選択式の問題と記述形式の問題によって評価します。 ● 授業最終回実施の小テスト 20% 授業後半の内容に関する用語・概念・特定の理論に関する選択式の問題と記述形式の問題によって評価します。 |
成績評価の方法・基準(備考)
課題や試験のフィードバック方法
授業時間内で講評・解説の時間を設ける/授業時間に限らず、manabaでフィードバックを行う
課題や試験のフィードバック方法(その他の内容等)
● 提出された課題は採点のうえ適宜返却します。
● 課題に関する解説は,授業時間内に解説を行います。
● 小テストは採点のうえ適宜返却し解説を行います。
アクティブ・ラーニングの実施内容
実習、フィールドワーク
アクティブ・ラーニングの実施内容(その他の内容等)
コンピュータ会計の基本的な仕組みを,テキストの実習に沿って表計算ソフト(MS-Excel),データベース・ソフト(Ms-Access)を各自が操作しながら学んでいきます。
授業におけるICTの活用方法
実施しない
授業におけるICTの活用方法(その他の内容等)
実務経験のある教員による授業
いいえ
【実務経験有の場合】実務経験の内容
【実務経験有の場合】実務経験に関連する授業内容
テキスト・参考文献等
【テキスト】
河合久他著(2021)『コンピュータ会計基礎(改訂版)』創成社,定価1,900円+税
※ テキストにはコンピュータ実習の操作手順が示されていますので毎回必要となります。
その他特記事項
以下に留意して履修を決めてください。
● この講義はコンピュータ実習を伴いますので,ほぼ毎回,実習課題を提出することが必要となります。
● 授業時以外にMS-Excelを使った実習を各自で行う必要があります。端末室で行うか,中央大学ホームページから各自のパソコンにそれをインストールして行ってください。
〔ソフトウェアの利用〕
Microsoft社のExcel,Access
PCA会計DX システムB (会計ソフト)
PCA商魂・商管DX システムB (販売管理・仕入・在庫管理ソフト)