シラバス
授業科目名 | 年度 | 学期 | 開講曜日・時限 | 学部・研究科など | 担当教員 | 教員カナ氏名 | 配当年次 | 単位数 |
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財務会計論 | 2024 | 秋学期複数 | 月1,木3 | 商学部 | 大沼 宏 | オオヌマ ヒロシ | 2年次配当 | 4 |
科目ナンバー
CM-AU2-12XL
履修条件・関連科目等
会計学科対象のWeb登録科目です。
クラス指定科目となりますので詳細を授業時間割で確認してください。
授業で使用する言語
日本語/英語
授業で使用する言語(その他の言語)
授業の概要
この科目は企業会計全体の仕組みについて理解することを目的として構築された科目である。その柱となるのが会計基準である。今日の企業会計は会計基準が理論的・実務的な指針となっている。この会計基準を十分に理解することが企業会計全体の仕組みの理解に繋がる。その上で、財務諸表において計上される財務諸表項目の認識と測定の理論について学習する。
科目目的
この科目は、商学部分野別専門科目会計系に位置付けられている。
科目目的:財務諸表に関する認識と測定の理論とその構造を理解できる。企業経営と企業会計との結びつきについて理解できるようになる。
到達目標
到達目標:この科目を通じて、現在市場で起こっているさまざまな問題を自分の視点で考えられるようになる。また企業経営と会計の関係性を理解することが出来るようになり、企業会計を規制する会計諸基準の役割と意味を理解できるようになる。
授業計画と内容
1 企業会計の本質とそのフレームワーク(1):コミュニケーションツールとしての財務諸表
会計を取り巻く状況の変化~会計基準の国際統合化~
IFRS(国際会計基準)とSFAS(米国財務会計基準)
財務諸表の関連性~貸借対照表と損益計算書、株主資本等変動計算書、キャッシュフロー計算書~
会計情報のフィードバック効果
2 企業会計の本質とそのフレームワーク(2):概念フレームワークと会計の現在
利益の果たす役割と会計の3つの機能
企業の利害関係者と対話の意味
財務会計の概念フレームワークについて
3 会計制度の体系とIFRS・SFASの比較(1) :企業会計原則と企業会計基準
ビジネスの言語としての会計の構造
会計公準と会計基準の意義
会社法会計制度と金融商品取引法会計制度
会計制度と内部統制報告書、内部統制監査
4 会計制度の体系とIFRS・SFASの比較(2):会計基準とIFRS
IASB(国際会計基準審議会)とFASB(米国会計基準審議会)と概念フレームワークプロジェクト
IFRSとIASB、その歴史と変遷
IFRSとSFASと会計基準の統合化
5 会計ディスクロージャー(1):ディスクロージャーの意味と必要性
ディスクロージャーの制度と革新
法定開示とIRの相違とディスクロージャーの可能性
会計不祥事とJ-SOX法
6 会計ディスクロージャー(2) :インサイダー取引規制とディスクロージャーの関係
インサイダー取引の問題点
CSRからESG投資へ
統合報告書とIIRCフレームワーク
価値協創ガイダンスと伊藤レポート2.0
7 損益計算書(1):損益計算書総論
損益計算書のフォーム
区分表示とIFRS導入の影響
発生主義会計の意義
包括利益のディスクロージャー
8 損益計算書(2):収益
収益認識に関する最近の動向
実現主義の変遷と収益認識の新会計基準
投資のリスクの解放と実現主義
9 損益計算書(3):費用
費用と収益の対応原則と発生主義会計
費用の期間配分
引当金繰入額にみる発生主義会計
税効果会計
10 貸借対照表と損益計算書の連携
発生主義会計と費用配分
会計利益を取り巻く利害関係
会計政策と利益調整の可能性
11 キャッシュフロー計算書
キャッシュフロー計算書の歴史的変遷
キャッシュフロー計算書のフォームとその読み解き方
キャッシュフローと発生主義会計の連携
12 貸借対照表(1):資産総論
流動・固定の分類
貨幣性資産と費用性資産
公正価値評価と概念フレームワークプロジェクト
13 貸借対照表(2):資産各論パート1
当座資産の会計
有価証券の会計
棚卸資産の会計
14 貸借対照表(3):資産各論パート2
固定資産の減価償却と減損会計
減損会計から透徹される取得原価主義会計の変化
減価償却と法人税法会計
15 貸借対照表(4):資産各論パート3
繰延資産の会計
研究開発費の会計
リースの会計
16 貸借対照表(5):負債
見越繰延の会計処理と負債の認識
社債・長期借入金の会計
引当金
17 貸借対照表(6):資本(純資産)
資本と利益の区分
資本(純資産)の部と配当政策
新株予約権と自社株買い付け
17~18回辺りで前半を振り返るレポート課題を実施
18 金融商品会計(1):取得原価から時価、公正価値へ
リーマンショックと公正価値評価
有価証券と金融商品の認識と測定、評価
ヘッジ会計
金融商品とは何か~デリバティブ~
19 金融商品会計(2) :リスク・経済価値アプローチから財務構成要素アプローチへ
金融商品と企業リスクの関係について
金融商品会計基準の内容とその影響
資産流動化スキーム
20 金融商品会計(3):証券化とその影響
資産流動化スキームおける証券化の意義
不良債権処理と証券化に関する会計処理
金融資産負債の認識と消滅の認識
21 従業員の会計(1):従業員給付について
企業年金の仕組みと会計上の諸問題
年金費用の測定と認識
22 従業員の会計(2):年金負債と退職給付引当金の計算
退職給付信託と退職給付債務
未認識年金債務の認識測定と開示
23 従業員の会計(3):ストック・オプションと会計上の仕組み
ストックオプションの会計
ストック・オプションのディスクロージャー
24 連結集団の会計(1):連結財務諸表の会計~連結貸借対照表~
親会社概念とエンティティ概念
資産負債の再評価と資本連結
資本連結と非支配株主持分
25 連結集団の会計(2):連結財務諸表の会計~連結損益計算書~
開始仕訳と連結会社相互間取引
アップ・ストリームとダウン・ストリーム
26 連結集団の会計 (3):個別決算中心から連結決算中心へ、
支配獲得後の持分移動-追加取得と一部売却-
セグメント情報の拡充
27 連結集団の会計(4):応用論点
中間連結財務諸表と四半期報告
持ち分法の適用
連結納税制度とグループ納税制度とその効果
28 まとめ
全体の振り返りと確認
授業時間外の学修の内容
指定したテキストやレジュメを事前に読み込むこと
授業時間外の学修の内容(その他の内容等)
予習:講義前にテキストを事前に読み、問題点について確認する。難解な記述があればリストアップしておく(2時間程度)。
復習:各章終了毎に確認テストを実施するので、講義内容を再度テキスト等で読み直し、不明な点を無くすようにする。確認テストの一部から到達度評価試験を実施するので、確認テスト自体についても復習しておく(2時間程度)。
授業時間外の学修に必要な時間数/週
・毎週1回の授業が半期(前期または後期)または通年で完結するもの。1週間あたり4時間の学修を基本とします。
・毎週2回の授業が半期(前期または後期)で完結するもの。1週間あたり8時間の学修を基本とします。
成績評価の方法・基準
種別 | 割合(%) | 評価基準 |
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中間試験 | 30 | 中間レポートは、講義中間時点において、講義内で説明してきた講義内容の理解度を確認するために行われる。レポート課題のテーマは、講義前半において説明してきた内容から特に重要と思われるトピックが適宜選ばれる。評価基準としては、レポート課題の作成を通じて、履修者の論理的記述、論理的思考を踏まえて今日の企業社会についての基礎知識を理解した上で、数的な見地、及び理論的見地から説明できるかどうかを評価する。 |
期末試験(到達度確認) | 50 | 到達度評価試験は、講義期末時点において,講義内で説明してきた講義内容の理解度を確認するために行われる。内容は講義全体,主として後半の理解度を評価するため、記述(論述)問題と計算問題から構成される。 その評価基準としては、講義内容全体についての周辺知識を理解した上で、今日の企業社会で生じている様々な事象を会計基準、実務指針、会計慣行、ビジネス実務等を参考にしながら自分の言葉で説明できるかどうかを評価する。 |
平常点 | 20 | 講義予定から分かるように、講義は数多くのトピックから構成される。これらトピックの説明が終了する毎に、manabaにおいて簡単な確認テストを実施する。内容は、テキストを読めばすぐ出来る程度の問題である。途中経過時点での履修者の理解度を確認するために行われる。 |
成績評価の方法・基準(備考)
平常点は毎回講義終了時に実施する確認テストおよび補足的に行う講義への出席状況確認から総合的に算定される。確認テストは毎回の講義後、manabaにて実施する。これについて24回以上提出し、中間レポートと到達度評価試験の両方を提出及び受験した者のみが、成績評価の対象になる。講義への出席状況の確認は、履修者の出席状況を踏まえ、数回行う。
※4回以上欠席したものは到達度評価試験の受験を認めないので気を付けること。
※詳細は講義最初のガイダンスにおいて説明する。
課題や試験のフィードバック方法
授業時間に限らず、manabaでフィードバックを行う
課題や試験のフィードバック方法(その他の内容等)
アクティブ・ラーニングの実施内容
PBL(課題解決型学習)
アクティブ・ラーニングの実施内容(その他の内容等)
授業におけるICTの活用方法
タブレット端末
授業におけるICTの活用方法(その他の内容等)
実務経験のある教員による授業
いいえ
【実務経験有の場合】実務経験の内容
【実務経験有の場合】実務経験に関連する授業内容
テキスト・参考文献等
[テキスト] 伊藤邦雄(2022)『新・現代会計入門(第5版)』(日本経済新聞社)
講義開始時点に最新版が出版されているときは最新版を使用する。
最新版はkindleによる電子版も利用できる。こちらもお勧めである。
[参考書] 『会計法規集』(中央経済社) およびwebsite上の会計諸基準のコピー
主に日経新聞を中心とする新聞記事
Webにおけるネットニュース
その他特記事項
ソフトウェアの利用なし