シラバス
授業科目名 | 年度 | 学期 | 開講曜日・時限 | 学部・研究科など | 担当教員 | 教員カナ氏名 | 配当年次 | 単位数 |
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国際会計論 | 2024 | 秋学期 | 火4 | 商学部 | 辻野 幸子 | ツジノ サチコ | 3・4年次配当 | 2 |
科目ナンバー
CM-AU4-12XL
履修条件・関連科目等
この講座は、2年次配当の「英文会計論」を受講していることを前提としています。「英文会計論」を受講していなくても受講可能ですが、必要に応じて「英文会計論」のテキスト(「すらすら図解 新IFRSのしくみ」あずさ監査法人 IFRSアドバイザリー室編、中央経済社)等を用いて、IFRSの基礎的な知識のキャッチアップをお勧めします。
授業で使用する言語
日本語
授業で使用する言語(その他の言語)
授業の概要
この授業では、2年次配当の「英文会計論」に引き続き、現在、世界中で広く用いられている国際財務報告基準(IFRS会計基準)について学習します。IFRS会計基準に限らず会計基準の理解のためには、基準の内容に加えて、なぜそのような定めとなっているのか、その背景や考え方についても理解していることが重要です。そのため、この授業では、IFRS会計基準の全体的な理解と考え方に焦点を当てて解説を行います。
毎回の授業では、教員の説明を聞くだけでなく、学生が自身の理解度をチェックし、また、考えを述べたり他の学生の意見を聞いたりする機会を提供することを目的として、適宜、Respon のクリッカー・アンケート機能等も活用することを予定しています。
科目目的
この科目は商学部分野別専門科目会計系に位置付けられており、IFRS会計基準の中級講座に該当します。
現在、IFRS会計基準は世界140か国以上(任意適用を認めている国も含めると、160か国近く)で採用されており、グローバルな見地から会計について議論する際には、IFRS会計基準の内容を十分に理解していることが求められます。また、日本においても、任意適用企業数が増加している中(2023年11月末現在、267社)、IFRS会計基準の理解は、任意適用企業の経営者及び経理担当者だけでなく、財務諸表の利用者、規制当局、監査人等、会計に携わる様々な立場の人にとっても重要なものとなっています。国際的な会計基準との比較可能性の観点から、IFRS会計基準は日本の会計基準の開発にも大きな影響を及ぼすようになっており、IFRS会計基準を学ぶことは、今後の会計基準を考え、理解するための基礎にもつながります。
本講義では、IFRS会計基準の入門レベルを学習済みの学生を対象とし、学生が将来、様々な立場から実務でIFRS会計基準を適用したり、またはIFRS会計基準のより深い研究を進めたりする際の基礎固めとなるように、IFRS会計基準の全体像を把握し、主立った基準の内容と考え方について理解を深めることを目的としています。また、日本基準とのハイレベルな相違について習得することも目的としています。
到達目標
以下を目標とします。
・ IFRSの概念フレームワークについて、概要を理解している。
・ IFRSの主要な基準の概要と考え方について理解している。
・ IFRSと日本基準のハイレベルな相違について理解している。
授業計画と内容
テキスト及びレジュメを用いて、以下の内容について学習する予定です。
第1回 オリエンテーション、IFRSとは(序章)、概念フレームワーク前編(第1章)
第2回 概念フレームワーク後編と公正価値測定(第2章)
第3回 IFRSにおける財務諸表の全体像(第3章)、棚卸資産と生物資産(第5章)
第4回 収益認識(第4章)
第5回 固定資産(第6章)
第6回 リース(第7章)
第7回 負債の会計 引当金・偶発負債(第8章)
第8回 従業員給付と株式に基づく報酬(第9章)
第9回 法人所得税(第10章)
第10回 金融商品(第11章)
第11回 外貨換算とヘッジ会計(第12章)
第12回 他の企業への投資と連結財務諸表(第13章)
第13回 企業結合(第14章)
第14回 総括・まとめ(IFRS会計基準の考え方と主な基準の内容の振り返り)
授業計画は、シラバス作成時点のものであり、授業の進み具合等に応じて適宜変更する可能性があります。
授業時間外の学修の内容
指定したテキストやレジュメを事前に読み込むこと/授業終了後の課題提出
授業時間外の学修の内容(その他の内容等)
テキスト及びレジュメを見直し、授業内容の理解を深めるようにしてください。授業内容の復習に役立てるため、小テストによる理解確認等の事後課題を課す予定です。
授業時間外の学修に必要な時間数/週
・毎週1回の授業が半期(前期または後期)または通年で完結するもの。1週間あたり4時間の学修を基本とします。
・毎週2回の授業が半期(前期または後期)で完結するもの。1週間あたり8時間の学修を基本とします。
成績評価の方法・基準
種別 | 割合(%) | 評価基準 |
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期末試験(到達度確認) | 70 | 授業で扱ったIFRS会計基準の考え方及び主要な基準の内容を理解できているかについて確認します。 |
平常点 | 30 | Respon 等を用いた毎回の授業参加の積極性・貢献度合、及び課題の提出とその成績に基づき評価します。 |
成績評価の方法・基準(備考)
授業におけるResponへの回答状況や課題提出等の積み上げが平常点となり、またその比率が高いため、毎回出席して授業に積極的に参加するとともに、課題等を期限内に提出することが必要となります。
課題や試験のフィードバック方法
授業時間内で講評・解説の時間を設ける/授業時間に限らず、manabaでフィードバックを行う/その他
課題や試験のフィードバック方法(その他の内容等)
毎回の授業後、テキスト及びレジュメを見直し、授業内容の理解を深めるようにしてください。授業内容の復習に役立てるため、簡単なまとめの作成や小テストによる理解確認等の事後課題を課す予定です。
アクティブ・ラーニングの実施内容
その他
アクティブ・ラーニングの実施内容(その他の内容等)
「授業の概要」に記載したとおり、理解度の確認や意見発信・他者意見確認のため、Respon のクリッカーやアンケート機能等を適宜用いながら授業を進める予定です。
授業におけるICTの活用方法
タブレット端末
授業におけるICTの活用方法(その他の内容等)
授業中に理解度チェックや意見発信・他者の意見確認のため、Responのクリッカー・アンケート機能などを利用することを予定しているため、PC、タブレット端末、スマートフォン等を持参してください。
実務経験のある教員による授業
はい
【実務経験有の場合】実務経験の内容
公認会計士。有限責任あずさ監査法人 パートナー(現職)。
1994年10月から現在に至るまで、同監査法人にて、会計監査や会計アドバイザリ-業務に従事したほか、長年にわたり法人の品質管理業務に従事し、会計基準等の情報収集・提供業務、研修・セミナー講師、執筆活動などを行っている。また、公認会計士として、公認会計士試験試験委員(財務会計論、2017年12月-2021年1月)、企業会計基準委員会(ASBJ)の収益認識専門委員会専門委員、日本公認会計士協会(JICPA)が設置する各種委員会の委員などに従事。
【実務経験有の場合】実務経験に関連する授業内容
会計基準そのものの解説に加え、公認会計士としての実務経験や基準設定等に関与した経験を踏まえ、会計基準の背景にある考え方や実務への影響などにも触れつつ授業を進めていきたいと思います。
テキスト・参考文献等
【テキスト】
・「論点で学ぶ国際財務報告基準(IFRS)」山田辰己、有限責任 あずさ監査法人(新世社)
・上記テキストのほか、教員が作成するレジュメを用いる予定です。
【参考文献】
・「IFRS基準<注釈付き>2022」IFRS財団編 企業会計基準委員会監訳 公益財団法人財務会計基準機構監訳
(中央経済社)
・IFRS財団のウェブサイト(https://www.ifrs.org/)
・「詳細解説 IFRS実務適用ガイドブック(第3版)あずさ監査法人編、山田辰己責任監修(中央経済社)
・その他、必要に応じて、お知らせします。
その他特記事項
ソフトウェアの利用なし