シラバス
授業科目名 | 年度 | 学期 | 開講曜日・時限 | 学部・研究科など | 担当教員 | 教員カナ氏名 | 配当年次 | 単位数 |
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マーケティング・リサーチ | 2024 | 秋学期複数 | 火4,金2 | 商学部 | 酒井 麻衣子 | サカイ マイコ | 2年次配当 | 4 |
科目ナンバー
CM-MK2-13XL
履修条件・関連科目等
事前登録科目です。
履修希望者が教室の定員を超過した場合には、抽選にて履修者が決まります。日程等の詳細を授業時間割で確認してください。
授業で使用する言語
日本語
授業で使用する言語(その他の言語)
授業の概要
マーケティング・リサーチの全体像を学ぶとともに、講義と分析演習を中心に、定量データの分析における基礎的な「分析のフレームワーク」と「分析技術」を身につけます。データ分析については、前半ではデータの扱い方や、基礎統計、2変量の関係性を把握する基礎的な検定方法の活用を中心に学び、後半では企業のマーケティング活動で取得されるさまざまなデータにおける多変量解析の活用を中心に学びます。最後にリサーチ(定量調査)の実践演習に取り組み、知識と技術の定着を図ります。
※本講義の分析演習では、企業で広く導入されている専門的な統計解析ソフトIBM SPSS Statisticsを用います。
科目目的
《本科目は商学部カリキュラム上の分野別専門科目 商業・貿易系/国際マーケティング系に位置付けられています》
企業のマーケティング活動においては、その目標達成や課題解決のためにさまざまな意思決定が行われます。その際に重要視されるのが、マーケティング・リサーチによって得られる客観的なデータです。
しかし、マーケティング・リサーチの体系は非常に広範でその種類も多岐にわたり、また実務の現場で日々進化しているため、すべてを網羅的にマスターすることは困難です。よって本講義では、マーケティング・リサーチの全体像をおおまかに把握した上で、数あるリサーチ手法の中でももっとも一般的で活用範囲が広い、質問紙による定量調査に焦点を当てます。
定量調査の有効活用のためには、「どのような知見を得たいときに、どのような分析手法が適切であるから、どのようなデータが必要である」といった「分析のフレームワーク」を身に着けていることが必須となります。もちろん、得られたデータを正しく分析し、正しく結果を読み取るという「分析技術」も同様に重要となります。
本講義では、マーケティング・リサーチの基本知識と、定量データの分析における基礎的な「分析のフレームワーク」と「分析技術」を身につけることを目的とします。
到達目標
データ分析については、データの入力・加工方法、集計やグラフ化による基本的なデータの特徴の捉え方、データ間の関連性を統計的に明らかにする方法、さらに多変量解析の中でも代表的な3つの分析手法(クラスター分析・回帰分析・因子分析)を習得すると同時に、企業で広く導入されている専門的な統計解析ソフトIBM SPSS Statisticsの操作方法を身につけます。
さらに、マーケティング課題に応じた調査課題を設定し、適切な定量調査の調査票設計ができるようになることを到達目標とします。
授業計画と内容
<マーケティング・リサーチの概要>
1.マーケティングにおけるリサーチの役割
2.マーケティング課題とリサーチ課題 、さまざまなリサーチ手法
<データ分析ツール>
3.SPSSの使い方
<基礎統計>
4.質的変数の要約と視覚化
5.量的変数の要約と視覚化
6.基礎統計:まとめ
<仮説検定>
7.仮説検定の考え方:概要
8.仮説検定の考え方:詳細
<二変数間の関係性をとらえる>
9.質的変数×質的変数の関係の視覚化・カイ2乗検定
10.量的変数×量的変数の関係の視覚化・相関係数、偏相関係数
11.質的変数×量的変数の関係の視覚化
12.t検定、分散分析
13.二変数間の関係性をとらえる:まとめ
14.中間まとめ
<代表的な多変量解析手法>
15.クラスター分析 :概要
16.クラスター分析 :詳細
17.因子分析 :概要
18.因子分析 :詳細
19.回帰分析 :概要
20.回帰分析 :詳細
21.多変量解析:まとめ
<定量調査の実践演習>
22.テーマ設定、マーケティング課題・リサーチ課題の明確化
23.調査票の作り方
24.調査設計
25.実査
26.データ分析、結果の解釈
27.定量調査の実践演習:まとめ
28.最終まとめ
※講義の進捗によっては、実施講を変更することがあります。
授業時間外の学修の内容
その他
授業時間外の学修の内容(その他の内容等)
業内で取り組む課題シートが次講までの宿題となることがあります。
レポート作成(合計10数時間程度)や、定量調査の実践演習における調査票作成(講義間に各1~2時間程度)、分析作業(合計5~6時間程度)などが授業外での学習となります。
またデータ分析に関しては、毎回の演習の積み重ねで修得するものですので、前講までの学習内容を必ず復習してくることが必須となります(各1時間程度)。
授業時間外の学修に必要な時間数/週
・毎週1回の授業が半期(前期または後期)または通年で完結するもの。1週間あたり4時間の学修を基本とします。
・毎週2回の授業が半期(前期または後期)で完結するもの。1週間あたり8時間の学修を基本とします。
成績評価の方法・基準
種別 | 割合(%) | 評価基準 |
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中間試験 | 20 | ・正しくデータの種類を見極められるか ・データの種類に適した要約と視覚化を正しく行い、特徴を文章で説明できるか ・適切な統計手法を選択し、分析結果を読み取り、文章で説明できるか ・仮説検定の考え方を初学者に分かるように説明できるか |
期末試験(到達度確認) | 20 | ・マーケティング・リサーチの役割や種類を説明できるか ・各多変量解析手法の基本的な仕組みと特徴を説明できるか ・各多変量解析手法を実施する上での重要ポイントや留意点を説明できるか |
レポート | 45 | ・統計解析ソフトIBM SPSS Statisticsの基本的操作法を身に付けているか ・実際のデータに対し分析を正しく実施し、結果をレポートとして適切に表現することができるか ・マーケティング課題に応じた調査課題の設定ができるか ・設定された調査課題に対し、定量調査において適切な調査票設計ができるか |
平常点 | 15 | 授業への参加・貢献度、積極的な受講態度 |
成績評価の方法・基準(備考)
課題や試験のフィードバック方法
授業時間内で講評・解説の時間を設ける
課題や試験のフィードバック方法(その他の内容等)
アクティブ・ラーニングの実施内容
実施しない
アクティブ・ラーニングの実施内容(その他の内容等)
授業におけるICTの活用方法
クリッカー
授業におけるICTの活用方法(その他の内容等)
実務経験のある教員による授業
はい
【実務経験有の場合】実務経験の内容
数社の企業で、統計解析ソフトSPSSのユーザーサポート、顧客企業のデータ分析コンサルティング、顧客マーケティングやデータ分析の仕事に携わる
【実務経験有の場合】実務経験に関連する授業内容
リサーチとデータ分析の基礎を身に着け、マーケティング課題およびリサーチ課題に対し、正しくデータ分析を応用できる力を養う演習を行う
テキスト・参考文献等
〔テキスト〕
テキストは特に指定せず、講義時に資料を配布します。
以下を参考書として適宜参照することを推奨します。
〔参考書〕
【マーケティング・リサーチについて】
・上田拓治(2008)『マーケティングリサーチの論理と技法 第4版』日本評論社
・酒井隆(2012)『実務入門 図解アンケート調査と統計解析がわかる本〔新版〕』日本能率協会マネジメントセンター
・酒井隆(2004)『マーケティングリサーチハンドブック』日本能率協会マネジメントセンター
・堀洋道(監修)『心理測定尺度集Ⅰ~Ⅵ』サイエンス社
【SPSSの使い方】
・酒井麻衣子 (2016) 『SPSS完全活用法 データの入力と加工(第4版)』 東京図書
【基礎統計について】
・酒井麻衣子 (2004) 『SPSS完全活用法 データの視覚化とレポートの作成』 東京図書
・石村貞夫・石村光資郎 (2021)『SPSSによる統計処理の手順 第9版』 東京図書
【多変量解析について】
・朝野熙彦 (2017) 『入門 多変量解析の実際』 筑摩書房(ちくま学芸文庫)
・石村貞夫・石村光資郎 (2021)『SPSSによる多変量データ解析の手順 第6版』 東京図書
その他特記事項
以下のソフトウェアを使用します
IBM SPSS