シラバス
授業科目名 | 年度 | 学期 | 開講曜日・時限 | 学部・研究科など | 担当教員 | 教員カナ氏名 | 配当年次 | 単位数 |
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演習Ⅱ | 2024 | 秋学期 | 火2 | 商学部 | 舟木 律子 | フナキ リツコ | 3年次のみ | 2 |
科目ナンバー
CM-IF3-12XS
履修条件・関連科目等
3年次配当の事前登録科目です。
演習Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ・Ⅳ・論文はセット履修科目です。
授業で使用する言語
日本語
授業で使用する言語(その他の言語)
授業の概要
[テーマ] 「移民社会」日本の実態について
このゼミでは、「移民社会」日本の実態について、具体的な事例と全体像を示すデータを通して、わかりやすく理解することを目指します。学生のみなさんは自分たちが特に興味を持っているテーマについて、その実態に詳しい当事者の協力を得ながら調査を行い、卒業論文を書きます。具体的には、日本の入管行政や、外国人労働者、外国人家族、外国人の教育、地域社会への参加などについて現状を学びます。将来的に日本が国籍や民族、人種に関わらず、どんな人も住みやすい国となるためには、何が必要なのかを考えます。
《3年次》
みんなで一緒に本を読みます。ゼミでは毎回、みんなで話し合うための司会担当を決めます。本の課題となる部分の内容についてディスカッションを行います。ゼミに参加する全員が事前に課題の箇条書きレポートを提出してもらいます。司会担当となった人は、自分が一番大切だと思うポイントを示すスライドを準備し、それを元にディスカッションを始めます。また、4年生になったときに行う調査の準備として、質的研究の方法について同時に学んでいきます。
《4年次》
これまで学んできたテーマの中から、特に興味を持っているテーマを選びます。そのテーマに関する質的調査を行い、その結果を論文にまとめます。同じようなテーマに取り組む仲間とともに研究グループを作り、それぞれが自分の研究を進めながら、関連する情報を共有したり、フィールドワークをしたり、問題についてディスカッションしたりすることで、協力し合います。
科目目的
この科目は、カリキュラム上の「商学部アドヴァンスト科目」であり、商学部スタンダード科目及び商学部分野別専門科目の発展的な科目として位置づけされています。この科目での学習を通じて、主体的学習能力を習得することを目的としています。
この演習では、「移民社会」日本の現状を理解し、具体的な事例に関するフィールドワークを通じて質的データの収集と分析方法を学びます。さらに、調査依頼、参与観察、インタビューやプレゼンテーション等を通して、コミュニケーション能力も同時に向上させます。
到達目標
以下を到達目標とします。
・移民社会としての日本の実態を理解する。
・国内世論、関連法改正の審議過程を通して、社会と政治のつながりを具体的に理解する。
・社会科学の研究手法の基礎的な考え方、特に質的研究の考え方とプロセスを理解し、自分の研究に活用できる。
授業計画と内容
〈3年生〉【春学期】
第1回 ガイダンス
第2回 入管法とはどのような法律か?
第3回 ウィシュマ・サンダマリさんとは誰か?
第4回 仮放免者とはどのような人々か?チリ人ペニャさんのケースから
第5回 入管法改正法案審議過程はどのように進められたのか?(衆議院)
第6回 入管法改正法案審議過程はどのように進められたのか?(参議院)
第7回 公権力による外国人差別はなぜ起こったのか?
第8回 移民は犯罪を増加させるか?世論調査と犯罪白書のデータから
第9回 孤立出産した技能実習生は、なぜ「罪」に問われたのか?
第10回 深夜のコンビニ惣菜工場で働いているのは誰か?
第11回 農業・漁業を支えているのは誰か?
第12回 縫製業 ファストファッションの台頭で瀕死の業界を支えているのは誰か?
第13回 介護 超高齢化社会を支えているのは誰か?
第14回 総括
※期間中、日本国内で移民社会の現状を学ぶために、国内の関連自治体や関連機関を訪れて日帰りの実態調査を行うことがあります。また、移民社会の現状をよく知る当事者をゲストスピーカーとして招くこともあります。そのため、学習内容が前後したり、一部は秋学期にずれ込むこともあります。
【秋学期】
第15回 日本が移民の送り出し国だった時代 なぜ日本人は移民したのか?
第16回 日本が移民の送り出し国だった時代 ブラジル社会の日系人の歩んだ道と現在
第17回 日本が移民の送り出し国だった時代 ペルー社会の日系人の歩んだ道と現在
第18回 在日コリアン どのような経緯で日本で生活するようになったのか?
第19回 在日コリアン 制度的排除と社会的差別 なぜなくならないのか?
第20回 教育 日本人と同じ教育機会を保障しているのに、何が問題なのか?
第21回 労働 日本政府のざんねんな政策的一貫性とは何か?
第22回 外国人集住団地「共存・共生」は可能か?川口市芝園団地のケースから
第23回 外国人集住団地「共存・共生」は可能か?江東区UR大島六丁目団地のケースから
第24回 調査準備① 研究を通して何を明らかにしたいのか?
第25回 調査準備② 何のために「先行研究」を読むのか?
第26回 調査準備③ インタビューで何がわかるのか?フィールドで何を観察するのか?
第27回 調査準備④ 調査を始める前に知るべきこと 研究倫理とは?
第28回 総括
〈4年生〉【春学期】
第1回 研究論文の書き方についてガイダンス
第2回 質的データ分析の基本的な考え方と作業
第3回 研究計画発表①
第4回 研究計画発表②
第5回 研究計画発表③
第6回 研究計画発表④
第7回 研究計画発表⑤
第8回 先行研究報告①
第9回 先行研究報告②
第10回 先行研究報告③
第11回 先行研究報告④
第12回 先行研究報告⑤
第13回フィールドワークの準備
第14回 総括
※就職活動が一段落した人から、本格的フィールドワークを開始します。秋学期開始までにフィールドワークの主要調査を終えるようにしてください。
【秋学期】
第15回 フィールドワーク報告:質的データ分析の結果をどのようにまとめればよいのか?
第16回 質的データ分析報告①
第17回 質的データ分析報告②
第18回 質的データ分析報告③
第19回 質的データ分析報告④
第20回 研究結果の記述と考察パートは何をどう書けばよいのか?
第21回 卒論ドラフト発表①
第22回 卒論ドラフト発表②
第23回 卒論ドラフト発表③
第24回 卒論ドラフト発表④
第25回 卒論ドラフト修正発表①
第26回 卒論ドラフト修正発表②
第27回 卒論ドラフト修正発表③
第28回 卒論ドラフト修正発表④
授業時間外の学修の内容
指定したテキストやレジュメを事前に読み込むこと/授業終了後の課題提出/その他
授業時間外の学修の内容(その他の内容等)
・フィールドワーク(少なくとも3回は調査対象となるサイトに訪問します)
授業時間外の学修に必要な時間数/週
・毎週1回の授業が半期(前期または後期)または通年で完結するもの。1週間あたり4時間の学修を基本とします。
・毎週2回の授業が半期(前期または後期)で完結するもの。1週間あたり8時間の学修を基本とします。
成績評価の方法・基準
種別 | 割合(%) | 評価基準 |
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レポート | 50 | 形式と議論の質、締め切りまでに提出できたかという点を評価します。※剽窃、生成系AIが作成した文書の使用は、成績評価の対象から除外します。 |
平常点 | 50 | ディスカッションへの参加態度、研究発表の内容を評価します。公欠届けや配慮願のない欠席、遅刻は減点対象となります。 |
成績評価の方法・基準(備考)
課題や試験のフィードバック方法
授業時間内で講評・解説の時間を設ける/授業時間に限らず、manabaでフィードバックを行う
課題や試験のフィードバック方法(その他の内容等)
アクティブ・ラーニングの実施内容
PBL(課題解決型学習)/ディスカッション、ディベート/グループワーク/プレゼンテーション/実習、フィールドワーク
アクティブ・ラーニングの実施内容(その他の内容等)
授業におけるICTの活用方法
クリッカー
授業におけるICTの活用方法(その他の内容等)
実務経験のある教員による授業
いいえ
【実務経験有の場合】実務経験の内容
【実務経験有の場合】実務経験に関連する授業内容
テキスト・参考文献等
〈テキスト〉
安田奈津紀『隣人のあなた:「移民社会」日本でいま起きていること』(岩波ブックレット1071)[2022]
ISBN 978-4-00-271071-6
永吉希久子『移民と日本社会:データで読み解く実態と将来像』(中公新書2580)[2020]
ISBN 978-4-12-102580
太田裕子『はじめて「質的研究」を「書く」あなたへ:研究計画から論文作成まで』東京図書[2019]
ISBN 978-4-489-02320-0
〈参考文献〉
澤田晃宏『外国人まかせ:失われた30年と技能実習生』株式会社サイゾー[2022]
原由利子『日本にレイシズムがあることを知っていますか?:人種・民族・出自差別をなくすために私たちができること』合同出版[2022]
高谷幸(編著)『移民政策とは何か:日本の現実から考える』人文書院[2019]
岡崎広樹『外国人集住団地:日本人高齢者と外国人の若者の”ゆるやかな共生”』(扶桑社新書434)[2022]
その他特記事項
〔募集人数〕
15人
〔募集方法〕
レポート(manaba「レポート」利用)
面接試験
〔国外実態調査〕
実施しない
※ソフトウェアの利用なし