シラバス
授業科目名 | 年度 | 学期 | 開講曜日・時限 | 学部・研究科など | 担当教員 | 教員カナ氏名 | 配当年次 | 単位数 |
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監査論Ⅰ | 2024 | 前期 | 火2 | 経済学部 | 岸 牧人 | キシ マキト | 3年次配当 | 2 |
科目ナンバー
EC-AU3-341X
履修条件・関連科目等
授業で使用する言語
日本語
授業で使用する言語(その他の言語)
授業の概要
<学位授与方針と当該授業科目の関連>
この科目は、現実把握力(経済学の専門知識及び社会・人文・自然科学の知識教養に裏付けられた広い視野に立った柔軟な知性に基づき、現実の経済現象を的確に把握することができる)の修得に関わる科目です。
<概要>
受講生の皆さんは,「監査」という言葉からどのような行為をイメージするだろうか。社会にはさまざまな形態の「監査」が存在するが,この講義で学習の対象とするのは,企業会計とともに企業単位の経済活動や市場経済全体の基盤として機能しているタイプの「監査」である。
この前提に立って,監査という行為をさらに性質によって分類すれば,企業経営の中で展開されるさまざまな行為の妥当性に対する検証(行為の監査)と,行為の結果として企業が発信する情報の信頼性に対する検証(情報の監査)という二つの系列の監査を認識することができる。これらの異なる系列の監査は,それぞれ異なる目的をもって,異なる方法によって実施され,企業単位や経済社会に対して異なるインパクトを与えている。この講義を受講する皆さんにとって,監査を法制度によって分類し,学習の起点とすることは有効であるが,包括的な理解と体系化を図るためには,法制度の基礎となっているこれら二つの系列の監査を理解することが必須である。
この講義では,こうした観点から「監査」という行為の原理原則について学習するとともに,監査の基本的な考え方が法制度上の監査とどのように結びつき,経済社会にどのように貢献しているか,あるいは貢献すべきかについて基本的な考え方を教示する。
科目目的
監査の基本的な枠組みと,金融商品取引法に基づく公認会計士監査および会社法に基づく監査役あるいは監査委員等による監査制度について講義する。
監査とは何を目的として行われるのか,またいかなる行為であるかについて理解するとともに,監査制度と経済社会との関わりについて理解することを目的とする。
到達目標
経済社会の中で監査がどのような役割を果たしているか,また果たすべきかについて考察するために必要な知見を得ることを本講義の到達目標とする。
授業計画と内容
第1回 「監査」に対するイメージと実際の「監査」
第2回 企業不正と監査
第3回 二つの系列の監査(行為の妥当性の監査と情報の信頼性の監査)
第4回 近代監査の発展過程(19世紀イギリス~20世紀アメリカにおける監査の史的変遷)
第5回 日本の監査制度の成立と発展(二つのビジネス・ローと監査)
第6回 旧商法に基づく監査役監査制度の成立と展開
第7回 旧商法特例法に基づく会計監査人監査の意義
第8回 会社法に基づく委員会設置会社の意義と監査委員監査
第9回 旧証券取引法に基づく公認会計士監査制度の成立と展開
第10回 金融商品取引法に基づく企業内容開示制度と財務諸表監査の意義
第11回 公認会計士法における公認会計士監査制度の意義と課題
第12回 公認会計士法における監査法人制度の意義と課題
第13回 監査基準における監査人の人的要件
第14回 監査人の法的責任と免責要件
授業時間外の学修の内容
授業終了後の課題提出/その他
授業時間外の学修の内容(その他の内容等)
この講義は,①前回の「講義内レポート」の返却と解説を15分,②その回の講義を70分,③その回の「講義内レポート」作成を15分という構成で実施する。
授業時間外の学修に必要な時間数/週
・毎週1回の授業が半期(前期または後期)または通年で完結するもの。1週間あたり4時間の学修を基本とします。
・毎週2回の授業が半期(前期または後期)で完結するもの。1週間あたり8時間の学修を基本とします。
成績評価の方法・基準
種別 | 割合(%) | 評価基準 |
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その他 | 100 | 講義ごとに,その日の講義内容に関する「講義内レポート」を実施する。レポートは各5点満点で採点し,翌講義の冒頭で返却するので,受講者は自分の得点を把握することができる。@5点×14回=70点の60%(42点)を合格点とする。 |
成績評価の方法・基準(備考)
成績評価の詳細,および公欠の要件等については初回の講義で説明する。
課題や試験のフィードバック方法
授業時間内で講評・解説の時間を設ける/その他
課題や試験のフィードバック方法(その他の内容等)
講義内レポートの解説を翌講義の冒頭で行う。また,講義内レポートに「ひとことコメント」の欄を設け,講義の感想や質問を受け付ける。採点時に回答し,翌講義で返却する。
アクティブ・ラーニングの実施内容
実施しない
アクティブ・ラーニングの実施内容(その他の内容等)
授業におけるICTの活用方法
実施しない
授業におけるICTの活用方法(その他の内容等)
実務経験のある教員による授業
いいえ
【実務経験有の場合】実務経験の内容
【実務経験有の場合】実務経験に関連する授業内容
テキスト・参考文献等
長吉眞一,岸牧人ほか著『監査論入門』(開講時の最新版),中央経済社。
その他特記事項
初回の講義において,受講上の注意事項及び評価方法の詳細に関して説明するので必ず出席すること。