シラバス
授業科目名 | 年度 | 学期 | 開講曜日・時限 | 学部・研究科など | 担当教員 | 教員カナ氏名 | 配当年次 | 単位数 |
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監査論Ⅱ | 2024 | 後期 | 火2 | 経済学部 | 岸 牧人 | キシ マキト | 3年次配当 | 2 |
科目ナンバー
EC-AU3-342X
履修条件・関連科目等
授業で使用する言語
日本語
授業で使用する言語(その他の言語)
授業の概要
<学位授与方針と当該授業科目の関連>
この科目は、現実把握力(経済学の専門知識及び社会・人文・自然科学の知識教養に裏付けられた広い視野に立った柔軟な知性に基づき、現実の経済現象を的確に把握することができる)の修得に関わる科目です。
<概要>
「期末売掛金残高は1,000百万円である」,「期末棚卸資産の時価は800百万円である」,「純資産額300百万円の会社を500百万円で買収したので,のれんは200百万円である」。これらの経済事象は,簿記・企業会計の知識があれば瞬間的に理解ができる,あるいは仕訳が思い浮かぶ人は「会計アタマ」である。対して,これらの金額はどこから来たのか,その根拠は何か。こうしたことを考える人は「監査アタマ」である。本講義では,「監査アタマ」になって企業の経済活動・経済事象を考える。具体的には,公認会計士による財務諸表の監査を前提として,監査の実施と報告に関する方法論的枠組みと,その背景にある監査の基礎理論について学習する。
端的に言えば,財務諸表監査の目的は,財務諸表が適正であるかどうかについて監査人(公認会計士)が監査意見を表明することにある。一方で,証券市場経済を前提とする経済社会においては,企業による不正な財務報告(いわゆる粉飾決算)を摘発することが期待されている。そのため,現在の財務諸表監査では,財務諸表に重要な虚偽の表示がないかどうかについて確かめることが財務諸表監査の実践的な目的であるといえる。
このような財務諸表監査の目的を達成するための監査人の行動を規範化したものが監査基準である。本講義では,財務諸表監査の実施と報告に関する基礎知識を習得するために,監査基準における主要な論点について説明するとともに,各論点の理論的基盤に関する視座を提供する。
科目目的
金融商品取引法に基づく公認会計士監査(財務諸表監査)の基本的枠組みと財務諸表監査の基礎理論について講義する。財務諸表監査の実施と報告に関する基礎知識を習得することを目的とする。
到達目標
財務諸表監査の方法論を理解することによって,企業内容開示制度における現代的課題について監査の視点から考察するために必要な知見を得ることを本講義の到達目標とする。
授業計画と内容
第1回 「会計アタマ」と「監査アタマ」
第2回 「監査アタマ」で考えるアサーションと監査要点,監査証拠
第3回 企業の内部統制概念と財務諸表監査
第4回 内部統制概念の歴史的変遷過程と会計士監査
第5回 リスク・アプローチによる監査の基本的な考え方
第6回 事業上のリスク等を重視したリスク・アプローチの展開
第7回 監査手続と監査証拠
第8回 監査上の重要性概念
第9回 監査結果の報告と監査報告書の改革(Audit ReportからAuditor's Reportingへ)
第10回 除外事項と監査意見,追記情報の種類と意義
第11回 継続企業の前提に関する監査人の検討(1)制度導入の背景,基本的枠組み
第12回 継続企業の前提に関する監査人の検討(2)実例によるケーススタディ,現代的課題
第13回 内部統制報告書の監査
第14回 財務諸表監査の品質をめぐる諸課題
授業時間外の学修の内容
授業終了後の課題提出/その他
授業時間外の学修の内容(その他の内容等)
この講義は,①前回の「講義内レポート」の返却と解説を15分,②その回の講義を70分,③その回の「講義内レポート」作成を15分という構成で実施する。
授業時間外の学修に必要な時間数/週
・毎週1回の授業が半期(前期または後期)または通年で完結するもの。1週間あたり4時間の学修を基本とします。
・毎週2回の授業が半期(前期または後期)で完結するもの。1週間あたり8時間の学修を基本とします。
成績評価の方法・基準
種別 | 割合(%) | 評価基準 |
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その他 | 100 | 講義ごとに,その日の講義内容に関する「講義内レポート」を実施する。レポートは各5点満点で採点し,翌講義の冒頭で返却するので,受講者は自分の得点を把握することができる。@5点×14回=70点の60%(42点)を合格点とする。 |
成績評価の方法・基準(備考)
成績評価の詳細および公欠の要件等については,初回の講義で説明する。
課題や試験のフィードバック方法
授業時間内で講評・解説の時間を設ける/その他
課題や試験のフィードバック方法(その他の内容等)
講義内レポートの解説を翌講義の冒頭で行う。また,講義内レポートに「ひとことコメント」の欄を設け,講義の感想や質問を受け付ける。採点時に回答し,翌講義で返却する。
アクティブ・ラーニングの実施内容
実施しない
アクティブ・ラーニングの実施内容(その他の内容等)
授業におけるICTの活用方法
実施しない
授業におけるICTの活用方法(その他の内容等)
実務経験のある教員による授業
いいえ
【実務経験有の場合】実務経験の内容
【実務経験有の場合】実務経験に関連する授業内容
テキスト・参考文献等
長吉眞一,岸牧人ほか著『監査論入門』(開講時のの最新版),中央経済社。
その他特記事項
初回の講義において,受講上の注意事項及び評価方法の詳細に関して説明するので必ず出席すること。