シラバス
授業科目名 | 年度 | 学期 | 開講曜日・時限 | 学部・研究科など | 担当教員 | 教員カナ氏名 | 配当年次 | 単位数 |
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課題演習Ⅰ | 2024 | 春学期 | 火5 | 商学部 | 熊倉 広志 | クマクラ ヒロシ | 2年次配当 | 2 |
科目ナンバー
CM-BS2-11XS
履修条件・関連科目等
2年次配当の事前登録科目です。
マーケティング関連科目(マーケティング入門、消費者行動論、マーケティング・リサーチなど)および統計学に関する知識を有していることが望ましいです。
授業で使用する言語
日本語
授業で使用する言語(その他の言語)
授業の概要
〔テーマ〕
新製品開発のためのマーケティング ―顧客視点から皆さんのアイディアを形にしよう―
◆4名でチームを組織し、新製品・新サービス開発マネージャーやブランド・マネージャーの立場から、新製品開発・既存製品改良のためのマーケティング戦略を立案します。
◆方法:マーケティング
マーケティング・マネジメントのプロセス(STP4P)であるマーケットセグメンテーション(市場細分化)、ターゲッティング、ポジショニング(製品差別化)、製品戦略、価格戦略、流通戦略、プロモーション戦略について、①基礎的な理論と方法を学びます。
次に、②特定の市場・製品をひとつ選択し、新製品開発マネジャーやブランド・マネージャーの立場から、新製品開発・製品改良のためのマーケティング戦略を立案します。
定期的に、③立案した戦略をプレゼンテーションし、受講者全員で議論します。
戦略立案にあたっては、消費者調査とデータ分析による裏付けがあると説得力が高まります。
◆視点:顧客洞察
新製品開発・改良にあたっては、企業や技術の視点ではなく、顧客の視点に立脚します。
たとえば、高級チョコレートの新製品開発について考えてみましょう。イタリア・コルシカ島で収穫できる蜂蜜を原料と用いると、とても美味しいチョコレートを生産できます。そこで、これを「コルシカ島産の蜂蜜を使用した濃厚な味わいの高級チョコレート」として売り出したとします。これは、原料や製法などに注目しているため、技術(企業)視点による新製品開発です(私たちが目指す新製品開発ではありません)。
一方、顧客は、高級チョコレートに何を求めているのか考えてみましょう。美味しさでしょうか。たとえば、バレンタイン・デー(チョコが1年で最も売れる日です)にプレゼントするとき、顧客はチョコを食べ物というより、自分の気持ちを相手に伝える「愛情表現」の手段として用います。そこで、バレンタイン・デーに、愛情表現の手段として、皆さんが贈りたい(もらいたい)チョコを考えてみましょう。たとえば、「アルファベットA~Zを刻印した26種類の小さな角型チョコレートを用意する。顧客が、それを自由に組み合わせて箱詰めすることにより、メッセージを贈ることができるチョコレート」があるかもしれません。たとえば、8個のチョコを並べて『I LOVE YOU』、6個のチョコで『KISS ME』と表現できます。こんなチョコを贈ってみたい・もらってみたいと思いませんか。これが、顧客視点による新製品開発です。
実は、このアイディアは既に製品化されています。でも、皆さんの中にも、同じことを考えた人は多いのではないでしょうか。チョコの原料や製法について全く知らなくても、顧客として購買・消費することにより、どのような製品が求められているのかを、皆さんは知っているはずです(顧客視点による新製品開発で重要なことは、マーケティング研究・消費者行動研究の視点から、皆さんの日常生活や経験を捉えることです)。日常生活を通じて感じたこと・思いついたことを、マーケティング理論と方法に基づいて、戦略として具現化して下さい。
◆私の目標
昔、メーカーで営業として、証券会社で企業アナリストとして、広告会社でマーケッターとして働いてきました。企業で働くことの意味や楽しさ(&つらさ…?)についても、皆さんに伝えることができれば嬉しいです。
古い教育を受けてきたためか、学生さんの欠点をついつい指摘してしまい、いかん…といつも反省しています。「褒めて育てる」「長所を伸ばす」を目標としています(でも、達成は簡単ではないです)。皆さんと一緒に、私も成長できれば嬉しいです。
科目目的
この科目は、ベーシック演習Ⅰ・Ⅱで養成された基礎的な能力を、具体的なテーマに沿って応用・発展させることで、適応力・判断力・実践力を身につけ、他者と協働する能力を養うことを目的としています。
新製品開発を通じて、マーケティング研究の基礎となる理論・方法を理解します。
到達目標
2020~2023年度は、マイナビの協力を得て大学生向けの新製品・新サービスの提案しました(参加4チーム中、2023年度は2位入賞1チーム、2022年度は2位入賞1チーム・佳作1チーム、2021年度は5位入賞1チームでした)。2014・2019年度は、中大生協の協力を得て、生協食堂に関する提案をしました。2015・2016年度は、セブン-イレブン・ジャパンの協力の下、セブン-イレブンのプライベート・ブランドや新サービスなどを提案しました(2017・2018年度は、授業を開講しませんでした)。
なお、2021年度以降、夏と冬に2社に提案しています。2024年度も、同様に2社に提案する予定です。このため、濃密に学習・準備する必要があります。
相手先企業・組織に提出した成果物は、以下を参照して下さい。
https://sites.google.com/g.chuo-u.ac.jp/kumakura/%E8%AA%B2%E9%A1%8C%E6%BC%94%E7%BF%92/%E6%8F%90%E6%A1%88
授業計画と内容
〔授業内容〕
春学期は、主に新製品開発に必要なマーケティング概念や消費者調査の方法について学びます。
なお、2021年度以降、春学期に1社、秋学期に別の1社に提案しています。このため、忙しく学習・準備する必要がありました。2024年度も可能であれば、春学期と秋学期に2社に提案します。
秋学期は、春学期に習得した知識・方法を用いて、消費者調査・店頭調査などを実際に行い、新製品アイディアを形にしていきます。
〔授業計画〕
授業計画は、授業のWebサイトで随時、更新します。なお、授業計画は変更されることがあります。
春学期・秋学期ともに、企業の方を招いて、中間発表会・最終発表会を予定しています。
(春学期)
第1回 オリエンテーション
第2回 課題説明
第3回 新製品開発の視点
第4回 消費者価値
第5回 顧客と製品
第6回 新製品開発のプロセス
第7回 企業によるご講演(予定)
第8回 SWOT分析プレゼンテーション
第9回 価値の発見
第10回 アイディア創出
第11回 アイディア創出のための方法
第12回 製品デザイン
第13回 製品アイディア・プレゼンテーション(前半)
第14回 製品アイディア・プレゼンテーション (後半)
(秋学期)
第1回 消費者調査の方法
第2回 市場の定義
第3回 市場細分化の概念
第4回 市場細分化の方法
第5回 市場細分化の事例
第6回 市場細分化プレゼンテーション
第7回 ターゲット選択
第8回 製品差別化の概念
第9回 ポジショニングの概念
第10回 ポジショニングの方法
第11回 ポジショニング・プレゼンテーション
第12回 製品提案プレゼンテーション(前半)
第13回 製品提案プレゼンテーション (後半)
第14回 最終成果発表会
授業時間外の学修の内容
指定したテキストやレジュメを事前に読み込むこと/授業終了後の課題提出/その他
授業時間外の学修の内容(その他の内容等)
企業見学・調査、プレゼンテーションなどのために、企業や店舗などを訪問することがあるかもしれません。授業を優先してもらって結構ですが、積極的に参加してくれると嬉しいです。
コロナ禍が収束すれば、その他…
◆ゼミ対抗球技大会
◆スポーツ(フリスビー・アイススケート・ヨットなどが好きです。一緒にやりませんか)
◆レクレーション(カードゲーム、ボードゲームなど。一緒に遊んで下さい)
◆飲み会、食事会、お茶会(at研究室)
◆3年の演習Ⅰへの進路準備などなど
も考えています。
授業時間外の学修に必要な時間数/週
・毎週1回の授業が半期(前期または後期)または通年で完結するもの。1週間あたり4時間の学修を基本とします。
・毎週2回の授業が半期(前期または後期)で完結するもの。1週間あたり8時間の学修を基本とします。
成績評価の方法・基準
種別 | 割合(%) | 評価基準 |
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レポート | 50 | グループで複数回のプレゼンテーションをお願いします。 |
平常点 | 50 | 毎回参加し、毎回発言して下さい。 |
成績評価の方法・基準(備考)
(春学期)
発表・発言およびレポートにより総合的に評価します。なお、無断で欠席した場合、参加率が80%に満たない場合、発表をしなかった場合、レポートを提出しなかった場合には、E判定とします。
(秋学期)
発表・発言およびレポートにより総合的に評価します。なお、無断で欠席した場合、参加率が80%に満たない場合、発表をしなかった場合、レポートを提出しなかった場合には、E判定とします。
企業で16年間勤務してきました。企業と学校との大きな違いは、勉強に対する仲間の評価です。企業では、勉強する人間が尊敬されます(一流企業ほど、その傾向にあります)。一方、学生の中では、なぜか、勉強=カッコ悪いという雰囲気があります。勉強する学生、努力する学生を高く評価します。
課題や試験のフィードバック方法
授業時間内で講評・解説の時間を設ける
課題や試験のフィードバック方法(その他の内容等)
アクティブ・ラーニングの実施内容
PBL(課題解決型学習)/ディスカッション、ディベート/グループワーク/プレゼンテーション/実習、フィールドワーク
アクティブ・ラーニングの実施内容(その他の内容等)
授業の多くは、皆さんの発表と議論です。
授業におけるICTの活用方法
その他
授業におけるICTの活用方法(その他の内容等)
プレゼンテーション、データ分析などにおいて、PCなどの情報機器を利用します。
実務経験のある教員による授業
はい
【実務経験有の場合】実務経験の内容
メーカーで営業として2年、証券会社で流通業担当の企業アナリストとして2年、広告会社でマーケッターとして12年間、働いてきました。マーケティングや広告が楽しくて(!)、教員になってしまいました。企業で働くことの意味や楽しさ(&つらさ…?)についても、皆さんに伝えたいです。
【実務経験有の場合】実務経験に関連する授業内容
マーケティングの理論と実務は、車の両輪・コインの裏表です。理論と実務の両方を理解することにより、マーケティング論を深く楽しく学べます!具体的な事例を数多く、ご紹介します。皆さんも、具体的な事例を調べて紹介して下さい。
テキスト・参考文献等
〔テキスト〕
Webサイトを通じて、ノート・資料を配布します。
〔参考文献〕
アーバン、ハウザー、ドラキア(1989)『プロダクトマネジメント』プレジデント。
優れた参考文献でが、絶版なので図書館などで閲覧して下さい。
その他特記事項
〔募集人数〕
16名(4名×4チーム)
〔注意事項〕
意欲的・積極的でリーダーシップがとれ、打たれ強く忍耐力のある学生さんを歓迎します!!
質問があれば、メールを下さい(kumakura@tamacc.chuo-u.ac.jp)。
〔募集方法〕
◆面接:皆さんの長所を見せて下さい(多様な人材を求めています)。
◆エントリーシート:面接に先立ってエントリーシートを提出して下さい。詳しくは、応募者に連絡します。
◆成績:1年次の成績表のコピーを事務室から入手する予定です。応募にあたっては、私が皆さんの成績を事務室から入手することに同意して下さい。
〔国外実態調査〕
◆実施しません。
〔ソフトウェアの利用〕
◆消費者調査を実施し、データを分析し、提案につなげます。ただし、ソフトウェアの利用方法については説明しませんので、各チームで利用可能な方法により分析して下さい。
参考URL
ゼミ生を思い浮かべながら、『草のみどり』に原稿を書きました。以下から読んでみて下さい(タイトルに脱字があるのが、恥ずかしいです)。
http://c-faculty.chuo-u.ac.jp/~kumakura/kumakura/PDF/kusanomidori.pdf
ゼミのHPです(私が作成しているのですが、センスが良くないです。どなたか手伝って下さい)。
https://sites.google.com/g.chuo-u.ac.jp/kumakura/%E8%AA%B2%E9%A1%8C%E6%BC%94%E7%BF%92