シラバス
授業科目名 | 年度 | 学期 | 開講曜日・時限 | 学部・研究科など | 担当教員 | 教員カナ氏名 | 配当年次 | 単位数 |
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課題演習Ⅰ | 2024 | 春学期 | 金5 | 商学部 | 宇田川 幸大 | ウダガワ コウタ | 2年次配当 | 2 |
科目ナンバー
CM-BS2-11XS
履修条件・関連科目等
2年次配当の事前登録科目です。
授業で使用する言語
日本語
授業で使用する言語(その他の言語)
授業の概要
〔テーマ〕
歴史学の思考法で社会を読む
残念ながら、今でも世界中でたくさんの問題が同時多発的に生じています。戦争、暴力、貧困、病など、皆さんも日々の暮らしの中でたくさんの問題群に出会う機会があると思います。しかし、私も含めてこれらの諸問題を、一体どれくらいきちんと説明できるでしょうか!? 報道を聞いて何となくのイメージを作ってそれでおしまい、というケースも多いかもしれません。しかし、これではなかなか各事件の根本原因は見えてきません。そして原因が分からないということは、解決策も見いだせない、ということになります。この「原因」を考える際に大きな力を発揮するのが歴史学です。
このゼミでは、世界と日本で生じている様々な問題(戦争、暴力、貧困、病など)を、歴史学の方法を使って解釈し、分析し、解決方法を見出すための力をつけてゆきます。物事の根本原因は、かならず過去にあります。従って、歴史的分析を棚上げにしたまま社会問題の検討を行おうとしても、それは結局のところ、原因を無視して解決策を探る、という実に不毛で近視眼的なやり方に陥ってしまいます。これでは改善策を見出すどころか、火に油を注ぐことになりかねません。
歴史学的なものの見方を現実社会の分析に応用することを通して、①受講生の「課題」(将来の進路、研究テーマなど、皆さん自身が今後取り組む様々な「課題」を指します)を自らの手で発見すること、②問題意識を鍛えること、③自身の考えをアカデミックに表現できるようにすること、という三つの力を養っていただきたく思います。
なお、このゼミは歴史学だけでなく、人文科学・社会科学全般に関する広い知識を養い、これらの手法を使いこなせるようになりたい、という方にも対応しています! 従って、政治学、国際法学、社会学、社会経済学、ジェンダー、哲学といった諸分野についても学修してみたい、幅広い見識を養いたい、という方にもぜひおすすめしたいゼミになります。
本演習は「学びたい」という意欲を持つ方へのサポートを全力を挙げて行います。研究・学修に関する相談は綿密におこなってゆきます。
※本課題演習は、教職志望者の方にもおすすめです!(教師に不可欠の能力の一つは、幅広い学識です。そうした学識を磨く機会を、このゼミでは提供できると思います!)
(春学期)
まずはウクライナ戦争を事例として、戦争の原因、展開、そして今後の展望について、歴史学の手法を使って検討を加える作業を行いたいと思います。この作業を通して、歴史学を事例分析に用いてゆく具体的な方法と手続きを学びます。
授業は、テキストの輪読・報告・討論によって展開します。必要に応じて教員がプリントを配布して補足説明を行います。報告者を決め、各自に発表をしていただきます。
(秋学期)
秋学期は、春学期に学んだ内容を基に、各自が重要だと思う社会問題を1つ選択して、これについて歴史学的な検討を加え、今後の改善策を提示してゆく、という応用編の授業に入っていきます。運営方法などについては、受講生の皆さんと相談して変更してゆく可能性もあります。特に秋学期は、受講生一人一人の問題関心に応じた臨機応変な運営を目指したいと思います。
科目目的
この科目は、ベーシック演習Ⅰ・Ⅱで養成された基礎的な能力を、具体的なテーマに沿って応用・発展させることで、適応力・判断力・実践力を身につけ、他者と協働する能力を養うことを目的としています。
(春学期)
世界と日本で生じている様々な問題を、歴史学の方法を使って解釈し、分析し、解決方法を見出すための力を修得することを目的とします。また、3年生以降の専門的な学修や演習で必要な調査・研究の基本的な方法・発想を身につけることも目的とします。
(秋学期)
春学期と同じですが、秋学期は、参加者各自が自らの検討テーマを設定し、歴史学的な検討を加える作業に入るため、「自分で論点を明らかにし、ゼミでそれを報告する」という力を身につけることが、いっそう重要な目的になってきます。
到達目標
①世界と日本で生じている様々な問題(戦争、暴力、貧困、病など)を、歴史学の方法を使って解釈し、分析し、解決方法を見出すための力をつけること。
②「自分の問題関心を精査する→問題関心に基づいて検討課題を自分で設定する→調査・研究を進める→論文・レポートにまとめる」という基本的な流れを知り、これらを実践できるようになること。
授業計画と内容
内容構成は、進捗状況や受講生の問題関心に応じて変更する可能性もあります。また、映像資料を視聴することもあります。なお、受講生が決定した段階で一度プレゼミを開催し、今後の詳しい進め方について相談します。その際に具体的なスケジュールについても相談します。
(春学期)
【歴史学の基礎と調査方法を学ぶ】
第1回:歴史学の方法の基礎―ガイダンスを兼ねて―
第2回:一般書・学術書の読み込み方、基本的調査方法の説明
【テキストの輪読】
第3回:ウクライナ戦争の歴史的経緯
第4回:NATOの東方拡大と戦争
第5回:これまでに生じた戦争とその原因
第6回:軍拡と戦争
第7回:戦争の規制をめぐる国際関係史
第8回:平和運動の歴史的展開
第9回:近現代日本の戦争
第10回:東アジアの戦争をどのように防ぐのか
第11回:テキスト全体の総括
【期末レポート作成に向けた準備】
第12回:期末レポート作成のための討論・相談(基礎編)
第13回:期末レポート作成のための討論・相談(応用編)
第14回:春学期の議論のまとめ(後期に向けて夏休みをどのように過ごすかなどについても相談します。)
(秋学期)
第1回:ガイダンス(報告者の順番決めなどを含む)
【各自のテーマ設定に関する授業】
第2回:参加者の今後のテーマの発表(何をテーマとするか、何を歴史的に読み解くかの発表)
第3回:参加者の今後のテーマに関わる先行研究の発表
【原典資料、データを読む】
第4回:史料・データを読む訓練(政治家・軍人などの手記・日記を読む)
第5回:史料・データを読む訓練(民衆の日記を読む)
第6回:史料・データを読む訓練(国会会議録と世論調査を読む)
【期末レポート準備と個人報告】
第7回:期末レポートで何をどのように論じるか
第8回:個人研究報告(各自のテーマに関する報告)
第9回:個人研究報告(各自のテーマに関する報告)
第10回:個人研究報告(各自のテーマに関する報告)
第11回:個人研究報告(各自のテーマに関する報告)
第12回:個人研究報告(各自のテーマに関する報告)
第13回:個人研究報告(各自のテーマに関する報告)
第14回 秋学期の議論のまとめ(受講生による今後の研究テーマの発表)
授業時間外の学修の内容
指定したテキストやレジュメを事前に読み込むこと/授業終了後の課題提出/その他
授業時間外の学修の内容(その他の内容等)
(春学期)
報告者は、報告の準備(テキストの徹底的な読み込み、関連文献の読み込み、レジュメ作成、報告にあたっての論点析出)がメインです。報告者以外のメンバーも、授業での議論を成立させるための準備(テキストの読み込み、質問の準備、論点提示の準備、関連文献の読み込み)を行います。
(秋学期)
春学期と同じです。
授業時間外の学修に必要な時間数/週
・毎週1回の授業が半期(前期または後期)または通年で完結するもの。1週間あたり4時間の学修を基本とします。
・毎週2回の授業が半期(前期または後期)で完結するもの。1週間あたり8時間の学修を基本とします。
成績評価の方法・基準
種別 | 割合(%) | 評価基準 |
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レポート | 50 | 詳しくは授業内で説明します。独自性、論理性、科学的な書き方(脚注の表記、アカデミックライティングの作法など)がきちんと踏まえられているかを総合的に判断します。 |
その他 | 50 | 報告内容(25%)、議論内容(25%)とします。いずれも入念な準備がなされているか、独自の視点が提出されているか、報告と議論の科学的な手順が遵守されているかを基に、総合的に判断します。詳しくは授業内で説明します。 |
成績評価の方法・基準(備考)
(春学期)
なお、レポート未提出者には単位を与えません。無断欠席など、ゼミの運営を妨げる行為を行った場合には単位を与えません。
(秋学期)
春学期と同じです。
課題や試験のフィードバック方法
授業時間内で講評・解説の時間を設ける/授業時間に限らず、manabaでフィードバックを行う/その他
課題や試験のフィードバック方法(その他の内容等)
研究・学修に関する相談は随時受け付けたいと思います。
メールなどの方法も駆使しながら、きめ細やかな指導・相談体制を構築します。
こうした相談の中で、重要な気づきや発見に出会うことがたくさんありますので、指導・相談体制を最大限に活用していただきたいと思います。
アクティブ・ラーニングの実施内容
ディスカッション、ディベート/プレゼンテーション
アクティブ・ラーニングの実施内容(その他の内容等)
授業におけるICTの活用方法
実施しない
授業におけるICTの活用方法(その他の内容等)
実務経験のある教員による授業
いいえ
【実務経験有の場合】実務経験の内容
【実務経験有の場合】実務経験に関連する授業内容
テキスト・参考文献等
〔テキスト〕
(春学期)
南塚信吾・油井大三郎・木畑洋一・山田朗『軍事力で平和は守れるのか―歴史から考える』岩波書店、2023年
(秋学期)
秋学期のテキストについては、春学期中に受講生の皆さんと相談して確定したいと思います。
〔参考文献〕
(春学期)
適宜、紹介します。
(秋学期)
適宜、紹介します。
その他特記事項
〔募集人数〕
15名程度
〔募集方法〕
志望動機(エントリー時にC plusで入力)
対面での面接試験
〔国外実態調査〕
実施しない
〔授業中に用いるソフトウェアについて〕
授業中に用いるソフトウェアは特にありません。
ただし、報告レジュメや期末レポートはWordで書いていただきます。
〔入ゼミを検討してくださっている方へメッセージ!〕
このゼミで最も大切な「入ゼミ資格」は「学問を通して学びたい」という意欲です。
こうした志と想いを持っている受講生の方については、全力でサポートを行いたいと思います!