シラバス
授業科目名 | 年度 | 学期 | 開講曜日・時限 | 学部・研究科など | 担当教員 | 教員カナ氏名 | 配当年次 | 単位数 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
東南アジア経済論 | 2024 | 春学期複数 | 火3,金1 | 商学部 | 福島 康博 | フクシマ ヤスヒロ | 3・4年次配当 | 4 |
科目ナンバー
CM-NE3-23XL
履修条件・関連科目等
Web登録科目です。
授業で使用する言語
日本語
授業で使用する言語(その他の言語)
授業の概要
東南アジア諸国(ASEAN加盟10か国と東チモール)は、人口がおよそ6.2億人でEU(約5.1億人)よりも多い、日本にとって重要な貿易パートナーです。そのため、経済的側面を含めこの地域の情勢を理解することは、この地域に進出している、あるいは進出を検討している日本企業にとって重要です。
春学期前半(1-14回)は、東南アジアの各国に注目します。一般的に東南アジア諸国は、ユーラシア大陸側の大陸部東南アジアと、南シナ海の島嶼部東南アジアとに大別されますが、本科目では主に島嶼部の国々、すなわちマレーシア、インドネシア、シンガポール、タイ、フィリピン(ASEAN原加盟国でもある)の5カ国を取り上げます。これらの国々は、言語、文化、宗教、政治システムが大きく異なっており、このことが各国の経済を大きく特徴づけています。本科目では、5カ国を2回にわけて取り上げ、その国の国民性と市場の特徴、経済構造、および日本との経済関係を概観します。
春学期後半(15-28回)は、ハラール産業に注目します。イスラームというと「中東の宗教」のイメージがありますが、世界最大のムスリム人口を抱える国はインドネシアであるように、島嶼部東南アジアはイスラームの影響力が強い地域です。イスラームは、その信者であるムスリム(イスラーム教徒)の生活のあり方を規定しており、経済活動も例外ではありません。中でも、イスラームに基づいた商品・サービスを提供するハラール産業が盛んになっています。こうした状況に対して日本では、新たなマーケットとしてムスリム市場へ進出する企業が増えています。そこで本科目は、東南アジアのイスラームと経済に注目し、その関係性と各産業の現状を解説します。具体的には、ハラール食品、ムスリム・フレンドリー・ツーリズム、イスラーム金融について、マレーシアとインドネシアの事例を中心に取り上げるとともに、日本企業の取り組みを検討します。
科目目的
この科目は、ディプロマ・ポリシーが掲げる卒業に必要な「知識・能力・態度等」のうち、特に以下の点を修得・理解するために実施されます。
・東南アジアに関する人文・社会知識の修得
・東南アジア各国の経済に対する定性的・定量的分析能力の修得
・東南アジアを舞台とするビジネス活動と国際貿易に関する知識の修得
・イスラーム/ムスリムをはじめ、東南アジア各国の異文化の理解と文化多様性の尊重
到達目標
この科目では、以下を到達目標とします。
・東南アジアの国々の経済状況を理解する。
・東南アジアの国々と日本との経済面での繋がりを理解する。
・東南アジアにおいてイスラームと経済がどのように結び付いているかを知る。
授業計画と内容
「授業の概要」に基づいて授業を展開します。
下記のスケジュールに沿って授業を行いますが、現地情勢(選挙やクーデター、自然災害など)や進捗状況、履修者の関心に応じて変更になることもあります。
01回 ガイダンス、講義の進め方、成績評価の方法、など
02回 統計データで見る東南アジア
03回 ASEANの仕組みと役割、大陸部東南アジアの国々 (1)ミャンマー
04回 大陸部東南アジアの国々 (2)ベトナム、ラオス、カンボジア
05回 マレーシア経済 (1)経済構造と市場の特徴
06回 マレーシア経済 (2)長期傾向と日本との経済関係
07回 インドネシア経済 (1)経済構造と市場の特徴
08回 インドネシア経済 (2)長期傾向と日本との経済関係
09回 シンガポール経済 (1)経済構造と市場の特徴
10回 シンガポール経済 (2)長期傾向と日本との経済関係
11回 タイ経済 (1)経済構造と市場の特徴
12回 タイ経済 (2)長期傾向と日本との経済関係
13回 フィリピン経済 (1)経済構造と市場の特徴
14回 フィリピン経済 (2)長期傾向と日本との経済関係
15回 ディスカッション
16回 イスラームの考え方
17回 イスラームと社会経済 (1)暦、消費生活
18回 イスラームと社会経済 (2)ハラール産業
19回 ハラール食品 (1)イスラームと食
20回 ハラール食品 (2)マレーシアのハラール認証制度
21回 ハラール食品 (3)ハラール認証の問題点と課題
22回 ムスリム・フレンドリー・ツーリズム (1)聖地巡礼と観光
23回 ムスリム・フレンドリー・ツーリズム (2)観光のハラール認証制度
24回 ムスリム・フレンドリー・ツーリズム (3)外国人ムスリム観光客の傾向
25回 ムスリム・フレンドリー・ツーリズム (4)日本のムスリム対応
26回 イスラーム金融 (1)イスラームからみた金融
27回 イスラーム金融 (2)イスラーム金融商品の仕組み
28回 イスラーム金融 (3)イスラーム金融の歴史と現状
授業時間外の学修の内容
指定したテキストやレジュメを事前に読み込むこと
授業時間外の学修の内容(その他の内容等)
授業時間外の学修に必要な時間数/週
・毎週1回の授業が半期(前期または後期)または通年で完結するもの。1週間あたり4時間の学修を基本とします。
・毎週2回の授業が半期(前期または後期)で完結するもの。1週間あたり8時間の学修を基本とします。
成績評価の方法・基準
種別 | 割合(%) | 評価基準 |
---|---|---|
中間試験 | 50 | 春学期前半の授業内容に基づき「到達目標」で掲げたポイントをどの程度達成できたか評価します。 |
期末試験(到達度確認) | 50 | 春学期後半の授業内容に基づき「到達目標」で掲げたポイントをどの程度達成できたか評価します。 |
成績評価の方法・基準(備考)
課題や試験のフィードバック方法
授業時間内で講評・解説の時間を設ける/授業時間に限らず、manabaでフィードバックを行う
課題や試験のフィードバック方法(その他の内容等)
アクティブ・ラーニングの実施内容
実施しない
アクティブ・ラーニングの実施内容(その他の内容等)
授業におけるICTの活用方法
実施しない
授業におけるICTの活用方法(その他の内容等)
実務経験のある教員による授業
いいえ
【実務経験有の場合】実務経験の内容
【実務経験有の場合】実務経験に関連する授業内容
テキスト・参考文献等
【テキスト・参考文献】
・福島康博(2018)『Q&Aハラールを知る101問 ムスリムおもてなしガイド』解放出版社、ISBN978-4-7592-6340-4
・福島康博(2022)『イスラームで許されるビジネス』インターブックス、ISBN978-4-9249-1476-6
【配布資料】
・補助教材として、配布資料をmanaba上で事前に配布します
その他特記事項
【ソフトウェアの利用について】
ソフトウェアの利用なし。
【成績調査について】
成績調査は、「なぜ自分がその成績なのか」を確認する制度であって、「単位をもらう/成績を上げてもらうための交渉の場」ではありません。この点を理解できる者のみ、履修して下さい。換言すれば、理解していないと認められる場合、そのことを理由として単位を与えません。例えば「この単位を落とすと卒業できなくなる/留学を継続できなくなるので、救済措置を取ってもらうことは可能ですか」といった趣旨の言動をとった場合は、絶対に単位を与えません。
参考URL
【webサイト】
manabaの予備として本科目用のウェブサイトを開設しておきます。
http://islamandeconomy.web.fc2.com/
【X 旧twitter】
授業運営に関する情報、授業内容を補足する情報などを提供します。
https://twitter.com/5546567stpaul