シラバス
授業科目名 | 年度 | 学期 | 開講曜日・時限 | 学部・研究科など | 担当教員 | 教員カナ氏名 | 配当年次 | 単位数 |
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国際開発論 | 2024 | 後期複数 | 火3,金1 | 経済学部 | 林 光洋 | ハヤシ ミツヒロ | 3年次配当 | 4 |
科目ナンバー
EC-NE3-02XX
履修条件・関連科目等
・履修条件は特にありません。
・毎回出席してもらうことを前提にして授業を設計しています。
・本科目を履修する前に、「国際協力論」(2年次以上の配当)を履修しておくと、この授業の内容を理解しやすいはずですし、この分野を体系的に学ぶことができます。
・「開発金融論」、「開発と環境」、「アジア経済論」、「アジア経営論」等の関連する科目もあわせて履修するとこの分野を体系的に学ぶことができます。
授業で使用する言語
日本語/英語
授業で使用する言語(その他の言語)
授業の概要
<学位授与方針と当該授業科目の関連>
この科目は、現実把握力(経済学の専門知識及び社会・人文・自然科学の知識教養に裏付けられた広い視野に立った柔軟な知性に基づき、現実の経済現象を的確に把握することができる)の修得に関わる科目です。
<概要>
テーマ:「貧困と格差に注目しながら、アジア途上国の開発経験について学ぼう!」
途上国の開発に関する基本的な理論や考え方を紹介し、特にアジア地域の途上国でこれまでどのような開発が行なわれ、それが貧困や格差をはじめ、社会・経済に対してどのような影響を与えたのかについて説明します。それらにもとづいて、社会・経済の発展に資する開発政策や開発戦略とはどのようなものなのかを学び、理解することができるように設計された授業です。開発経済学に軸足を置きますが、分析の対象を教育、保健・衛生、環境といった社会開発、環境開発の領域へも広げ、学際的に開発問題を扱います。
科目目的
途上国の開発にとって重要な視点や開発政策、開発戦略に関する知識を獲得し、それらを理解することができるようになることを目的としています。
到達目標
開発経済学をベースにしながら、1)途上国の開発政策、開発戦略の背後にある理論的基礎について、2)貧困と格差の考え方、測定方法、状況について、3)アジア途上国の開発経験について、を学び、理解できるようになることを目指しています
授業計画と内容
第1回は授業概要について、第2回から第3回は授業の中で最低限知っておくべき開発に関する基本的事項について説明を行ないます。第4回から第6回にかけては主要な開発理論を紹介し、第7回から第13回にかけては貧困と格差について議論します。第14回は、世界銀行等のオンライン・データベースとその加工方法を紹介し、それら統計データを使用する必要のある課題レポート(2,000-3,000字程度、ワード、エクセルの最低限の技術必要)の説明を行ないます。第15回は持続的成長の制約要因について、第16回はアジアの金融部門について、第17回と第18回は農業開発と工業化について議論します。第19回から第23回までは、日本を含むアジアの開発経験について説明します。第24回は、授業全体のフォローアップや課題の追加説明、途上国の開発問題に関連した旬な話題等を紹介します。最終回の第28回は授業全体のまとめを行ないます。可能であれば、全体を通して3回程度は、途上国の開発に従事している専門家・実務者を招き、特別授業をしてもらおうと考えています。
第1回 はじめに:授業の目的、計画、進め方等の説明
第2回 開発とは(1):基本的用語の意味・定義、授業の焦点、経済的・社会的指標からの観察、国際協力
第3回 開発とは(2):アジアにおける開発の現実
第4回 開発理論の系譜(1):構造主義経済学
第5回 開発理論の系譜(2):新古典派主義経済学、改良主義、従属論
第6回 開発理論の系譜(3):新しいアプローチ
第7回 貧困と格差(1):貧困とは何か、格差とは何か
第8回 貧困と格差(2):貧困指標と計測方法
第9回 貧困と格差(3):貧困の計測事例(演習)
第10回 貧困と格差(4):格差指標と計測方法
第11回 貧困と格差(5):格差の計測事例(演習)
第12回 貧困と格差(6):途上国および世界における貧困と格差の実態
第13回 貧困と格差(7):貧困削減と格差是正のための政策・戦略
第14回 世界銀行のオンライン・データベースと課題の説明
第15回 持続的成長の可能性:環境、格差、技術進歩
第16回 アジアの金融部門:発展、危機、改革
第17回 農業開発と工業化(1):農業開発
第18回 農業開発と工業化(2):工業開発
第19回 アジアの開発経験(1):日本の開発経験
第20回 アジアの開発経験(2):アジア途上経済の発展の特徴
第21回 アジアの開発経験(3):アジアの成長と開発の共通要因
第22回 アジアの開発経験(4):雁行形態型発展モデル
第23回 アジアの開発経験(5):アジアの地域経済協力
第24回 途上国の開発について
第25回 途上国開発の実際(1):専門家・実務者による特別授業(NGOs等の開発事業に従事する専門家・実務者による特別授業、実施の可能性、ゲストの氏名、日程等は未定)
第26回 途上国開発の実際(2):専門家・実務者による特別授業(企業等の開発事業に従事する専門家・実務者による特別授業、実施の可能性、ゲストの氏名、日程等は未定)
第27回 途上国開発の実際(3):専門家・実務者による特別授業(ODA等の開発事業に従事する専門家・実務者による特別授業、実施の可能性、ゲストの氏名、日程等は未定)
第28回 まとめ
なお、招聘する専門家・実務者の都合、その他の事情により、授業スケジュールや進め方が変更されることもあります。
授業時間外の学修の内容
指定したテキストやレジュメを事前に読み込むこと/授業終了後の課題提出
授業時間外の学修の内容(その他の内容等)
・授業実施時に配布されるハンドアウト(「manaba」にアップ)をしっかり読むようにしてください。
・世界銀行等のオンライン・データベース(WDI等)にもとづいて分析を行なう課題(期末課題レポート)に真剣に取り組んでください。
授業時間外の学修に必要な時間数/週
・毎週1回の授業が半期(前期または後期)または通年で完結するもの。1週間あたり4時間の学修を基本とします。
・毎週2回の授業が半期(前期または後期)で完結するもの。1週間あたり8時間の学修を基本とします。
成績評価の方法・基準
種別 | 割合(%) | 評価基準 |
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期末試験(到達度確認) | 60 | 期末試験(筆記) |
レポート | 30 | 期末課題レポート:世界銀行等のオンライン・データベース(WDI等)を用いた期末課題レポート(2,000-3,000字程度) |
平常点 | 10 | 「授業の要約・感想」(=リアクション・ペーパー)の提出やresponへの回答等 |
成績評価の方法・基準(備考)
期末試験、期末課題レポート、平常点(リアクション・ペーパーや respon の内容、授業内の質問に対する回答の内容等)にもとづいて上記のようなウエイトで評価します。
課題や試験のフィードバック方法
授業時間内で講評・解説の時間を設ける
課題や試験のフィードバック方法(その他の内容等)
・manabaのresponを利用して、授業時に授業内容に関連した質問をすることがあります。授業参加者の回答に対して、その場で、あるいは次回以降の授業でフィードバックするように努めます。
アクティブ・ラーニングの実施内容
PBL(課題解決型学習)/グループワーク/プレゼンテーション/その他
アクティブ・ラーニングの実施内容(その他の内容等)
世界銀行等のオンライン・データベースの使用方法について授業を行なう予定です。期末課題レポートは、課題の指示にしたがって、自らオンライン・データベースのデータをダウンロードし、作表し、それを分析してレポートを書いてもらいます。自らの手を動かすタイプの作業です。
授業におけるICTの活用方法
その他
授業におけるICTの活用方法(その他の内容等)
世界銀行のオンライン・データベースの使用方法について授業を行なう予定です。期末課題レポートは、課題の指示にしたがって、自らオンライン・データベースのデータをダウンロードし、作表し、それを分析してレポートを書いてもらいます。最低限の表計算ソフト(Excel等)およびワープロソフト(Word等)の知識を身につけておいてもらう必要があります。
実務経験のある教員による授業
はい
【実務経験有の場合】実務経験の内容
詳しくは、下記URLを参照してください。
https://c-research.chuo-u.ac.jp/html/100002978_ja.html
【実務経験有の場合】実務経験に関連する授業内容
途上国の開発現場、国際協力の現場で経験したことを、授業の関連する場面で紹介します。
テキスト・参考文献等
【参考文献】
S. ナヤ、2013年、『アジア開発経済論:持続的成長、貧困削減、危機克服の経験』、文眞堂.
その他の参考文献・資料等は、授業開始後、それぞれの回で必要に応じて紹介します。
その他特記事項
質問、コメント等があれば、授業の開始前、終了後にコンタクトしてください。