シラバス
授業科目名 | 年度 | 学期 | 開講曜日・時限 | 学部・研究科など | 担当教員 | 教員カナ氏名 | 配当年次 | 単位数 |
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演習Ⅰ | 2024 | 春学期 | 火4 | 商学部 | 小野 有人 | オノ アリト | 3年次のみ | 2 |
科目ナンバー
CM-IF3-11XS
履修条件・関連科目等
「マネー&ファイナンス入門」あるいは「ファイナンス論」を履修していることが望ましいですが、必須ではありません。
授業で使用する言語
日本語
授業で使用する言語(その他の言語)
授業の概要
〔テーマ〕ファイナンス理論から考えるESG投資
本演習では、学生が(1)金融・経済に関する特定のテーマについて主体的に学び、(2)自分自身の研究テーマをみつけて卒業論文を作成すること、を目指します。(1)について、本年度は「ファイナンス理論から考えるESG投資」をテーマとします。
ESG投資は、E(環境)・S(社会)・G(ガバナンス)に着目した投資の総称です。ESG投資は近年増加しており、また投資家だけでなく社会の注目も集めています。学生の皆さんもメディア等を通じて見聞きしたことがあるかもしれません。しかし、ファイナンス研究者のなかには、ESG投資に関する報道のあり方に違和感を持っている人も少なくありません(本演習の教員もその一人です)。本演習では、ファイナンス理論(より広くは経済学)の観点から、ESG投資について学んでいきます。
演習Ⅰ(3年次春学期)では、ファイナンス理論についてのテキストを輪読した後、ESG投資をファイナンス理論の観点から考察している文献を輪読します。受講生がファイナンス理論、ESG投資に関する基礎的な知識を習得するとともに、ESG投資について論理的・主体的に考察できるようになることがゴールです。
演習Ⅱ(3年次秋学期)では、ESG投資に関するより専門的な文献(実証分析を行った文献)を輪読します。また、専門的な文献を理解するには、統計学・データ分析の知識が必要になるため、統計学・データ分析のテキストの輪読も行います。卒業論文の作成に必要となる実証分析の基礎知識を習得することがゴールです。
演習Ⅲ(4年次春学期)では、卒業論文作成の準備作業を行います。具体的には、卒業論文のテーマ選び、関連文献の収集とその内容の報告、データ収集などを行います。進捗状況を、教員・他のゼミ生に報告しながら、卒業論文のスケルトン(論文の「骨格」を示した文書)を作成します。
演習Ⅳ(4年次秋学期)では、卒業論文を作成します。進捗状況を教員・他のゼミ生に報告しながら、卒業論文を完成させます。
科目目的
この科目は、カリキュラム上の「商学部アドヴァンスト科目」であり、商学部スタンダード科目及び商学部分野別専門科目の発展的な科目として位置付けられています。この科目での学習を通じて、学生がESG投資に関する認識を深めるとともに、「主体的学習能力」(商学部ディプロマ・ポリシーの<卒業するにあたって備えるべき知識・能力・態度>の一つ)を習得することを目的としています。
到達目標
(1) ESG投資について自分なりの考え方を持ち、説明できるようになること。たとえば「投資家はESG投資を通じて社会的な課題を解決すべきである。」という主張に対して、賛成か反対か、その論拠は何かを説明できるようになること。
(2) 学術論文のスタイルに即した卒業論文を作成できるようになること。具体的には、研究テーマの意義、検証可能な分析仮説の設定、仮説を検証するための方法の考案、分析結果の導出とその考察、を分かりやすく伝える論文を作成すること。
授業計画と内容
演習Ⅰ
第1回 ガイダンス(自己紹介、輪読分担の決定など)
第2回 砂川(2017)第1章
第3回 砂川(2017)第2章
第4回 砂川(2017)第3章
第5回 砂川(2017)第4章
第6回 砂川(2017)第5章
第7回 本田・伊藤(2023)第1章
第8回 本田・伊藤(2023)第2~3章
第9回 本田・伊藤(2023)第4~5章
第10回 本田・伊藤(2023)第6~7章
第11回 本田・伊藤(2023)第8~9章
第12回 本田・伊藤(2023)第10章
第13回 本田・伊藤(2023)第11章
第14回 本田・伊藤(2023)第12~13章
演習Ⅱ
第15回 畑農・水落(2022)第1章
第16回 畑農・水落(2022)第3章
第17回 畑農・水落(2022)第4章
第18回 畑農・水落(2022)第5章
第19回 畑農・水落(2022)第6章
第20回 畑農・水落(2022)第7章
第21回 データベースを探す
第22回 畑農・水落(2022)第8章
第23回 畑農・水落(2022)第9章
第24回 畑農・水落(2022)第10章
第25回 湯山(2020) 第5章
第26回 湯山(2020) 第6章
第27回 湯山(2020) 第7章
第28回 湯山(2020) 第8章
演習Ⅲ
第29回 ガイダンス(卒論研究テーマ候補、関連文献の報告)
第30回 卒論関連文献の輪読(1)
第31回 卒論関連文献の輪読(2)
第32回 卒論関連文献の輪読(3)
第33回 卒論関連文献の輪読(4)
第34回 卒論関連文献の輪読(5)
第35回 卒論関連文献の輪読(6)
第36回 卒論関連文献の輪読(7)
第37回 卒論関連文献の輪読(8)
第38回 卒論関連文献の輪読(9)
第39回 卒論関連文献の輪読(10)
第40回 卒論関連文献の輪読(11)
第41回 卒論関連文献の輪読(12)
第42回 まとめ:文献サーベイに基づく研究テーマの絞り込み、スケルトン案の報告
演習Ⅳ
第43回 卒論進捗状況の報告とフィードバック(1)
第44回 卒論進捗状況の報告とフィードバック(2)
第45回 卒論進捗状況の報告とフィードバック(3)
第46回 卒論進捗状況の報告とフィードバック(4)
第47回 卒論進捗状況の報告とフィードバック(5)
第48回 卒論進捗状況の報告とフィードバック(6)
第49回 卒論進捗状況の報告とフィードバック(7)
第50回 卒論進捗状況の報告とフィードバック(8)
第51回 卒論進捗状況の報告とフィードバック(9)
第52回 卒論進捗状況の報告とフィードバック(10)
第53回 卒論進捗状況の報告とフィードバック(11)
第54回 卒論進捗状況の報告とフィードバック(12)
第55回 卒論報告会(1)
第56回 卒論報告会(2)
授業時間外の学修の内容
指定したテキストやレジュメを事前に読み込むこと/授業終了後の課題提出/その他
授業時間外の学修の内容(その他の内容等)
● テキスト輪読の授業にて、プレゼンテーションを割り当てられた担当者は、十分に下調べ(たとえばテキストを読んで分からなかった箇所について他の文献等を調べるなど)を行ったうえでレジメを作成し、発表することが求められます。
● テキスト輪読の授業にて、プレゼン担当者以外の受講生は、事前にテキストの該当箇所を読んだうえで、理解できなかった点、発表者のプレゼン内容について疑問に思った点などを授業中に発言することが求められます。
● 卒論作成の進捗が遅い場合は、授業時間外に研究を進め、進捗状況を教員に報告することが求められます。
● 演習参加者と相談のうえ、合宿、プレゼンテーション大会への参加などを行う可能性があります。
授業時間外の学修に必要な時間数/週
・毎週1回の授業が半期(前期または後期)または通年で完結するもの。1週間あたり4時間の学修を基本とします。
・毎週2回の授業が半期(前期または後期)で完結するもの。1週間あたり8時間の学修を基本とします。
成績評価の方法・基準
種別 | 割合(%) | 評価基準 |
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レポート | 40 | ・(3年次)担当するプレゼンテーションの準備を十分に行ったか、プレゼンテーションの構成、説明は分かりやすいか、などを総合的に評価します。 ・(4年次)卒論のスケルトン作成、進捗報告などを期日内に行ったか、教員やゼミ生からのコメントに適切に対応したか、などを総合的に評価します。 |
平常点 | 60 | ・授業中の討論への参加、プレゼン内容について意見・疑問等を発言したか(30%)。 ・授業後の課題の提出状況(30%)。 ・無断欠席・遅刻は大幅な減点対象とします。 |
成績評価の方法・基準(備考)
課題や試験のフィードバック方法
授業時間内で講評・解説の時間を設ける/授業時間に限らず、manabaでフィードバックを行う
課題や試験のフィードバック方法(その他の内容等)
アクティブ・ラーニングの実施内容
ディスカッション、ディベート/グループワーク/プレゼンテーション
アクティブ・ラーニングの実施内容(その他の内容等)
授業におけるICTの活用方法
実施しない
授業におけるICTの活用方法(その他の内容等)
実務経験のある教員による授業
いいえ
【実務経験有の場合】実務経験の内容
【実務経験有の場合】実務経験に関連する授業内容
テキスト・参考文献等
〔テキスト〕
以下の文献をテキストとします。ただし、ゼミ開講時までにもっと良い文献がみつかった場合は、学生と相談の上適宜変更します。
● 砂川伸幸、『コーポレート・ファイナンス入門<第2版>』、日本経済新聞出版(日経文庫)、2017年、ISBN 978‒4532113681
● 本田桂子・伊藤隆敏、『ESG投資の成り立ち、実践と未来』、日本経済新聞出版、2023年、ISBN 978‒4296114672
● 畑農鋭矢・水落正明『データ分析をマスターする12のレッスン〔新版〕』、有斐閣(有斐閣アルマ)、2022年、ISBN: 978‒4641222052
● 湯山智教、『ESG投資とパフォーマンス―SDGs・持続可能な社会に向けた投資はどうあるべきか』、きんざい、2020年、ISBN 978‒4322135763
その他特記事項
〔募集人数〕
15名程度
〔募集方法〕
● レポート(manabaの「レポート」にて提出)
● 面接試験
〔課題図書〕
なし
〔国外実態調査〕
実施しない
〔利用するソフトウェア〕
可能であればStata(第22~24回)
〔注意事項〕
● 教員が2022年度はサバティカル(在外研究)期間中のため2024年4月に募集します。
● 演習は、参加者が主体的に取り組むことが基本要件です。卒業時に「ゼミ(だけ)は全力投球した」と振り返ることができるような意欲を持った学生の参加を期待しています。
参考URL
過去のゼミについては以下を参照してください。
https://valley68.com/lectures/