シラバス
授業科目名 | 年度 | 学期 | 開講曜日・時限 | 学部・研究科など | 担当教員 | 教員カナ氏名 | 配当年次 | 単位数 |
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演習Ⅰ | 2024 | 春学期 | 木4 | 商学部 | 佐久間 英俊 | サクマ ヒデトシ | 3年次のみ | 2 |
科目ナンバー
CM-IF3-11XS
履修条件・関連科目等
3年次配当の事前登録科目です。
演習Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ・Ⅳ・論文はセット履修科目です。
経営学、マーケティング入門、流通論、マーケティング管理論などを履修した、または並行履修していることが望ましい。
授業で使用する言語
日本語
授業で使用する言語(その他の言語)
授業の概要
〔テーマ〕
日本企業の国際競争力を考える
〇テーマについて
1980年代頃と比べると日本企業の国際競争力は大きく減退した。本演習ではマーケティングの視点からこれを考察する。競争力の源泉とは何か。日本企業の競争力はかつてはなぜ高かったのか。いまなぜ減退したのかなどについて、様々な面から検討していきます。
〇春学期
・新聞報告(隔週で20分)=社会で起きている出来事に関心を持ち、教養を広げることを目的に行います。報告担当者が選んだ新聞記事を、要約したレジュメに基づいて報告をし、疑問点を解決した上で、論点について全員で討論します。(報告者1名、司会者1名)
・テキスト検討(隔週で80分)=マーケティング現象や理論に関する知見を広げること、問題意識を高めること、論理的な思考力を鍛えること、議論する力をつけることなどを目的としています。ゼミの研究テーマに即した専門書や資料をテキストに選び、報告担当者がレジュメに基づいて報告し、疑問点を解決した上で、論点について全員で討論します。(報告者1名、司会者1名)
・論文班の報告(隔週、2チームずつ報告予定)
課題設定能力、論理的思考力、組織運営能力、プレゼン能力などを鍛えることを目的としています。複数の研究チームに分かれて、自分たちで選定したテーマに関して調べてきた内容を報告し、全体で議論します。秋には論文にまとめ、論文大会に参加して発表・討論することを目指しています。
※論文チームはゼミの正規授業時間外にグループ単位で集まり、資料収集や分析、報告準備などの活動をします。
〇夏季休業期間
・夏合宿(2泊3日の予定)。すべての論文チームによる報告、テキストの検討、親睦など。
・フィールドワーク
新型コロナウイルス感染症の収束を前提として、3年次の夏季休業期間中に近隣アジア諸国での国外訪問調査(3~4泊)を実施する予定です。過去にはタイ・ホンダ(二輪工場)などを訪問。
海外調査が実施できない場合は、関東の近隣都市や合宿地近くの調査対象を訪問し、施設見学、質疑応答などを行います(過去には、アサヒビール、味の素、ガトーフェスタハラダ、キユーピー、コカ・コーラ、シャトレーゼ、白瀧酒造、ニッカウヰスキー、明治製菓、モンデ酒造、ロッテ、日本製鉄、京セラ、東芝、NEC、三菱電機、ホンダ、日産自動車、東京電力などを訪問)。
事前に調査対象に関する文献・資料を取り上げ、検討します。全員の質問書を事前提出し、当日回答してもらう予定です。
〇秋学期
・新聞報告(隔週)
・テキスト検討(隔週)
・論文班の報告(隔週、2チームずつ報告)
〇春休み期間
・春合宿(2泊3日の予定)。テキストの検討、卒論テーマ報告、就職活動指導、親睦など。
科目目的
この科目は、カリキュラム上の「商学部アドヴァンスト科目」であり、商学部スタンダード科目及び商学部分野別専門科目の発展的な科目として位置づけされています。この科目での学習を通じて、主体的学習能力を習得することを目的としています。
この演習は、学習を通じて当該テーマに関する専門知識を身につけるとともに、社会で求められる能力の獲得を目的としています。
学術的な文献を読むことを通じて抽象的な思考力と分析能力を、課題研究を通じて課題の発見、資料の収集方法や分析方法を、報告発表や討論を通じてプレゼン能力、他者の意見を要約する力、議論する力を鍛えます。またグループ作業や様々なゼミ企画を通じて組織運営能力を養います。
2年間のゼミ活動を通じて、すべてのゼミ生が当該領域の学術文献を理解でき、他者と円滑にコミュニケーションをとれ、自己の研究テーマについて調べ考えた内容を発表でき、最終的にそれらを卒業論文の形でまとめることを目標にしています。
到達目標
到達目標として、①学生が関連分野の学術文献を読み、内容を正確に理解できる、②報告者として、テキスト等の内容を的確に要約し、論点を考え、報告レジュメ(発表資料)に基づき説明できる、③授業での討論を通じて、他者の発言内容を正確に把握し、自己の意見を分かり易く説明できる、④自己の研究テーマについて研究課題を見つけ、資料や文献を収集し、分析し、自己の評価や自説の論証を行える、⑤ゼミの諸活動を通じて組織運営能力を獲得することを目指しています。
授業計画と内容
(3年次)
第1回 相互交流、グループ研究のテーマ議論など
第2回 ゼミ独自の図書館利用ガイダンス(中央図書館書庫などを見学)
第3回 入ゼミ記念講演
第4回 新聞報告とテキスト1の第1章の輪読と討論 ※著者の課題提起
第5回 研究チームA班とB班の第1回発表と討論 ※課題設定と対象の限定
第6回 新聞報告とテキスト1の第2章の輪読と討論 ※競争力の概念
第7回 研究チームC班とD班の第1回発表と討論 ※課題設定と対象の限定
第8回 新聞報告とテキスト1の第3章の輪読と討論 ※日本企業の製品開発
第9回 研究チームA班とB班の第2回発表と討論 ※共同論文第2章について
第10回 新聞報告とテキスト1の第4章の輪読と討論 ※日本企業の企業間関係
第11回 研究チームC班とD班の第2回発表と討論 ※共同論文第1章について
第12回 ビデオ鑑賞
第13回 新聞報告とテキスト1の第5章の輪読と討論 ※消費者側要因の考察
第14回 研究チームA班とB班の第3回発表と討論 ※共同論文第2章について
第15回 新聞報告とテキスト1の第6章の輪読と討論 ※国際競争の規定要因
第16回 研究チームC班とD班の第3回発表と討論 ※共同論文第2章について
第17回 フィールドワークのための文献検討
第18回 新聞報告とテキスト1の第7章の輪読と討論 ※途上国企業のキャッチアップ
第19回 研究チームA班とB班の第4回発表と討論 ※共同論文第3章について
第20回 新聞報告とテキスト1の第8章の輪読と討論 ※為替レートの影響
第21回 研究チームC班とD班の第4回発表と討論 ※共同論文第3章について
第22回 フィールドワーク訪問先に提出する質問作成
第23回 新聞報告とテキスト1の第9章の輪読と討論 ※多国籍化と国際競争力
第24回 研究チームA班とB班の第5回発表と討論 ※共同論文第4章と終章について
第25回 新聞報告とテキスト1の第10章の輪読と討論 ※国際競争力強化と課題
第26回 研究チームC班とD班の第5回発表と討論 ※共同論文第4章と終章について
第27回 フィールドワーク
第28回 ゼミ活動まとめ
※テキスト研究とグループ研究はそれぞれ隔週で交互に行います。
※テキストはゼミ生と相談して決めるため、各回のテーマは変更の可能性が大いにあります。
※春学期開講前(3月下旬)に2泊3日程度の事前合宿を実施し、テキスト検討、集団論文討議、論文チームの班分け討議などを行う予定です。合宿は夏、翌春の計3回行う予定です。
※図書館ガイダンス、合宿やフィールドワーク等の課外活動の実施は、新型コロナウイルス感染症の収束状況に左右されます。
(4年次)
第29回 卒論の書き方に関する指導(講義)
第30回 ゼミ生1と2が卒論研究を発表し討論
第31回 ゼミ生3と4が卒論研究を発表し討論
第32回 ゼミ生5と6が卒論研究を発表し討論
第33回 ゼミ生7と8が卒論研究を発表し討論
第34回 ゼミ生9と10が卒論研究を発表し討論
第35回 ゼミ生11と12が卒論研究を発表し討論
第36回 ゼミ生13と14が卒論研究を発表し討論
第37回 ゼミ生15と16が卒論研究を発表し討論
第38回 ゼミ生1と2が卒論研究を発表し討論
第39回 ゼミ生3と4が卒論研究を発表し討論
第40回 ゼミ生5と6が卒論研究を発表し討論
第41回 ゼミ生7と8が卒論研究を発表し討論
第42回 ゼミ生9と10が卒論研究を発表し討論
第43回 ゼミ生11と12が卒論研究を発表し討論
第44回 ゼミ生13と14が卒論研究を発表し討論
第45回 ゼミ生15と16が卒論研究を発表し討論
第46回 ゼミ生1と2が卒論研究を発表し討論
第47回 ゼミ生3と4が卒論研究を発表し討論
第48回 ゼミ生5と6が卒論研究を発表し討論
第49回 ゼミ生7と8が卒論研究を発表し討論
第50回 ゼミ生9と10が卒論研究を発表し討論
第51回 ゼミ生11と12が卒論研究を発表し討論
第52回 ゼミ生13と14が卒論研究を発表し討論
第53回 ゼミ生15と16が卒論研究を発表し討論
第54回 卒論作成にあたっての準備と相談
第55回 下級生の前で卒論研究発表、討論など
第56回 卒論完成とゼミ活動の総括
※通常授業での卒論報告は、基本的には2名ずつ報告し、全員で質疑応答を行います。
※夏季休業期間中に4年ゼミ夏合宿を2泊3日程度で実施し、卒論指導などを行う予定です。
※12月に初稿を作成した後は通常授業と並行して個別指導(オンラインなど)により論文をブラッシュアップします。
授業時間外の学修の内容
指定したテキストやレジュメを事前に読み込むこと/その他
授業時間外の学修の内容(その他の内容等)
テキストの予習、報告レジュメの作成、課題レポートの作成、サブゼミでの集団論文の資料収集・分析・討論と発表準備、フィールドワーク、ゼミ合宿をはじめとするゼミ企画への参加などを必要とする。
授業時間外の学修に必要な時間数/週
・毎週1回の授業が半期(前期または後期)または通年で完結するもの。1週間あたり4時間の学修を基本とします。
・毎週2回の授業が半期(前期または後期)で完結するもの。1週間あたり8時間の学修を基本とします。
成績評価の方法・基準
種別 | 割合(%) | 評価基準 |
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レポート | 20 | 提示した課題に関して、問題意識の斬新さ、分析の深さ、参考文献の質と量、文献引用方法の適切さ等の点から、総合的に判断します。 |
平常点 | 70 | ゼミへの参加回数、参加態度、報告の出来、発言の回数と質などを総合的に評価します。 |
その他 | 10 | ゼミ活動への貢献度(ゼミ内担当業務の遂行)など。 |
成績評価の方法・基準(備考)
課題や試験のフィードバック方法
授業時間内で講評・解説の時間を設ける/授業時間に限らず、manabaでフィードバックを行う
課題や試験のフィードバック方法(その他の内容等)
アクティブ・ラーニングの実施内容
PBL(課題解決型学習)/反転授業(教室の中で行う授業学習と課題などの授業外学習を入れ替えた学習形式)/ディスカッション、ディベート/グループワーク/プレゼンテーション/実習、フィールドワーク
アクティブ・ラーニングの実施内容(その他の内容等)
授業におけるICTの活用方法
タブレット端末
授業におけるICTの活用方法(その他の内容等)
新型コロナウイルス感染者が出た場合、感染者はオンライン参加となるため、非感染者も教室からオンラインにアクセスできる情報端末を必要とします。
また社会的にウイルス感染が拡大した場合、同時双方向型オンライン授業に切り替えるため、それに対応したインターネット接続環境と情報端末(PC等)を必要とします。
実務経験のある教員による授業
はい
【実務経験有の場合】実務経験の内容
履修する学生の問題意識、組織や業種・職種の関心や希望などを聞き、相談の上、決定します。
【実務経験有の場合】実務経験に関連する授業内容
社会で活躍されている実務家を授業に招き、所属する組織の経営や運営・組織環境の特徴、自身の仕事の内容や遣り甲斐などを講演いただく予定です。
テキスト・参考文献等
〔テキスト〕
初回授業で提示します。
〔参考文献〕
伊藤元重編著(2013)『日本の国際競争力――貿易・国際収支の構造的変化がもたらすもの』
木立真直・佐久間英俊・吉村純一編著(2017)『流通経済の動態と理論展開』同文舘。
齋藤雅通・佐久間英俊編著(2018)『グローバル競争と流通・マーケティング』ミネルヴァ書房。
友寄英隆(2011)『「国際競争力」とは何か―賃金・雇用、法人税、TPPを考える―』かもがわ出版。
日本流通学会編(2023)『現代流通事典(第3版)』白桃書房(初版2006年)
林正樹(2011)『現代日本企業の競争力――日本的経営の行方』ミネルヴァ書房。
藤本隆宏(2003)『能力構築競争―日本の自動車産業はなぜ強いのか―』中公新書。
松原隆一郎(2011)『日本経済論 「国際競争力」という幻想』NHK出版新書。
森原康仁(2017)『アメリカIT産業のサービス化―ウインテル支配とIBMの事業変革―』日本経済評論社。
保田芳昭編著(1999)『マーケティング論(第2版)』大月書店。
P・コトラー(2018)『コトラー 競争力を高めるマーケティング―「デジタル消費者」の時代、アジアから世界へ!―』、丸善出版。
その他特記事項
〔募集人数〕
15名
〔募集方法〕
課題レポート(一次審査)と面接(二次審査)。応募者多数の場合は、一次審査で合格者を絞り込む(足切りする)場合があります。
〇レポート(紙媒体に印刷して事務室に提出)
〇面接試験
〔注意事項〕
ゼミの活動は学生の主体性に基づきます。研究チームでの活動時間、読書時間、書籍代などを惜しまず、研究意欲が旺盛な学生の応募を望みます。
各種のゼミ行事を含めてゼミ活動と私事(サークル活動、アルバイト、家族旅行など)が重なった場合、後者を選ぶ学生は履修を遠慮してもらいたい。各自の学生生活の中にゼミ活動を明確に位置づけ、読書時間を惜しまず問題意識を高める学生、ゼミ生同士の交流を重視できる学生の応募を望みます。
基本的に授業は教室で行う予定ですが、コロナウイルス感染症の拡大状況によってはオンライン授業(同時双方向型)に切り替えることもあります。それに伴って、当初の授業計画をやむを得ず変更することがあります。
〔国外実態調査〕
新型コロナウイルス感染症の収束を前提として、3年次の夏季休業期間中に近隣アジア諸国での国外訪問調査(3~4泊)を実施する予定です。
〔使用ソフト〕
オンラインソフトとして、ZoomミーティングまたはWebexを使用する。