シラバス
授業科目名 | 年度 | 学期 | 開講曜日・時限 | 学部・研究科など | 担当教員 | 教員カナ氏名 | 配当年次 | 単位数 |
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公共政策 | 2024 | 後期複数 | 火3,火4 | 経済学部 | 冨岡 淳 | トミオカ ジュン | 3年次配当 | 4 |
科目ナンバー
EC-PB3-01XX
履修条件・関連科目等
学部2年生レベルのミクロ経済学の基本知識を前提とします。
入門的な公共経済学、労働経済学、社会保障論、統計学の知識があると有利ですが、必須ではありません。
授業で使用する言語
日本語
授業で使用する言語(その他の言語)
授業の概要
<学位授与方針と当該授業科目の関連>
この科目は、現実把握力(経済学の専門知識及び社会・人文・自然科学の知識教養に裏付けられた広い視野に立った柔軟な知性に基づき、現実の経済現象を的確に把握することができる)の修得に関わる科目です。
<概要>
現代人は心身の傷病や失業、貧困など、さまざまなリスクに直面しています。先進国における公共政策、とくに社会保障制度と労働政策は、人々のそのような生活上の困難への備えを提供するとともに、人々の潜在的な能力や可能性を引き出す役割をも担っています。
しかし、20世紀後半の先進国に定着した福祉国家体制は、グローバル化、少子高齢化、ICTの発展と経済格差の拡大、環境問題の顕在化などに直面した結果、その持続可能性が問われてもいます。
この授業では、主に現代日本の社会保障と労働政策に関わるさまざまな論点を、経済理論と統計データ、さらに国際的視野と歴史的視点をふまえて考察します。
また、さまざまな政策の効果はどうすれば正確に把握しうるのか、すなわち政策評価の手法についても、そのアイデアを学びます。
科目目的
この授業では、現代日本のさまざまな論点、たとえば経済格差、社会保障の財政、貧困、労働条件、失業、育児、介護、医療、公的年金の持続可能性といったテーマを取りあげ、まず実態の把握を目指します。次に、それらの問題に社会保障と労働政策がどのように関わっているかを検討します。また、その際のアプローチとして、経済理論と統計データが強力なツールであることを体感し、さらに国際的視野と歴史的視点の意義を理解することを目指します。
そのような作業を通して、この社会を構成し支える主体である市民としての私たちが、より望ましい制度と政策を構想するための足がかりを築きましょう。
到達目標
上記の目的のために、具体的には以下の到達目標を設定します。
(1)現代日本のさまざまな経済問題の現状を理解できる。
(2)それら諸問題に対する社会保障と労働政策の効果を吟味できる。
(3)経済理論、統計、国際比較、歴史的把握という多角的なアプローチを利用できる。
(4)望ましい社会保障制度と労働政策について構想できる。
授業計画と内容
第1回 イントロダクション:社会保障と労働政策とは何か/その歴史
第2回 経済学の概念:効率性・公平性・政策介入
第3回 政策介入の経済理論的根拠:社会保障制度/労働政策
第4回 経済格差:その測定と評価
第5回 社会保障と再分配:その機能と規模
第6回 貧困:定義、測定、公的扶助
第7回 日本の労働市場:日本型雇用システムと労働問題
第8回 労働規制と労災:最賃、労働組合、労働時間規制、労災保険
第9回 失業:その原因と対策
第10回 育児:子育ての経済学と経済政策
第11回 住宅:居住保障と住宅政策
第12回 健康と医療保険:介入の根拠と制度の実態
第13回 介護:介護サービスの経済学と経済政策
第14回 公的年金:年金の経済学と制度/まとめ
※上記の計画は受講者の前提知識や授業の進捗状況によって若干の変更の可能性があります。
授業時間外の学修の内容
指定したテキストやレジュメを事前に読み込むこと/授業終了後の課題提出
授業時間外の学修の内容(その他の内容等)
授業時間外の学修に必要な時間数/週
・毎週1回の授業が半期(前期または後期)または通年で完結するもの。1週間あたり4時間の学修を基本とします。
・毎週2回の授業が半期(前期または後期)で完結するもの。1週間あたり8時間の学修を基本とします。
成績評価の方法・基準
種別 | 割合(%) | 評価基準 |
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期末試験(到達度確認) | 70 | 授業の理解度を評価します。 |
その他 | 30 | 複数回行う小テストの得点で授業の理解度を評価します。 |
成績評価の方法・基準(備考)
課題や試験のフィードバック方法
授業時間内で講評・解説の時間を設ける/授業時間に限らず、manabaでフィードバックを行う
課題や試験のフィードバック方法(その他の内容等)
アクティブ・ラーニングの実施内容
実施しない
アクティブ・ラーニングの実施内容(その他の内容等)
授業におけるICTの活用方法
その他
授業におけるICTの活用方法(その他の内容等)
授業中もしくは授業外にmanabaの小テストやアンケートの機能を利用する予定です。
実務経験のある教員による授業
いいえ
【実務経験有の場合】実務経験の内容
【実務経験有の場合】実務経験に関連する授業内容
テキスト・参考文献等
テキスト
・駒村康平、山田篤裕、四方理人、田中聡一郎、丸山桂著『社会政策:福祉と労働の経済学』有斐閣、 2015年(有斐閣アルマ) ISBN: 9784641220584
参考文献
・椋野美智子、田中耕太郎著『はじめての社会保障:福祉を学ぶ人へ』第20版、有斐閣、2023年(有斐閣アルマ) ISBN: 9784641222151
・伊藤公一朗著『データ分析の力:因果関係に迫る思考法 』光文社、2017年(光文社新書) ISBN: 9784334039868
※その他、公共経済学、労働経済学、統計学の任意の入門的教科書も参考になります。
その他特記事項
講義中の私語は負の外部性を生むため厳禁します。
授業中および授業時間外の質問を歓迎します。
教員の連絡先:jun.tomioka@meisei-u.ac.jp